安部公房のおすすめ小説本ランキング!人気作品ベスト20を一挙紹介!

こんにちは!

今回は私を奇怪な世界に導いた作家、安部公房のおすすめ作品をランキング形式でご紹介します!

公房の作品はどれも非常に論理的で“緻密な仕掛け”が絶えず満載の秀逸なものばかりです。

私は公房の作品を数多く読んできましたが、彼の示す独特の世界観に「ある奇妙さ」を覚えるほどにのめり込まされ、それまで知らなかった「小説の角度」というものを如実に思い知らされました。

「こんな切り口で描けば、こんな見方の小説が出来上がる」
といった小説を扱う上での脚色の角度は、はっきりと私に「新しい小説分野」を知らせるとともに、その技法ゆえの「斬新なからくり」のあり方を充分に教えてくれました。

いえば安部公房は、「小説の枠を超えて空想する楽しみ」を私に教えた恩師といえるでしょうか?

今回は私が自信をもって皆さまに「彼の作品に込められた神秘と奇怪の面白さ」をご紹介するとともに、“これだけはぜひ読んで頂きたい!”と願う「安部公房のおすすめ作品」をお伝えしたいと思います。

お気軽に目を通して頂ければ幸いです。

では、いってみましょう!

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安部公房のおすすめ小説ランキングベスト10から見る
安部公房のおすすめ小説ランキングベスト3から見る

安部公房のおすすめ小説ランキング:第20位~第11位

20位 R62号の発明

出版社:新潮社
発売日:1974年8月27日

ジャンルはSF小説として分けられていますが、内容は実に当時の世情に向けて主張を飛ばしたアンニュイかつ、ヒューマンドラマ調の痛快傑作としても知られる。
人と機械との二重構造的なストーリーを加味した、SFがかった名作。

内容は短編ながらになかなか手の込んだ設定が織りなされており、当時に拍車がかかっていた物量生産主義の日本において、どれだけ人が機械にのめり込んでいるかという実態を明るみに引き出した実験的な小説です。

実に公房らしい緻密な理論構造が痛快で、まさにその内容やテーマはIT時代に突入した現代にも真っ向から通用するものです。
機械にはもちろんコンピューターも含まれており、そのコンピューターを使う人間が逆にコンピューターに使われ、ついにはコンピューター技術とその能力が人間のそれを上回ってゆく…という、精一杯の皮肉が込められたような描写が見ものです。

ぜひ「公房作品に初めて触れる」という人には一番に読んでほしい作品です。


19位 友達

出版社:新潮社
発売日:1987年8月28日

『闖入者』をベースにして改書された戯曲調の作品で、2章13場からなるブラックユーモア憚です。
現代社会に生きる人間の孤独と偽善性をたっぷりに描いた、公房屈指の完熟作品。
本作は『文藝』に掲載されたのち紀伊国屋ホールで初演され(昭和42年)、同年に谷崎潤一郎賞を受賞しています。

一人暮らしの男のアパートに突如として現れる隣人の変貌が、実に公房らしい奇妙な変化球を交えながら表現されています。
この変貌の経過には、日ごろ私たちが実生活にて垣間見る「偽善にまつわる精神的な優越」ともいった自己満足の世界が横行し始め、段々その隣人は男に対して自己の欲望を発散させていきます。

人間関係に悩んだときや、社会での劣遇に耐えかねたときには、この“漫画”のような設定のストーリーが十分に伝わってくるでしょう。

戯曲の調子もあるせいか、公房の作品にしてはすんなり読める小説で、小難しい表現やワードはほとんどありません。
どんなときに読んでも、きっとさらっと読めてしまうでしょう。

本作は60年代に描かれた作品ですが、まさに現代社会における人間模様に精通する重厚なテーマがありありと浮き出ています。
本作に興味を覚えたならば、ベースにされた『闖入者』(未來社、昭和27年)もおすすめです。


18位 燃えつきた地図

出版社:新潮社
発売日:1972年11月20日

書き下ろしの長編小説で、『砂の女』『他人の顔』と共に、「失踪」三部作と呼ばれる。
内容の性質上、探偵小説と純文学を融合させたスリップストリームと分類されています。

