夏目漱石のおすすめ小説本ランキング!人気作品ベスト20を一挙紹介!

夏目漱石のおすすめ小説ランキング:第10位~第4位

10位 明暗

出版社:筑摩書房
発売日:1988年6月28日

「円満とはいえない夫婦関係を軸に、人間の利己(エゴイズム)を追った近代小説」として知られ、「生きる上で人が様々に理想に思う空想の一群」を多角的視点で描いた未完の中・長編小説。

日常で垣間見られる夫婦生活に焦点を当てつつ、その人間模様を詳細に描き出すことで個人が個人に対して抱く妄想の数々を「男性目線・女性目線」と切り分けて、半ば空想的にまとめて綴られた散章的な作品として見られます。

タイトルが示す通りに「人が生来持つ理想」といったものを善悪や道徳・背徳を基準に選り分けて、「最後に残る煩悩への一途を人としてどう解決してゆくか?」といった非常に思いテーマの下に描かれています。

舞台は病院と家庭の2つがメインになりますが、その空間に入り込むように世情の空気が流れてきて、“個人と他人の生活感や価値観といったものがどう統一されるのか?”というような恐らく未解決に終わる課題を前にストーリーは展開されます。

漱石が晩年の苦しみに耐えながら描かれた一作でもあり、描写やストーリー運びの要所にそれなりの痕跡が残されているような不朽の一作。
「未完」を念頭に置く上、漱石の内実を覗きたいという人におすすめする作品はこの一作でしょうか。

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9位 坊つちやん

出版社:岩波書店
発売日:2017年1月12日

『ホトトギス』(第九巻)の「附録」として発表された本作は、現・東京理科大を卒業した活発な青年を主人公に立てたヒューマンドラマの傑作。
どこか子供向けにも描かれているその内容は、世代を越えて様々な人々に受け入れられている稀代の名作の逸材。

江戸っ子気質で流暢・闊達な青年の描写を軸にして、その周囲で巻き起こる人間描写や世情の描写、加えて人情表現に特に着手し大衆的に描かれた「あたたかみのある風景」には、恐らくどんな読者でもそれなりの堪能を得られることでしょう。

私は本作を小学校時代に“読み聞かせ”の形で読んだものですが、それだけで作品にある懐かしい光景や情景、また人情描写に表れる「人物同士のドタバタ」が目前に描かれたような感動を受けたものです。

今となってはたいていの日本人(だけでなく外国人も)がその名を知っているこの『坊ちゃん』ですが、改めて読んでみると、子供の頃に得た感動とはまた違った感動をひしひしと受けることができました。
純粋に「物語が好きな人」にはいつまでも飽きない作品なのでしょう。

本当は「ベスト3」に入れようかとしていましたが、今回は「比較的内容が濃く、それでいて“掘り出しもの”的な作品を上位につけたい」という私的な思惑がありましたので、この順位にさせて頂きました。
「初めて夏目漱石の作品を読んでみる」という人にぜひおすすめしたい一品です。

関連記事⇒【あらすじ&感想】夏目漱石『坊ちゃん』をもっと詳しく知る


8位 永日小品

出版社:筑摩書房
発売日:1988年7月26日

ロンドン留学時代に題材をとったさまざまな小品から構成され、反響から連作を求められて描いた「思想のオムニバス」的な作品。
漱石の思想や主義を知りたいならまずこの一作!

「元日」から始まり、「蛇」、「泥棒」、「火鉢」、「下宿」、「猫の墓」、「印象」、「人間」、「心」などといった小題をつけ、それについて自身が思うところや経験談を述べた述懐的な作品です。

淡々とつづられてゆく文体の流れは恐らく誰にでも読みやすい内容を与え、その印象にはこの上なく漱石独自の芸術観の建材を思わされることでしょう。

文字通り「小品綴りの作品」ですので、小節ごとに完結されている形でどこから読んでも没頭できます。

文章表現や内容描写は時折り難しいものもありますが、じっくり読んでいけば比較的理解しやすいと思います。
いろんな漱石の経験憚を覗けますので、これも漱石初心者の人におすすめです。


7位 趣味の遺伝

出版社:筑摩書房
発売日:1987年10月27日

『琴のそら音』『一夜』『薤露行』とともに『漾虚集』に収録された短編小説。
人の生体の自然節理から人の表層的な印象への主観までを物語風に述べた、やや解説的な実験作品。

