新田次郎のおすすめ小説本ランキング!人気作品ベスト10を一挙紹介!

新田次郎

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新田次郎氏の小説は、実在した人物や実際にあった出来事等を題材にした小説が多く、特に山岳小説家として名高い作家であります。
新田次郎氏の山岳小説は、皇太子殿下徳仁親王の愛読書としても知られています。

今回は作家新田次郎氏のおすすめ小説10作品をランキング形式で紹介致します。
ランキング作成に当たっては異論も多々あると思いますが、新田次郎氏は同郷の先輩でもありますので、独断と偏見で郷土と山岳関連の作品を取り上げました。

新田次郎 プロフィール

名前:新田次郎(にった じろう)
本名:藤原寛人(ふじわら ひろと)

1912年長野県諏訪市角間新田に生まれる。
1932年気象庁に勤務
5年間富士測候所に交代勤務をする。

作家名は、新田は角間新田から
次男なので次郎としたとの事。

作品の傾向は郷土の信州の土地柄、勤務した経歴の実体験を踏まえた作品が多いい。
デビュー作は「強力伝」

新田次郎の人気小説おすすめランキング第10位~第4位

10位:「鷲ヶ峰物語」

発売日:1982年1月
出版社:講談社
鷲ヶ峰物語他4編の中編
新田次郎氏の地元、霧ヶ峰山域にある鷲ヶ峰を舞台にしたミステリー&サスペンスな物語。

【あらすじ】
鷲ヶ峰に登頂した7人が山頂にあった石地蔵を持ち帰り7人中5人が変死を遂げ、残った2人が石地蔵を鷲ヶ峰に返しに行く。
鷲ヶ峰のある霧ヶ峰山域の冬は、文字通りの真っ白な白銀の世界。
新田次郎氏は、石地蔵を勝手に持ち帰る事は自然破壊そのものと問いかけている。


9位:「武田勝頼」

「陽の巻」「水の巻」「空の巻」全3巻
発売日:2009年9月15日
出版社:講談社文庫 新装版

1973年11月から1979年8月まで、歴史読本に「続武田信玄」として連載
2009年に新版と復刊

【概要】
本作品は、武田勝頼の生涯、父信玄についての初陣から甲州制圧における領地拡大の話から、武田家滅亡の波乱の最後迄を描いている。
尚、この作品は横山光輝氏、サイトウタカヲ氏に依っても漫画化されている。
戦国最強と言われた武田騎馬軍団と武田家の崩壊までを、筆者の視点で精微に語った歴史大作。

【あらすじ】
武田信玄の亡き後の武田家を継いだ武田勝頼の戦いと信玄存命中は一枚岩を誇り、戦国最強と言われた武田家が何故跡形も無く崩壊したのか!
武田家崩壊へと導いた、武田家の親類筋の穴山梅雪の裏切り、家臣団の内部分裂等が克明に描かれている戦国期の勢力図等知る上でも読者が楽しめる作品。


8位:「八甲田山死の彷徨」

発売日:1971年初版
出版社:新潮社 1978年改版
1977年 高倉健主演で映画化されている。

【概要】
日露戦争直前の明治35年。
対ロシア戦に備えて、寒冷地における戦闘の予行演習として日本陸軍が八甲田山で行った雪中行軍の演習中でのこと。
記録的寒波と猛吹雪に遭遇して、210名中199名が死亡した未曾有の山岳遭難事故を題材にした作品。
原作を基に「八甲田山」のタイトルで、高倉健が主演で映画化されている。

【あらすじ】
この雪中行軍は2方向から実施され、1隊は青森からの中隊が八甲田山中で、2泊して青森に帰営する計画。
しかし、準備不足と経験不足で、更におりからの寒波と猛吹雪で、進路を誤り遭難して多数の死者が出た。
もう1隊は弘前歩兵連隊から抜粋して、地元出身者と経験者で編成され、綿密な計画で危険な雪中行軍を成功させ無事に帰営した。

【感想】
明治維新後の日本陸軍は、兵隊を捨て駒のように使う戦い方で、乃木将軍の旅順港攻略の為のロシア軍との攻防はまさに兵隊を捨て駒にしている。
このような「精神論で為せば成る」が横行して、危険な雪中行軍を準備もそこそこに行動を起こした、と感じる。
また、一人の高級将校の功名心等もあり、この雪中行軍は悲惨な結果になった。

しかし、作品自体は生死の間で行軍する兵士達の涙がましくも、兵士たらんとする必死さが伝わる。
冬山の怖さ、雪の怖さ、が読んでいて体が寒く感じる程の描写が凄い。
八甲田山死の彷徨は、明治の歴史を知る上でも一度は読んでみたい本一つである。
高倉健主演の「映画八甲田山」も、雪中行軍がリアルに感ずる出来栄えだ。