あるサラリーマンが失踪したことから探偵が登場し、そのサラリーマンの行方を追ううち“あるきっかけ”を経て探偵自身も記憶を失ってしまいます。
果ては、探偵も疾走してしまうという「そして誰もいなくなった」的なストーリーです。

現代社会で生きる人間模様の“希薄”や“喪失感”といった虚無をかかげるテーマを温存しながら、経過につれて次第にその虚無性が増し加わり、「人の生来の目的は何なのか…?」といった、“東京砂漠の悲哀〟を連想させるシニカルな一作です。

臨場感が浮き彫りになったような作品で、まさに現代に生きている読者でもその“ストーリーの骨肉部分”には容易く共感できるでしょう。


17位 人間そっくり

出版社:新潮社
発売日:1976年5月4日

自分の現在いる場所の現実が寓話の世界なのか実話の世界なのか判らなくなる、印象が掴みづらいSF長編小説。

位相幾何学を駆使してできたような、連続して変形してゆくそのストーリー描写はまさに安部公房の独壇場!
正常人と狂人を双璧のように主人公に立て、その両者が交わす言動から正常人が疑いを持ち始めてゆく珍妙な描写の仕上がりは、現在(現代)までずっと信じてこられた「常識」というものを根底から覆してしまうほどの半ば“ブラックユーモア調の作品”に認められます。

描写の所々は非常にユーモラスな展開を用意していますが、主張する点は実に人間の「正常理論」を根から否定するような低調にあり、正常人も狂人も“一個の人間”に変わりがないと言わせる特異なドラマは、恐らく読者全てに共感を与えることでしょう。

少し専門的な用語が散在しますが、内容を見れば“訴える点”は実に単純で、ストーリーの向きはすぐにつかめると思います。
ですが少し医学的な内容が組み込まれているため、向き不向きが分かれる作品かも知れません。

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16位 水中都市

出版社:新潮社
発売日:1973年8月1日

『文學界』(昭和27年)に初出が掲載された、ユーモア調で描かれるも展開描写はまさに奇怪とSFがかった幻想仕立ての短編です。
昭和52年には、戯曲版『水中都市』が創作され、山口果林主演により西武劇場で上演されています。

これも取分け公房らしい奇抜な発想と象徴的な表現により描かれた“半ばSFがかった小説”ですが、氏が史実において共産党員だった頃の「感情的なエピソード」も込められており、その内容は実に人の生活に付随した濃厚なテーマが隠れています。

登場人物が突然“魚”になったり、それまで見ていた日常の光景が突然に変ったりする“急激な変貌”には、「水がなければ魚は生きていけない」というキーワード的な発想に裏打ちされる、公房らしい社会風刺が見え隠れします。

本作も重いテーマの割には比較的表現が平易なので、公房作品初心者の人にもぜひおすすめできる作品です。


15位 他人の顔

出版社:新潮社
発売日:1968年12月24日

『砂の女』の次の長編で、「失踪三部作」の2作目です。
雑誌『群像』(昭和39年)に掲載され、そのテーマには人の顔や仮面にまつわる哲学的思想と創造が加味される。

「ぼくはやっと、他人の恐怖を垣間見たばかりのところだ」から「ぼくの存在自体にかかわるテーマであるらしい」と公房自身による述懐によれば、実に本作は氏の言うところの「失踪前駆症状にある現代」を描いたという「失踪作」に当てられるものでしょう。

とにかく描写の一語一語ずつが非常に鋭い作品で、必ず読者を「作品の内界」へ引きずり込むような、そんな魔力を秘めたような仕上がりに共感させられます。

本作は300ページほどある長編ながらその表現手順が難解なので、じっくり腰を落ち着けて読むのに適する一作です。
表現の難解やテーマの厚みが深いところもあるのでこの順位にしましたが、私としては一番おすすめしたい長編作品になります。