漱石作品における物語風の小説にしてはやや地文が多い小説で、その内で人物関係や心理描写については「象徴的な比喩・暗喩表現」を用いて展開してゆく多少“滑稽味”も含めた人間ドラマの仕上がりです。

本作を途中まで読み進めていくと『カーライル博物館』や『琴のそら音』で見られたような多少の“幻想・空想的な描写展開”が表れますので、よければ先の2作を読んでおくのが望ましいです。

私は本作にある「人の記憶」についての斬新的表現や、「ロメオがジュリエット」の物語を突発的に引用して「趣味の遺伝にまつわる論理」を説明していく場面に、知らず内に引き付けられて最後まで一気に読まされました。

少し固い描写も含まれており、漱石作品を少しでも読まれている人におすすめです。
ですがその内容にはかなりの深み・面白味が隠れています。

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6位 文鳥

〈小説〉

出版社:筑摩書房
発売日:1988年7月26日

〈教科書版、図解つき書籍〉

出版社:筑摩書房
発売日:2017年2月8日

美なるものが死ぬ光景に際し、主人公の情景をこと細かく浮き彫りに描く告白体の私小説の仕上がりで、漱石の実生活における人の移ろいが本作を執筆する契機にもなっています。

「文鳥が自分を見た時、自分はふとこの女の事を思い出した」この一句が主人公が連想する「美なるもの」への追悼の意を表しており、実際に漱石が早稲田に居を構えていた頃、文鳥を自宅で飼った経緯が如実に反映されたオリジナル作品の体裁です。

『文士の生活』や『文芸と道徳』をはじめ、『模倣と独立』に並んだような漱石独自の生活への感想や姿勢がありありと浮き出た作品でもあり、文章は評論系に似てかなり読みやすく、まるで“日記を綴ったような日々の心象”が元になっているので、「一番おすすめしたい作品」にしてよいかも知れません。

私としては読んでいるうちに“不思議な感想”を持たされたほどで、「文鳥を“美”に喩えたことからこんな空想も飛び出てくるのか…」などといった少々未解決な印象を持たされました。
謎の多い作品かも知れません。

「日記調の作品が好きな人」にはぜひおすすめしたい作品で、また漱石作品に初めて触れる人にもおすすめできる“オールマイティな作品”といってもよいでしょう。


5位 文芸とヒロイック

出版社:岩波書店
発売日:1995年4月19日

「東京朝日新聞(文芸欄)」(明治43年)に掲載された評論調の見聞記で、漱石から見た自然主義への煩悶から“英雄的(ヒロイック)という思潮の根源”を明確に伝えようとした半ば娯楽的な雑篇。

思想文をそのまま読者へ語り聞かせるように執筆された、漱石の文芸評論にある雑篇の1つで、本作の内容としてはこの「文芸とヒロイック」を書くまでの心情の動きや、物ごとに対する思念のめぐらせ方について綴っています。

本作は小説ではなく、飽くまで文芸・文学評論の体裁で書かれてあるのでどんな読者にでもその主張は伝わると思います。
つまり読みやすいということです。

漱石は本作のほか様々な評論を書いていますので、その思想・主義を知る手がかりの1つとして手近に思われる本作から読まれることをおすすめします。


4位 文壇の趨勢

出版社:筑摩書房
発売日:1988年7月26日

『文芸とヒロイック』に続く文芸評論の一端にあり、当時の世情を反省した上で「文壇・詩壇」への感情と批判を赤裸々に綴った独白体の作品。

「文壇は多趣多様になって、互に競り合いが始まる訳である」、「競争はとうてい免がれない。また競争がなければ作物は進歩しない」などの文句を並べながら、当時に流行していた文芸作家同士に見られる“芸術に向かう上での競争”というものを根底から批判している小品です。

漱石が実際に経験し見て来た情況をおもむろに作品ベースに取り入れ、なお気の向くままに脚色を織りなした芸術論でもあるため、その成り立ちは非常にリアルで共感されるかも知れません。
私としては漱石の文芸評論のうちで最もわかりやすい作品でした。

本作において語られていない部分が他の「文芸批評」で述べられる場合もあるので、本作を読む前後に『文芸と道徳』、『文士の生活』なども読んでみて下さい。

続いてはいよいよベスト3です!


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