太宰治のおすすめ小説本ランキング!人気作品ベスト20を一挙紹介!

太宰治のおすすめ小説ランキング第10位~第1位

第10位 饗応夫人

出版社:筑摩書房
発売日:1989年5月30日

ある婦人の「もてなしぶり」に着目し、その度が過ぎたところに「人の善性」を垣間見させるような、哀愁漂う美談作。
女性二人の視点から描かれ、これも太宰文学の中期に位置するややコメディタッチの作品です。

日常でよく見られる「奥様方のお客様に対するもてなしの様子」をピックアップし、その様子と女性特有の対人の姿勢とを太宰なりのユーモラスな脚色により完結させます。

本作を読んだあとで『斜陽』や『ヴィヨンの妻』を再読すると、どこかその内容と背景描写は“当時の人の習慣や文化を語る際につながってくるのかな…?”なんて思わされる、三部作のストーリーにも見えてきます。
最終的には「ネバーエンド…」の形でしょうか。

これも『斜陽』や『ヴィヨンの妻』、また『花燭』などに見られる軽快な文体なので、「気晴らしに読みたい!」という人にはおすすめです。


第9位 ろまん燈籠

出版社:新潮社
発売日:1983年3月1日

作中時間は太平洋戦争の只中、戦時中の高揚を背景にちらちら置きながら、小説好きの5人の兄弟姉妹が、リレー形式で1つの小説を創作するストーリー。
文学と生活に戦時中の虚無が交錯した複雑な作品です。

「芸術好きで涙もろく、イプセン研究に凝ってるが、少し兄弟から甘く見られている長兄の描写」に始まり、長女、次兄、末弟と、それぞれの性格が語られながら小説を編んでゆく展開は、たとえば小説好きの人・小説を書いている人や詩作をずっと続けている人には「共感できるところが要所要所にある作品」に映るでしょうか。

作中で編まれるリレー小説の一編ずつには、5人兄弟それぞれの性格がそのまま脚色され記されていきます。
そしてその視点・感性・価値観が、バラバラな5人の創作はやがて1つのストーリーへとまとまっていき、まるで「そのできあがったストーリー」がこの『ろまん灯籠』そのものになるといったような、そんな仕上がりに感じられるでしょう。

リレー小説の内容もさることながら、兄弟姉妹それぞれの日常を描いた部分がとても清々しい印象を与えます。


第8位 もの思う葦

出版社:筑摩書房
発売日:1989年6月27日

太宰の日常を端的に綴った独白体の作品。
パビナール中毒、大学生活、都新聞社の入社試験に落ちたときのエピソードなど、恐らく“人に知られたくない失敗談”が如実に明かされた、一話完結の短編集です。

私としては本作の「わがかなしみ」という一行の作品に感動させられ、行中にある「まむし」の正体が何なのかについて、ずっと考えさせられた記憶があります。
友人は「蛇にさえ相手にされない哀しい主人公の姿」と言い、私としては「どこでも闇には悪が潜んでいることへの悲しみ」と、少しキリスト教的な背景があるのでは…と解釈しました。

あなたはこの「蛇」についてどんなふうに解釈するでしょうか?

川端康成著『掌の小説』のように、ほとんど全ての作品がショート仕立ての一話完結型なので、恐らくどこから読んでもすっと作品に入り込めます。


第7位 黄村先生言行録

出版社:筑摩書房
発売日:1989年1月31日

井伏鱒二さんがモデルともいわれる黄村先生の、サンショウウオをめぐった失敗談。
“読者を笑いに誘おう”とする作者の狙いが見え隠れしています。
先生の言動の様子がとても可愛らしい、回想録的な作品です。

公園を散歩したり、食事に行ったり、巡回水族館(サーカスのような興行水族館)に入ったりと、先生と「私」のやり取りが軽妙に語られます。
先生が何か語り始めたら、「私」は必ず手帳を懐から取り出してそれをメモらなければならないなど、先生と「私」の立ち位置を伝えていながらその地文の要所では、「私」が先生を小馬鹿にするようなオチが必ずついてくる。