14位 虚構

出版社:新潮社
発売日:1972年9月20日

自己と社会の喪失を展開する上で、人間の本質と自然の本質とが空想の中で交錯してゆく。
その創造的な構図が自分が生れる以前からあったものか否か、自己の正体を追求する上、世界に見える全ての物ごとが虚構に暮れてゆく。

本作は半ば随筆というより評論染みたニュアンスを持った短編の仕上がりですが、内容は公房が終生追い求めた「人の正体への追及」に徹底しています。

読んでみると「いま目の前で繰り広げられている現実世界が、全て擬態のものに見えてしまう…」と思わされるほどの、秀逸な構想で練られた散文調が所々に表れてきます。

常識を疑う人、これまでの習慣を変えたいと思っている人、またモラルに縛られて“新しい刺激”を求めている人には「持ってこいの作品」になるでしょうか。

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13位 方舟さくら丸

出版社:新潮社
発売日:1990年10月29日

豚呼ばわりされるなら「モグラ」と呼ばれたい主人公は元カメラマン。
引きこもり同然のような生活をしているように思われているが、実は世界滅亡の危機に備えて、地下の巨大な採石場跡に現代の箱舟とも言うべきシェルターを作っていた。

誰でも一度は考えるだろうか「世界滅亡への追想」を元にストーリーが展開され、どう読んでも主人公の破天荒な“妄想の世界”へ導かれる“単一性の強いSF系の作品”です。

読了後の感想としては、公房が本作以前に描いた『第四間氷期』や『飢えた皮膚』、また『闖入者』の舞台設定と近い表象も窺えてきて、どことなく薄暗がりな「破滅型の作品」に思えました。

ですが公房作の特徴と言ってもよい「内容における根底からのどんでん返し」は健在で、内容描写が向かう結末(ところ)は決して“破滅型”でなく、人として生きる上で常に注意している「延命への執着」に展開が移行していきます。

SF系小説が好きな人はもちろん、カオス・パニック系の作品が好きな人にもぜひおすすめしたい一作です。


12位 榎本武揚

出版社:中央公論社
発売日:1990年2月10日

天保から明治を生きた榎本武揚を主人公に立て、歴史小説の風を装いながらその実、特異の人間描写で史実に変色・創造を加えた入れ子構造式の長編小説。

榎本武揚といえば徳川時代(幕末)に生きた外交官であり政治家・化学者でもある非常に特色の多い人物ですが、本作においてはかなり公房色に変えられ、その実態を面白おかしく脚色されています。

読み進めていくうち「ただの歴史小説に少し脚色した程度の小説かな」などと私的に思っていたものですが、段々本意の深みにはまってゆくと、その訴えの実情に気づかされてきます。

これまでの歴史ドラマに決してなかった表現の連載で、歴史モノを違った角度から見る視点を持てること請け合いでしょう。

本作は戯曲にもなっていますが、実際に見たところ、その醍醐味の抽出が微妙だったので小説の方をおすすめします。


11位 カンガルー・ノート

出版社:新潮社
発売日:1995年1月30日

1991年に新潮社より出版された比較的最近の長編小説です。
生前、安部が最後に完成させた長編小説であり、一般的には安部の遺作とされています。

公房の晩年に描かれた作品だけあって、物語の四隅に“死臭”が漂っていると言われる本作ですが、内容描写に加えそのテーマの主軸には、「人が生きる上で常に考えさせられる命の重み」というものを丁寧に取り上げ、決して“暗いテーマ”だけが活きない「全ての人に共通する物語の仕上がり」と言ってよいでしょう。

公房の作品はどれもたいていが“重いテーマ”に裏打ちされたデカダンスや廃退的思想が息衝いているものですが、本作の描写はそういった枠を超えた、いわば「人の命の貴重と尊重」を謳った教科書的な作品と言っても過言ではないと思います。
人の生きる上での主義や思想がいろんな形で集約された本作は、必ず読者に溌溂とした生気を教え込むことと思います。

「暗い作品があまり好きじゃない」という人には少し敬遠される作品かも知れませんが、テーマと内容はそこから離れた“希望”にあると思われるので、ぜひ一度読んで頂きたいと思います。

それではベスト10です!どんどんいきましょう!


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