貴族でありながら道楽で探偵をやっている……
「人は呼ばずとも、自分で呼んで“貴族探偵”」
そんな、あり得なくて一見こっけいな新しいタイプの探偵が、次々に難事件を解決して行く!
それが『貴族探偵』
今回、『貴族探偵』を読んだのは、子どもに面白いと勧められたから。
ミステリは、心理サスペンスに限る……とか偏狭に思っていて、今まではなかなかこういった推理モノには触手が伸びなかったのです。
しかし、食わず嫌いはいけませんね(笑)
勧められたままに、読むのもたまには良いものです。
何でも、この(2017年)4月にドラマ化されるらしいです(それも月9枠で)。
「それで読んだんかい!」と子供には、思わずツッコミたくなりましたが……
新鮮な読書体験でもあったので、貴族探偵の原作のあらすじ・感想を紹介したいと思います。
貴族探偵 作品詳細
著者 :麻耶 雄嵩
出版社:集英社文庫
発売日:2013/10/18
【ドラマ化決定】
放映日:2017/4/17 21時スタート
キャスト:相葉雅紀、武井咲、生瀬勝久、井川遥、滝藤賢一、中山美穂、松重豊、仲間由紀恵
主題歌:嵐のI’ll be there
作者の麻耶雄嵩はこんな人
麻耶雄嵩(まやゆたか)さんを知っていますか?
私は今回はじめて知りました。
貴族探偵の生みの親、麻耶雄嵩さんは、2011年『隻眼の少女』で日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞を授賞、2015年には『さよなら神様』で本格ミステリ大賞授賞など、輝かしい受賞歴をお持ちの人。
じゃ、なんで今まで私は読まなかったんだろう?
それは『貴族探偵』が推理小説でも、いわゆる「本格物」だからなのですね。
「本格物」というのは、証拠やらトリックをつきつけて、論理的な謎解きをするというものですよね。
結構、抵抗がありました。
めんどくさがりなので、読んでいて疲れるかなと思って(汗)
杞憂でしたが……
しかし、麻耶雄嵩さんが「このミステリがすごい」等のベストミステリの上位を飾っている人気作家であるのは確か。
ドラマ出演者は?別物としてドラマを楽しむ
『貴族探偵』がドラマ化されると聞いて、出演者が誰なのか調べてみました。
しかし、その前に脳内で配役を決めてみたくなりました。
(原作を読んで、ドラマの配役を考えるのは私の楽しみの一つなので)
カッコ内は私の妄想です。
貴族探偵:相葉雅紀
〈痩せている頃の松山ケンイチか、田辺誠一、及川光博、谷原章介……〉
執事「山本」:松重豊
〈意外に高田純次、それか小日向文世とか〉
メイド「田中」:中山美穂
〈波瑠にやってほしい〉
運転手「佐藤」:滝藤賢一
〈原田泰造とか、ガッチリめの人〉
結果、全員かすってさえいない(笑)
小説とドラマは別物と考えたほうが良いに違いない、と思うわけです。
ナルシスト探偵を「嵐の相葉ちゃん」が演じることには、それはそれで興味があるのですが……
もちろん、謎解きには寸分の狂いがあってはいけないので、そちらには期待大です。
斬新な探偵登場
探偵(名前が書かれていない)は自らを「貴族探偵」と名乗り、殺人現場にやってきてすばやく事件を解決します。
彼は色が白く、長身をオシャレなスーツに包み、髭をたくわえ、身のこなしはあくまで優雅。
しかも、警察には顔がきくようで……
推理は他人まかせなのに、「事件は解決しました」とあっさり言ってしまう。
それは、まるで30~1時間の制約の中での謎解きをお約束されたドラマを観ているような展開です。
事件が起こる場所は、日本のウィーンと称される森の中の別荘。
ある時は、北陸の老舗の高級旅館、伯爵家の血筋の者が住む洋館などです。
殺人事件がおこる舞台といい、登場人物といい、すべてがゴージャス。
そこに颯爽と登場するのが「貴族探偵」というのだから、輪をかけてゴージャス(笑)
独特の謎解き
「貴族探偵」の側につねに控えているのが、「執事の山本」「メイドの田中」「運転手の佐藤」という面々。
自由勝手な「貴族探偵」のお世話係で、大切な仲間。
と言っても、立場はあくまでも使用人であって、それ以上でもそれ以下でもないのです。
探偵は“自分に解決できない謎はない”とばかりに、華々しく事件現場に乗り込むのですが、実際に事件が起きた経緯、動機、犯人などは3人の使用人の口から語られるのです。
「貴族探偵」いわく、「雑事は使用人に任せておけばいいんだよ」と言うことらしいです。
(捜査や推理が雑事って……)
使用人たちが現場を逐一見て回って検証し、探偵は座って美しい女性主人と紅茶を飲むことしかしていないのですよ。
「いつ、使用人が探偵とコンタクトとってたの?」
「謎解きが得意なメンバーを雇って、探偵のふりだけ?」
……が、今のところ私の素朴な疑問です。
こんな人にオススメ
・心理描写より、論理的な謎解きが好きな人
・流血や悲惨なシーンばかりのミステリが苦手な人
・『シャーロック・ホームズ』シリーズが好きな人
・『名探偵コナン』を読んでいる、観ている人
・ドラマを観る前に登場人物、あらすじを押さえて起きたい人
まとめ
事件は解決しちゃえばいいわけで、何も探偵に語らせなくてもいいのですね。
その胡散臭さが、『貴族探偵』を面白くしていると思います。
探偵は胡散臭いけれど、犯行に使われたトリック自体はスッキリと納得できるものでした。
それが『貴族探偵』が読まれる理由なのですね。
余計な枝葉的な描写をさけて、コンパクトに事件発生から解決までを一気に読ませるのが、この作品の良いところ。
私という読者目線では、もう少し「執事・メイド・運転手」の性格が書き込まれていたほうが良かったかと……。
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