山田悠介は、2001年に異例のヒット作となった『リアル鬼ごっこ』を自費出版し、主人公が命をかけて生き残りをかけて奮闘する「サバイバル系」や、理不尽なゲームなどを強制的にやらされる「デス・ゲーム系」などを中心に中高生から30代くらいの若い世代に人気のある作家です。
なぜそんなに人気があるのか?
それは山田悠介の持っている若いセンスだと言う人が多いですが、私はそれだけではないと思います。
山田悠介は人を楽しませるのが凄く上手で、主人公は等身大なので若い人たちが自分と重ね合わせやすい。
普段なにげに過ごしているよくある日常にとんでもない、ありえない事が起こるので面白く感じるのだと思います。
そんな大人気の山田悠介の作品のおすすめ作品をランキング形式で紹介します。
山田悠介のおすすめ小説:第5位~第1位
第5位:「ニホンブンレツ」
出版社:文芸社
発売日:2009年3月5日
【あらすじ】
今から遠くない未来の話。関東人と関西人は敵対心が強く、関東人は関西人の慣れなれしさが嫌いで、関西人は関東人のカッコつけたところが嫌いで、話言葉やファッション、料理の味付け、お金の使い方など、どこか気に入らないと思う人たちが多く、表面上は仲良くしていたが、心の中ではお互いに嫌いあっていた。
そんな時に東京都知事が大阪を馬鹿にする発言をし、それを受ける形で西日本は経済封鎖『鎖国』をし、『東西の壁』を建設、すべての交通機関が東と西を行き来が出来なくし、日本は東と西の二つに分裂してしまうことになる。
そのタイミングでたまたま東京に来ていた広島出身の主人公は恋人と生き別れになり、彼女に会う方法を模索している時にやっとチャンスがやってきた。
それは西日本に潜入するという方法。
ところがやっとの思いで西に潜入できたのに、主人公が目の当たりにした西での現実は・・・自由がまったくない独裁社会だった。
はたして主人公は恋人に会えるのか?
最初にこの本を読み始めたときは、「東VS西」ってお正月特番のお笑い番組で東日本出身の芸人さんと西日本出身の芸人さんがコントや一発芸を競う番組みたいだなと思ってしまったのですが、本を読んでいくにつれなかなかシリアスだなあって思いました。
東西が分裂したことで人生が変わってしまった人は沢山いると思うけど、主人公は悲惨すぎますね。
たまたま関東で働いていたために出身地の広島に帰られなくなり、家族とも連絡とれなくなり恋人とも引き離されたり。
あまりにも主人公が悲惨すぎて本から目が離せなくなってしまいました。
もし、本当に東西が分裂したら私は関西人なので独裁国家で暮らす事になる。
自由が無いなんて嫌すぎる。
もしそうなったらどうしようって思わず想像してしまう作品でした。
第4位:「復讐したい」
出版社:幻冬舎
発売日:2011年4月21日
2016年映画化されR-12指定ながらも大ヒット
【あらすじ】
2019年の日本、犯罪の被害者たちに復讐のチャンスを与える法律「復讐法」が成立され、条件を満たした人たちは加害者に復讐をすることが出来るようになった。
被害にあった人たちの遺族は『裁判』か『復讐』のどちらかを選べるようになり、復讐を選んだ人は『復讐者』となり、加害者である『受刑者』に復讐するために国が用意した無人島で復讐を実行することになる。
復讐のために与えられた時間は100時間のみ。『復讐法』は復讐者はGPSを使え受刑者がどこにいるのか常に把握でき、武器も食料も与えられるという、復讐者にかなり有利になるように作られているが、もし復讐に失敗すれば受刑者は無罪になり社会に放たれてしまうリスクがある。さらにその無人島は無法地帯なので受刑者が復讐者を殺しても罪に問われないことになっている。
主人公は妻を殺され、その復讐のため憎い受刑者に復讐するために無法地帯である無人島に向かい、復讐しようとするが・・
「復讐したい」は原作を読む前に映画を観ていました。
映画が面白かったから原作に興味を持った感じです。
今の日本では人を殺すのは良くないことと考えられているみたいですし、私も人殺しはよくないと思いますが、実際に自分の大切な家族が殺されてしまったら、もしかしたら復讐したいと思ってしまうかもしれません。
実際に行動するかどうかはわかりませんが。
主人公の妻を想う気持ちがせつなく、自分の軸がブレないところ、行動力はすごいと思いました。
私なら途中でめげてしまいそうです。
一人の男性にそこまで想ってもらえた奥さんは幸せだったのではないでしょうか?
でも、愛する奥さんそっくりな人があんな感じの人なんて辛いでしょうね。
ネタバレしすぎるとアレなんで、ここではこれ以上書きませんが。
そしてこの作品の読みどころはラスト!!