『畜犬談』や『お伽草紙』にも見られるように、この「地文の付け加え」が滑稽味に冴え、内容全体を面白みのある調子に仕上げています。

それからサンショウウオを買う・買わないの下りが実に軽妙で、先生の茶目っ気ぶりが満載!
太宰作品に暗いイメージがついている人には、ぜひこのような太宰の滑稽小説をおすすめしたいです。
きっとイメージは覆されます。

この小説が面白いと感じたら、他に『畜犬談』や『おしゃれ童子』などもきっと面白おかしく読めることでしょう。

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第6位 皮膚と心

出版社:筑摩書房
発売日:1988年10月25日

三十手前の色白の女性が自分の皮膚にできた吹き出物を見つけ、「肌の美しさだけが自分の取柄だ」と思っていたぶん彼女は“この世の終わり”のように落ち込んでしまう。
そんなに落ち込む彼女の様子を夫は優しく見守り、男性特有の度量をもって穏やかに抱擁します。
女性らしい憂鬱の姿が純朴に浮き出た美作品。

女性のデリケートな悩みが「吹き出物」という見える形で表れ、その物体的な異変を醜怪の極みに捉え悩み続ける妻の姿勢。
そんな妻の様子を男性なりの優しさでそっと包み込む夫。
夫婦ならではの労わり合いが、二人三脚の形で描かれます。

「女性の悩みが吹き出物」という実にわかりやすい脚色は、読者の興味を端的に捕えることでしょう。
吹き出物を前にいろいろな妄想をめぐらす妻。
この辺りの女性の心理がとても可愛らしいです。

太宰の女性ファンはこの『皮膚と心』が好きという人が多いですが、私はとくに男性に読んでほしいと思います。
“夫目線”(男性目線)に立って読むことで、作中で描かれる女性の心理描写がさらに際立ってきます。


第5位 晩年

出版社:筑摩書房
発売日:1988年8月30日

太宰治の処女小説集で、「遺書のつもりで書いた」という太宰の決意のようなものが込められた渾身の一作。
「生きること」から「死ぬこと」までを小説の軸に捉え、現実と理想の空間で懊悩する凡そ10年の歳月により完成した秀逸の短編集。

人生について語るとき「自分の生死」について空想することは、恐らくどんな人でも経験することと思います。
この『晩年』は、太宰の苦悩に満ちた人生への心の動きが文章になって体裁を繕い、「人生で自分が得た経験の全て」が赤裸々に告白された抒情の描写に富んでいます。

物語風に描くことで太宰の本意は所々で見えてきますが、やはり「生きた証を残すこと」に集中した展開描写は、過不足のない端整な美文で仕上がります。
自分の人生について何らの思想を持った人、また人生に疲れ挫折している人には、ぜひ読んでほしい一作です。


第4位 佐渡

出版社:筑摩書房
発売日:1988年12月1日

高校での講演を頼まれ、そのためのネタを仕込むためにと東京から天命のようにして佐渡へ向かう「私」の、1シーンずつが描かれています。
講演の様子や生徒との交流については、一年後に発表される『みみずく通信』に描かれていますのでぜひ読んでみて下さい。

太宰も実際に新潟高校での講演を依頼され、この佐渡へ向かったという史実がありました。
この作中に登場する「私」の情景や周りの景色には、太宰がそのときに覚えた感想や、人との交流で得ることのできた回想の一部が表現されたかどうかはわかりませんが、そう捉えられてもおかしくないほどのリアルな場面がふんだんに描かれています。

喧騒の多い東京から寂れた片田舎の佐渡へ来て、そこで何気ない風景や感情を淡々と語られますが、その辺りにはどこか懐かしい“人のぬくもり”も表れています。

本作は短編としては少し文量がありますが、内容への興味深さと素直なストーリー運びにより恐らく一気に読まされるでしょう。
「太宰の日記調で書かれた小説を手ごろに読みたい!」という人にはうってつけの作品かもしれません。

いよいよベスト3です!


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