宮沢賢治のおすすめ小説本ランキング!人気作品ベスト20を一挙紹介!

宮沢賢治

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宮沢賢治のおすすめ小説ランキング:第10位~第4位

10位 北守将軍と三人兄弟の医者

出版社:筑摩書房
発売日:1986年1月28日

佐藤一英編集の季刊誌「児童文学」の創刊号(昭和6年7月)に発表され、『児童文学』の創刊号に掲載された。

【あらすじ】
「三人兄弟の医者」「北守将軍ソンバーユー」、「リンパー先生」などそれぞれの章節を設けて全てで6編からなり、将軍や医者というキャラクターを立てながら、その将軍の周囲で起こるさまざまな出来ごとを童話調に仕上げられる。

童話ならでは明るい比ゆと少し奥深い形容とを立て、本作もなかなか一読では解釈が難しい、脚色に試行が重ねられたやや重厚な内容の作品です。
この前作として『三人兄弟の医者と北守将軍』があり、この作品から本作の脱稿までにおよそ10年の歳月が費やされた秀作でもあります。
読んでいると、昔に読んだいろいろな童話のストーリーや懐かしい情景が思い起こされ、それまでに憶えた童話に見た臨場が一気に甦ってくるような印象を受けました。

彼の作品にしてはやや長めの短編ですので、心を落ち着けてじっくり読んでみることをおすすめします。


9位 山男の四月

出版社:筑摩書房
発売日:1986年1月28日

本作も初期型と本文型とが出版され、大正11年4月7日に『注文の多い料理店』(大正13年)のほぼ前作として描かれた童話調の短編。

【あらすじ】
街に出た山男があやしい志那人に「六神丸」という薬にさせられてしまう夢を見るという、幻想がかったストーリー。
人間と妖怪との差異に表れる、半ば奇怪な終結に魅了される。

はじめから妖怪に思えるキャラクターを立て、その奇怪がかる光景から段々現実的な様子を繰り広げていく、宮沢文学に主に見られる典型的な幻想短編の成り立ちです。
柳田国男『遠野物語』に登場する新潟に現れる「山の坊」の形容にも見て取れ、読み進めていく内にどんどん深みハマれる「吸い込み型の一作」です。

「宮沢作品を没頭するように読み耽りたい」という人におすすめです。


8位 チュウリップの幻術

出版社:筑摩書房
発売日:1986年5月27日

本作は「先駆型」と後述型に分かれ、「先駆型」では『若い木霊』の副録として『宮沢賢治全集―童話2』(筑摩書房)に収録される。

【あらすじ】
白いチュウリップが擬人化される形で幻想を見、「ああそうですか。一寸お待まちなさい。主人に聞いてあげましょう」と、いつしか自分の主人のように見立てた太陽の下へするする昇っていくようなメルヘン調のストーリーを展開していく。

脚色からストーリー運びがとてもきれいで、読みながら思わず『アンデルセン童話』の世界に埋没させられるような、非常にファンタスティックな出来ばえを突きつけてきます。
所々で転調するような「他人称による設定」が垣間見られて、誰が何について語っているのか判らなくなる辺りが少し解釈に難を覚えさせるかも知れません。

短編ですが、とにかくキャラクター仕立てから展開描写がきれいで、読了後のとても後味のよい秀逸の作品です。


7位 雨ニモマケズ

出版社:好学社
イラスト:小林敏也
発売日:2013年5月27日

『新校本宮澤賢治全集第6巻』に収められたポエム調の美文で、半ば日記形式に仕立てられたともされる宮沢の告白体で飾られた内容。
昭和6年11月頃に手帳にしたため続けた手記を綴り合せた名作。
彼の没後に、彼が愛用していたトランクの中から見つけられたという。

「雨ニモマケズ、風ニモマケズ…」であまりにも有名な詩文ですが、後説では「詩ではない(ポエムではない)」という評価もあり、恐らく宮沢本人の思想や主義を反映させた随筆であるという、新しい見方も現代までにあげられているようです。
また思想を綴ったという見方とは別に、誰かに宛てた「ラブレター」ではないかという評もあり、今でもまだ解明されていない謎が多い作品です。