さすが山田悠介って感じの終わり方です。
だからといっていきなりラストを読むのはおすすめしません。
ぜひ作品の最初から順番に読んでみてください。
第3位「キリン」
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010年9月25日
山田悠介作品の中でもっとも切ないストーリー
【あらすじ】
優秀な子を産めば自分の幸せになると信じる厚子は、長身の美男子で学歴も年収も高く、IQ180を超える天才数学者の精子をオークションで競り落とす。そうして男の子を出産したが、その子は頭脳は優秀だが容姿に優れなくて不満だったので、もう一度オークションで精子を競り落とし、もう一人男の子を出産する。
そうやって生まれた弟の麒麟(キリン)は『パーフェクトベビー』を望む厚子の期待を背負っていたが、ある日、背中に不思議なシミが出来、その時から成長が止まり、厚子は麒麟に『失敗作』の烙印を押してしまう。その日から麒麟の過酷な人生が始まる。
母と兄から捨てられ、孤島に幽閉されても家族を信じ続ける麒麟に運命は過酷で残酷な試練を与える。
近未来の話っぽいけど、もしかしたら今現在も表立ってはいない場所でありそうな話なのではないかなと思いました。
人工授精をする時に、精子を選べるなら優秀な男性のを選びたい女性は多いのではないかと。
それにしても、この厚子のパーフェクトベイビーにかける執念はすごい。
優秀な子を産めば、自分を馬鹿にしてきた人達を見返すことが出来るって、本気で信じているのは狂気としか思えないほど。
読んでいくうちに、我が子に対してどうしてこんなに酷いことが出来るのかと怒りがこみ上げてきて、最後まで厚子にはまったく共感出来ませんでした。
見捨てられた麒麟に、素晴らしい才能があるとわかったときは凄く嬉しかったです。本当に良かった。
あとやっぱり山田悠介作品は最後が驚きの結末になるんですよね。
第2位「スイッチを押すとき」
出版社:文芸社
発売日:2005年8月1日
2006年テレビドラマ化
2011年映画化
【あらすじ】
若年層の自殺が社会問題となり、少子化にともなう税負担が増える中、政府は2008年に政「青少年自殺抑制プロジェクト」を立ち上げた。
青少年の深層心理の解明のために、日本全国からランダムに選ばれた子供たちが5歳の時にスイッチを押せば死ぬことが出来る機械を心臓に設置され、10歳になった時に身柄を拘束されてしまうようになりました。
子供たちは家族から引き離され、外部とは一切接触できない施設に閉じ込められ、テレビも娯楽もなく、自由のない生活をしいられ監視をされ続けます。
子供たちには辛いことがあったらスイッチを押せばすぐに自殺できるとだけ教えらます。
施設での生活は辛く、スイッチを押して自殺をする子が後を絶たない。
主人公は横浜の施設で監視員をしていて、17歳の4人の子供たちを監視することになり、その子達とかかわる事で自身の生き方に変化が表れてきます。
極限状態の中、7年間もスイッチを押さずに生きてきた4人、なぜ生きてこれたのか。
実験と称し自殺に追い込まれる子供たちを主人公は助けることが出来るのか。
登場人物一人一人に感情が入ってしまい、何回か泣きました。
電車の中で読むと危険な一冊です。
10歳から隔離されているから体は大きくても中身は小学生のままの4人。
子供たちの純粋にお互いを想う気持ちが切なかったです。
なんで子供たちがこんな目にあうのか、腹立たしくて悔しくて、早く幸せになって欲しいと願いながら読みました。
自分が閉じ込められる立場だったら・・
監視をする立場だったら・・どっちも嫌です(笑)
死ぬとか生きるってどういうことだろうって考えさせられ、自分がいかに恵まれているかヒシヒシと感じる事のできた作品です。
[ad#ad-1]では、堂々の第1位はこれ↓ やっぱりって思った人も多いのではないのでしょうか。
第1位「リアル鬼ごっこ」
出版社:文芸社
発売日:2001年11月
山田悠介のデビュー作です。
2008年映画化 リアル鬼ごっこ
2010年映画化 リアル鬼ごっこ2
【あらすじ】
時は西暦3000年、人口1億人以上、経済的にも機械技術、医療技術など全てにおいて世界トップクラスを誇るとある王国の話。
建国以来トラブルはなく平和だった王国が、先代の王が亡くなり後継の150代目の王が即位してからは状況が一変する。
新しい王は21歳で若く、自分勝手で我がままで優柔不断であり思いやりのない性格であったため王国は混乱し、ほとんど無法地帯の犯罪大国となってしまうが、王様はなんの危機感もなくいつものように優雅な日々を過ごす。
そんな退屈な日々を送っていたある日、王様は自分と同じ姓である「佐藤」が沢山いることに腹をたて、どうにかして自分以外の佐藤姓の人間を抹殺出来ないかと考え、思いついたのが『リアル鬼ごっこ』というデス・ゲームである。
リアル鬼ごっことは、鬼役の犯罪者から逃げ切るゲームだが、捕まれば収容所に連れて行かれて殺されてしまうという恐ろしいゲーム。
主人公の佐藤翼は父親と二人暮らし。突然強制的にリアル鬼ごっこに参加させられる。陸上部の翼は持ち前の脚力で逃げていく。その間に妹の佐藤愛を探す。
はたして翼は愛に会えるのか、そして鬼から逃げ切れるのか。
山田悠介のデビュー作。
大ヒットしただけあって、すごく面白く物語に引き込まれます。
王様の無茶ブリと非情さには驚くことが多いけど、主人公の翼のメンタルの強さには感動しました。
あんだけ毎晩鬼に追いかけれたら普通はどうにかなってしまいそうなのに、最後の一人になって妹を助けるという目的のために走りつづける翼。
それに反して王様のダメっぷりもある意味すごいです。
この作品は小説だけでなく、映画でも楽しんで欲しいですね。
まとめ
山田悠介の人気のおすすめ小説ベスト5は以下の結果でした!
1位.リアル鬼ごっこ
2位.スイッチを押すとき
3位.キリン
4位.復讐したい
5位.ニホンブンレツ
でした。
山田悠介を初めて読む方は、やっぱりランキング1位の「リアル鬼ごっこ」がおすすめです。
この本を書いた時、作者はまだ若く中高生向けの作品なのでそんなに難しい表現はなく、すぐに読めると思いますのでぜひ読んでみてくださいね。
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