7位:「聖職の碑」

発売日:1980年12月10日
出版社:講談社 新装版2011年6月

聖職の碑は、1913年8月26日に長野県中箕輪高等小学校の中央アルプス木曽駒ケ岳集団登山における気象遭難事故の実話を基に書きあげている。

【略歴】
1978年 鶴田浩二主演で映画化された。
赤羽校長役:鶴田浩二 妻:岩下志麻
教師役:三浦友和、中井貴恵、
北大路欣也、地井武雄、
大竹しのぶ(第2回日本アカデミー賞助演女優賞を受賞)

【あらすじ】
大正2年、箕輪高等小学校 校長赤羽長重は実践主義的な教育に力を入れていた。
その一環として、集団的宿泊行事を3年前より木曽駒ケ岳登山を行っており、8月26日生徒25名地元の青年団有志9名引率教師2名総勢37名で登山に出発した。
登山の計画は綿密に立てられ、当時考えられる対策を取った上での出発行であった。

当日は余り良い天候ではなかったが、山頂の山小屋で一泊の予定なので、そのまま登頂を開始した。
天気予報に反して荒れ模様になり、暴雨風の仲何とか山小屋にたどり着いたが、山小屋は失火で燃え落ちていた。
テントや雨合羽で凌ごうと赤羽校長は考えたが、意に反して青年団の有志達は勝手に下山を始めた。

赤羽校長や生徒等も仕方なく下山を始めるが。体力のない生徒達は暴風雨に打たれ次々と倒れた。
赤羽校長等は生徒達を励ましながら下山したが、結局、赤羽校長達11名が帰らぬ人となった。

【感想】
読んでいて腹が立つ事は、青年団の有志が自分勝手に子供達を見捨て、下山をした事への怒りが込み上げる。
ニュースでも、雪崩により高校生が亡くなった報道がされることがありますが、いくら準備周到に計画しても自然の猛威の前には人間は無力だと再認識しました。
同時に、責任感とか人を労わる気持ちを忘れてはならない。

赤羽校長の責任感、生徒達への愛情、精神力は当に聖職と言える行動ですね。

聖職の碑、「聖職=教師」だが現在は死語になりつつありますが、教職が職業の時代になりサラリーマン化し、また教師が多難の時代になりました。
しかし時代は変われ、教師たる者は聖職の気概と心構えだけは持っていて欲しいと願います。

聖職の碑、涙無くしては読めない力作です。
教職を志す学生には是非読んで欲しい一冊。

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6位:「孤高の人」

発売日:1969年
出版社:新潮社 1973年3月1日改版
週刊ヤングコミックで連載 作画:坂本真一
※漫画版は原案だが内容は原作と異なる

【概要】
実在の人物、単独行の加藤と謳われた加藤文太郎をモデルにした作品。
新田次郎氏が富士山頂で気象観測をしている時見た加藤文太郎は、厳冬期の冬山登山でも超人的な速さで富士山を登る姿は人間離れした歩きだった。との事。

加藤文太郎は、不世出の登山家と言われているが、結婚する真では、かなりの変人のようだった。
例えば、登山時の重さに慣れる為にリックサックに石を入れて通勤。
野宿に慣れる為に下宿の庭で就寝 等々。

いつも愛想のない顔で笑うと、他人を嘲笑するように相手に見られ随分誤解されてしまい、人と接する事が苦手になり、故に単独行を好んだ一因だった。

【あらすじ】
加藤文太郎は神戸造船後に入社後、休日には付近の山々を散策していた。
それが高じて、夏山登山から単独の冬山登山にのめり込んでいく。

人付き合いの苦手な加藤は、己の孤独感を打ち消すように、冬山を富山から10日間で立山を縦走して単独行する。
この事により、「単独行の加藤」の名前は登山界では不動のものになる。

そんな変人扱いされた加藤も結婚を機に家庭の温かさを知り、人が変わったように明るい人間に変貌する。
家庭を持った加藤は冬山登山を止める。

そんな加藤を慕い、高名な加藤を凌ぎたい後輩登山家が冬山行を同行してくれと嘆願する。
何度も断ったが、後輩の余りの切望に冬山行を了承する。
後輩の無理な計画に同調した加藤は、そのまま帰らぬ人となる。

【感想】
「孤高の人」を愛読する登山家の方々は多いようですが、登山をしない私は作者の冬山の美しさの精緻な描写が、その場所にいるような臨場感を感じます。
また、人間の心の葛藤や欲望の心理、愛する女性に巡って家庭を持つ事の大切さを如実に表現した作品であると同時に、冬山登山の厳しさと自然の猛威を感じさせる作品でもある。
登山をしない人でも充分楽しめる小説ですね。


5位:「剣岳 点の記」

発売日:1977年
出版社:文芸春秋 2006年1月10日新装版

【映画化】
2009年に映画化された本映画は、物語の舞台になった富山県で初上映された。
第33回日本アカデミー賞、最優秀作品賞
監督賞(木村大作)
助演男優賞(香川照之)等各部門で多くの受賞を得た。
出演俳優:浅野忠信、香川照之、仲村徹、夏八木勲、役所広司、宮崎あおい、鈴木砂羽、他

