冒険小説とは簡単に一括りには出来ない分野ですね!
子供の頃に夢中で読んだ、トムソーヤの冒険、宝島等古典と言われる小説から、スパイ小説、海洋冒険小説、山岳小説等、様々な要素が組み合わせられています。
読者の未知への願望や想像や、設定された小説の舞台に立たせてしまうような、胸躍る総じて冒険小説と言うのでしょうか!
イギリスの冒険小説と言うと、第二次世界大戦前後を舞台にした冒険小説、伝統的な海洋冒険小説に大別される。
第二次大戦前後を舞台にしたイギリスの作家は、多くいますが私が最もインパクトを受けた作家は、「ナヴァロンの要塞」「荒鷲の要塞」などの作者であるアリステア マクリーンです。
今回は、アリステア マクリーンのおすすめのイギリス冒険小説をランキング形式で紹介してみたいと思います!
アリステア マクリーンについて
1922年生まれ
1941年にイギリス海軍に入隊
自身の海軍での経験が数々の小説の中に生かされており、又「イアン スチュアート」のペンネームを持っている。
イアン スチュアート名での最もヒット作は、映画にもなり良く知られている「ナヴァロンの要塞」がある。
短編も含めて50作以上の作品を書いている。
アリステア マクリーンの作品の特徴は、他の冒険小説作家と違って女性の匂いがしない男くさい作品が多い。
アリステア マクリーン作品のおすすめランキングベスト5
5位「サン アンドレアス号の脱出」
アリステア マクリーンの作品、1970年から1980年代の小説は、1950年代から60年代の作品に比較すると、正直余り面白いとは思わなかったが、この<サン、アンドレア号の脱出>は舞台が<女王陛下のユリシーズ号>と同じ第二次大戦中の北極海!
舞台設定が、極限の状態の小説はそれだけで人間の生存本能を刺激するようで、作品の中に入り込むような錯覚に陥るかも。
サン アンドレア号は、病院船なのにドイツ空軍の猛攻に合い船長以下甲板の士官達が負傷して倒れてしまい、船を指揮するのは水夫長
「何としてもイギリス本国に帰り着かねば」の状況。
行くての北極海には、ドイツ軍Uボートや空軍機が待ち構えている。
しかも病院船にはドイツのスパイが潜んでいるようで、次々と難問が出て来る!
サン アンドレア号は軍艦ではなくて、病院船、乗組員は水夫、医師、看護婦と病人。
迫りくるドイツ軍のUボートや攻撃機には対処は出来ない極限状態。
極寒の北極海と舞台は同じだが、操船さえ難しい状態の病院船、アリステア マクリーンは、このような極限の難しい状況での人間の心理等を描写するので臨場感があり、読者を魅了していく!
又、本作品は推理小説の要素が多分に多い作品ですね。
4位「最後の国境線」
この作品は冒険小説、スパイ小説の要素が色濃い作品ですね。
舞台は、米国を基とする西側諸国陣営とソ連、東欧の東側陣営の冷戦下の物語です。
ミサイル弾頭計算の権威の科学者がソ連に拉致されてしまい、西側陣営としては、弾道計算の高度な情報がソ連邦に渡れば軍事的にも非常に宜しくない状況なので、イギリスの諜報員が、その科学者を密かに連れ戻しに東側陣営のハンガリーに滞在中の科学者を取り戻しに潜入する。
西側陣営の協力者のサポートを受けながら、何とか科学者を連れてオーストリア国境にたどり着く。
ストーリーは簡単に言うとこんな感じですが、協力者が個性豊かな人間が描かれており、人間らしい情感がたっぷり溢れている感動的な作品です。
全編に渉って、読者をハラハラドキドキさせる構成で、最後のオーストリアとの国境にたどり着いた場面では読んでいる自分がそこに居るように!
本当に心臓に悪い、ハラハラドキドキでした。
1950年代から1960年代のアリステア マクリーンの作品は第二次大戦後の世界状況の歴史を理解してから読むと、より面白く楽しめると思いますよ。
[ad#ad-1]3位「荒鷲の要塞」
1968年に映画化されて、脚本もアリステア マクイーンが担当した。
これも第二次大戦中の物語で、アリステア マクリーンには珍しく舞台はアルプス山脈で(鷲の城)と呼ばれる難攻不落の城塞である。
第二次大戦中ナチスドイツ軍に対して大陸反攻作戦の将軍が飛行機事故の為、ドイツ軍の捕虜になり、(荒鷲の要塞)に監禁されてしまう。
この将軍を救出する為に難事を克服しながらの救出行。
救出部隊メンバーのそれぞれの立場の違いとか人間臭さも描かれており、代表作の一つです。
映画も大ヒットした戦争、スパイ大作だが、主演のリチャードバートン、クリントイースドウッドの2大スターだったが、個人的にはナヴァロンの要塞と比べると、重厚味に欠ける感じだったが!