私はこの「雨ニモマケズ」を小学校の頃に読みましたが、今でもその美文のあり方と内容とに感銘を受けながら、いろいろな感想を覚えさせられています。
詩文形式が主な文体なので、さらっと読めると思います。

「宮沢賢治といえばコレ!」という程に有名な一作ですので、ぜひ「宮沢作品をまだ読んだことがない」という人にも読んでもらいたい名作です。

関連記事⇒【あらすじ&感想】宮沢賢治『雨ニモマケズ』をもっと詳しく知る

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6位 泉ある家

出版社:筑摩書房
発売日:1986年1月28日

本作は『風の又三郎』が発表されたすぐ後年に脱稿されており、昭和6年から8年頃に出版された小品形式の短編。
正確な発表年月日については明らかにされていない。

【あらすじ】
「二十ばかりの眼の大きな娘」が郊外ともいえる片田舎で老人とともに暮らしており、突然訪れた青年2人に食事を出してもてなす。
この2人の青年は郡の依頼を受けた富沢と斉田で、2人は土性調査をするため「泉ある家」の畔まで来ていた。
娘は20歳過ぎの孫娘らしい。

ある夜に鉱山で働く別の男も訪ねて来て、自然を装いながらも半ば奇妙な人間模様が「泉ある家」の周りで特異な展開を繰り広げていく。

「泉ある家」というタイトル通りの自然情緒が漂う作品ですが、内容は人間模様のやや色濃い描写が点在しています。
背景描写と人間描写が上手くコントラストされていながら、ストーリー運びに内在された宮沢特有の幻想がかった交流が冴え渡ります。

宮沢作品によく見られる何十分程度で読める短編サイズですので、これもさらっと読める小説です。
背景描写と人間描写とをくっきり分けた読み方も面白く、ぜひ2つの美しさと奇妙な幻想とをご堪能下さい。


5位 カイロ団長

出版社:筑摩書房
発売日:1986年3月25日

『宮沢賢治全集―童話1』に収録された児童文学系の作品で、宮沢作品の童話の内では11作目の童話とも言われる。
断片的に創作された自然を融合させた小品でもあり、宮沢作品の全体から見て『オツベルと象』や『クねずみ』でも採られたような普遍性も垣間見られる。

【あらすじ】
田舎のある田園の畔にアマガエルたちが住んでおり、彼らは植物の種を集めて花畑をつくったり、石や苔を集めたり、庭造りをして暮らしている。
そんなある日の仕事帰り、アマガエルたちは桃の木の下に新しい店を見つける。
その店にはトノサマガエルがおり、「舶来ウイスキー」と愛飲しながらアマガエルたちを次第に子分のように扱っていく。

本作もカエルを擬人化して仕立てた童話調の短編で、平易な文体とリズムをもって冒頭から結末部までを、自然色鮮やかな形容で彩っています。
トノサマガエルとアマガエルたちとの珍妙なやり取りが実に珍妙で、トノサマガエルの最後の描写が圧巻です。

本作も短編サイズで読みやすく、軽妙な文調をもって読了できる非常に読みやすい作品です。
やや途中経過でオチが見えますが、それでも面白さが際立つ宮沢作品の中でも秀逸の一作です。


4位 蛙のゴム靴

出版社:ホーム社
発売日:2010年10月8日

宮沢作品中の動物童話集に見られる「カエル3部作」の内の一作で、本作も初期型と後述型とに分かれる2構成の短編。
初期型と後述型とでは結末部が大きく変わる。

【あらすじ】
松の木や楢の木が生い茂る山村から都会に降りて来たカエルたちが、人間の世界でさまざまな現象や自分たちの感情を合せ見、それぞれの文化・文明の違いから「自分たちがすべき仕事」を命がけで模索していく。

童話調の運びで他の「3部作」と同様の軽妙さが面白いですが、違う点は「経過から結末までのオチ」が見えないところでしょうか。
カエル作の中では1番内容の濃い作品だと思われます。
なかなか重厚な構成によって仕上げられており、読み進める毎に内在された風刺のようなものがとても冴え渡っています。

3部作の中ではとても濃厚な内容で、童話短編として読むのには「かなり重いテーマ」が植え込まれています。
ぜひ彼の動物童話集を読もうという人にはおすすめしたい一作です。

では、いよいよベスト3です!


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