撮影は2007年4月から2008年8月迄行われ、同年末に完成。
山岳測量のシーンでは、山岳ガイドの支援を受けながら、リアルな測量シーンを撮影する為、空撮等行わず明治当時の剣岳を再現する為に丁重に撮影された。

【概要】
剣岳:北アルプス立山連峰にある標高2999mの山
古来より立山修験と呼ばれる山岳信仰の対象であり、氷河が現存する。
点の記:基準点(三角点、水準点)の設置、埋設を行う。
1906年、陸軍の陸地測量部によって日本地図を完成させる為に、実際に立山連峰で行われた山岳測量を題材にした作品。

【あらすじ】
明治39年、日本陸軍は国防の為に日本地図の完成が急務であった。
陸軍陸地測量部の測量士柴崎芳太郎は、5万分1の地形図作成の為に、立山連峰剣岳への初登頂と三角点埋設の命令を受ける。

当時の剣岳は、前人未踏の信仰の山と言われていた。
同時期に日本山岳会が結成され、剣岳の初登頂を目指していた。

陸軍としては、面子に掛けても民間の日本山岳会に遅れる事はならず。
柴崎は、登頂ルートの検索、信仰の山に登る為に地元の人々の反感、日本山岳会との関係における葛藤等、未発達な登山装備や測量技術等、数々の困難や障害を乗り越えて登頂に成功して測量にも成功する。

だが、初登頂に成功と思っていた柴崎等は、山頂に古い修験者の焚火の跡を見つけ、既に先達の人間がいた事を知り落胆する。
しかしながら、測量には成功して無事三角点の埋設を完了した事で、真の目的は達成できた事で良しとする。

【感想】
新田次郎氏の山岳小説は描写が精緻なので、剣岳点の記も剣岳の様相、明治の頃の山岳信仰に対する人々の思い、何よりも明治の先人達の困難を克服しようとする熱い思いが感じられる。
また、日本国を日本国家足らしめんと世界にアピールする気持ち等、現在の我々では考えられない程の使命感があったのだと痛感する。

映画も見ましたが、剣岳や立山連峰の迫力ある映像も素晴らしく、俳優達の演技も迫真に満ちており、日本の山岳映画として屈指の出来栄えと思いました。


4位:「アラスカ物語」

発売日:1974年5月初版
出版社:新潮社出版 1980年11月27日改版 

1977年映画化。
第1回日本アカデミー賞受賞
主演:北大路欣也、俳優:丹波哲郎、宍戸錠、他

【概要】
疫病や飢餓で全滅の危機に落ちいったイヌイットの村人を救うために新しい村を作り、「ジャパニーズモーゼ」と呼ばれた実在した人物「フランク安田」の生涯を描いた作品。
フランク安田は明治元年に宮城県石巻に生まれた。

※イヌイット:カナダ北部の氷雪地帯に住む先住民族エスキモー系諸民族の一つで、人種的には日本人と同じモンゴロイドである。

【あらすじ】
フランク安田は15歳で外国航路の見習い船員になる。
22歳で渡米、1891年アメリカ沿岸警備艇ベアー号に乗り組んだが、1893年にベアー号が難破してしまい寒波でしにそうになるところイヌイットに助けられる。

その後、言葉や狩猟を学び、イヌイットの娘ネピロと結婚して村の指導者となる。
その頃、麻疹の流行でイヌイットの村は死者が多く、壊滅的な状況だった。

フランク安田はイヌイットの人々を飢餓や疫病から救いたく思い、イヌイットの人々を連れて数々の困難や障害を乗り越える。
アラスカ州北部にあるブルックス山脈を越えた辺りに、イヌイットの新天地ビーバ村を建設してイヌイットの人々を救った。

この事により、イヌイットの人々はフランク安田を、ジャパニーズモーゼ、と呼び人々の尊敬を集めた。
しかし第二次世界大戦で、日系人のフランク安田は収容所に入れられてしまい、指導者を失ったビーバ村は衰退していった。
フランク安田は、1958年に90歳の生涯を閉じるまで、日本に帰る事はなかった。

【感想】
フランク安田の生涯は波乱に満ちたもので、イヌイットの人達の救世主となって、ジャパニーズモーゼと呼ばれた事は日本人にとっても誇らしい事です。
明治の日本は貧しい時代でしたが、貧しさ故に止むを得ず日本を飛び出した市井人は少なからずいたでしょう。
しかし、日本人としての矜持を持つ事は大切な事だと改めて思います。

2011年3月11日の大震災で流されたフランク安田の記念碑が、アメリカ海兵隊の尽力により見つかり、再び建立された。
その後も、アラスカビーバ村の子供達と石巻湊小学校は交流していて、励ましの言葉や支援しているとの事です。

次ページではいよいよベスト3です!


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