ストーリー的には、やはりハラハラドキドキで非常に面白い作品!
2位「ナヴァロンの要塞」
このストーリーは本も映画も面白い!
海洋冒険小説と言うより、戦争小説の色彩が濃いが舞台設定に海が絡んでおります。
1961年に映画化されて当時の大ヒット映画です。
映画は当時の大スター、グレゴリーペック、アンソニークイーン、アレックギネスの3名優が、それぞれの個性が演出で際立っておりました。
特にアンソニークイーンの演技は光っていましたね。
舞台は第二次大戦中のドイツ軍の占領地に包囲されたギリシャエーゲ海のケロス島に孤立した2000名の英軍を救出するには海路しかない。
この海路には、ナヴァロン島にあるドイツ軍の巨砲の射程圏なので、この巨砲を無力化する為に何度も駆逐艦等の軍艦で攻撃したが成果が得られず。
又、この巨砲は岩盤をくり貫いた難攻不落の要塞に置かれているので、爆撃機による空からの攻撃も効果がない。
そこで世界的な登山家と特殊部隊が砲台の下の岸壁をよじ登り、巨砲を爆破する。
これによりケロス島の英軍の救助が可能になった。
個人的には小説より映画の印象の方が記憶に残っている!
映画では最後に駆逐艦隊の霧笛が鳴り響くのが印象的だった。
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1位「女王陛下のユリシーズ号」
海洋冒険小説を読むなら、おすすめ度NO1は、この作品ですね~!
第二次世界大戦にはノルマンデイへの上陸作戦等、終戦に導く為の、日本風に言うと天下分け目の戦いが幾つかあったが、この小説は、天下分け目の戦い北極海バージョンと言うべき戦い!
小説の舞台は第二次世界大戦の北極海。
ナチスドイツに攻められている旧ソ連を助ける為に連合軍が戦車、戦闘機、弾薬等救援物資を届けにいく。
大船団の護衛艦隊の軽巡洋艦、旗艦ユリシーズ号が、迫りくるドイツの爆撃機、Uボート(潜水艦)と輸送船団を守りながら死闘を繰り広げている。
しかも乗組員が疲れ果てて反乱含みまで感じさせる等、落船すればすぐに死が待っているギリギリ極限の北極海を舞台に、艦長以下、疲れ果て心はボロボロ。
それでもそれぞれの立場と職責と部所で戦うしかない。
当に生か死かの状況、戦争の言葉には言い表せない苛酷で悲惨さが描かれている!
ユリシーズ号を現在の会社組織に置き換えれば、サラリーマン社会の構図に近いものがある。
生か死かはないが、個人が職責を全うする事が組織社会では如何に大事な事かな~! とも感じる!
まとめ
1位「女王陛下のユリシーズ号」
2位「ナヴァロンの要塞」
3位「荒鷲の要塞」
4位「最後の国境線」
5位「サン アンドレアス号の脱出」
以上が私の推奨するアリステア マクリーンの作品ベスト5です。
アリステア マクリーンの作品は、作品の舞台の設定の巧みさ、人間の心のひだや感情の細かい部分の描写が、どの作品も讀む者を自然に作品と同じ舞台に立つような感覚にさせます。
アリステア マクリーンの作品をより面白く読む為には、対象となる作品の歴史や政治的背景を簡単に知って読むだけで何倍も楽しめると思います。
イギリスの冒険小説のテーマで選んでみましたが、イギリスの作家は冒険小説を書いている人が多く!
私が選ぶアリステア マクリーンの他のイギリス冒険小説家
1.ジャック ヒギンス 鷲は舞い降りた、脱出航路。他
2.デズモンド バグリイ 高い砦、原生林の追撃他
3.イアン フレミング 007シリーズ
映画の方が有名になったようですが、冷戦時が舞台の初期の作品は、面白い。
4.ジョン カレ 寒い国から帰ってきたスパイ他
5.セシル スコットフォレスタ 海洋冒険小説のジャンルかも。
(ホンブロワー シリーズ)
18世紀末から19世紀初めの英、仏、西、が世界の覇権を競っていた時代。
士官候補生として17歳で英国海軍に入り、平民から最後は海軍元帥から、男爵に上り詰めるまでの一代記。
帆船の時代なので、いろんなヨット用語がでてくるが、それに捉われず、冒険とロマンと戦いの物語、
全11冊だが、海洋冒険小説好きの方なら歴史も含めて、とにかくお勧め小説です。
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