風の谷のナウシカのあらすじを徹底解説!感想&11の名シーンまで一挙公開!※ネタバレ解説

風の谷のナウシカ

スタジオジブリ映画の最高傑作とまで謳われる『風の谷のナウシカ』。
本作をご存じの方はどれくらいいるでしょうか?

もともとは、徳間書店のアニメ情報誌『アニメージュ』誌上にて発表したSF・ファンタジー作品で、当時、世情を賑わせていた科学文明の発展から戦争被害など、人の欲望に明かりを投げ込むような稀有な作品をひと目観ようと、若者から大人までがこぞって映画館に殺到した傑作です。

1984年に宮崎駿監督によって劇場映画化された本作は、その後から世紀を渡って語り継がれる〝伝説的な名作〟に成長しました。

今回は、この名作『風の谷のナウシカ』の魅力と11の名シーンまでを一挙公開したいと思いますので、どうぞ皆さん、くつろぎながらゆっくりおつき合い下さい。

原作『風の谷のナウシカ』のその後の世界はどんな感じ?

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目次

『風の谷のナウシカ』詳細

【漫画】『ワイド判 風の谷のナウシカ 全7巻函入りセット 「トルメキア戦役バージョン」』

著者:宮崎駿
出版社:徳間書店
発売日:2003年10月31日

〈簡単なご紹介〉
アニメーション雑誌「アニメージュ」に1982年2月号から連載が始まるや、可憐だが芯が強く行動力のある女性主人公ナウシカをはじめ、「王蟲」などの巨大で不気味な蟲(むし)たちの存在、そしてそれらを取り巻く壮大で奥深い物語世界を精緻に描いて、ファンの間でたちまち話題になった。

「火の七日間」と呼ばれた世界大戦から1000年後、地球は、毒ガスを吐き出し、不気味な蟲たちが徘徊する「腐海」と呼ばれる森に覆われようとしている。

映画では描かれなかった物語の終盤、ナウシカは風の谷ばかりでなく、生き残った人類の存亡をかけて戦い続けていく。

【DVD】映画『風の谷のナウシカ』

監督:宮崎駿
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2014年7月16日

概要

アニメーション監督・演出家でもある宮崎が、徳間書店のアニメ情報誌『アニメージュ』誌上にて発表したSF・ファンタジー作品で、戦争による科学文明の崩壊後、異形の生態系に覆われた終末世界を舞台に、人と自然の歩むべき道を求める少女ナウシカの姿を描いた。

1984年に、劇場版アニメ『風の谷のナウシカ』が放映される。

『アニメージュ』1982年2月号にて連載を開始し、映画制作などのため4度の中断期間を挟み、1994年3月号にて完結した。
1994年に第23回日本漫画家協会賞大賞、1995年、第26回星雲賞コミック部門を受賞し、単行本の発行部数は累計1200万部に達した。
海外でも8か国語で翻訳・出版されている。

また主人公ナウシカのモデルとして、宮崎は日本の古典文学『堤中納言物語』に登場する「虫愛づる姫君」を挙げている。
作品内に登場する人名や地名などには、実際の歴史的事項に一致または類似するものがある。
例えば、クシャナはインドの王朝名(クシャーナ朝)からきている。

世界観

産業文明の出現から1000年を経て極限まで科学技術の発展した人類社会が、「火の7日間」と呼ばれる最終戦争によって滅びてから1000年余りが経過した未来の地球が舞台。

ストーリー中で、文明を衰退に追いやった諸々の事象が、世界を再建するための遠大な計画であったという真実が語られる。
「行き過ぎた人類を賄った科学力や軍事力は、1度全て取り除かれなければならない」などと、終末期から俯瞰する「世界の滅亡・再生」を説いている。

主に登場する土地や国

風の谷
主人公ナウシカの故郷である辺境の小国。
人口は500人程度。
塩の海から吹き付ける風を風車で動力としながら、中世レベルの農業と採取活動により成り立っている。

ペジテ市
トルメキアと同盟を結んでいる辺境諸都市国家の一つ。
「火の7日間」以前の遺跡からエンジンやセラミック等を発掘しては加工供給する工房都市。
地下で発掘された巨神兵を狙うトルメキア軍に侵攻され大半の市民が虐殺されている。

生き残りの避難民達がトルメキア同様に巨神兵を使った腐海の焼却を目的に行動し、まずペジテ市に駐留するトルメキア軍を壊滅させるために人工的に王蟲の暴走を起こし、自らの手でトルメキア軍もろとも街を腐海に飲み込ませ滅ぼした。
さらに風の谷にも王蟲を暴走させようとしており、ナウシカの抵抗にあう。

トルメキア
風の谷の東方に存在する王国で、辺境の族単位の小国群を従えている。
王族による過酷な王位継承争いが古くから続いている。
風の谷とはもともと友好関係にあるが、腐海と蟲を一掃し、また人類が統治する世界の再建に邪魔者とみなせば、どんな国でも亡ぼそうとする固い決意を秘めている。
終末をもたらした秘密兵器・巨神兵を復活させた。

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主に登場する用語

ヒソクサリ
腐海に主に生息する猛毒の植物。
この植物から噴散される胞気を吸えば、5分のうちに人は死に絶える。
この毒を防ぐためには「瘴気(しょうき)マスク」という防護マスクが必要。

粘菌(ねんきん)
ヒソクサリが、兵器転用を目的とした実験の過程で突然変異した姿。
従来の瘴気マスクが効かず、蟲さえも死に至らしめる猛毒の瘴気を発する。

蟲(むし)
腐海に生息する動物の総称。
腐海以外に生息する昆虫類などは「虫」と表記され、区別される。
王蟲のように巨大なものから微小なものまで、多種多様な大きさや形態のものが存在する。
自分たちの住処でもあることから腐海を守り、それによりナウシカからは「腐海の守り主」とも称される。

王蟲(オウム)
腐海最大の蟲。
卵から孵化した幼生は脱皮を繰り返して成長し、成体は体長80メートルに達する。
表皮は非常に堅牢かつ弾性に富み、抜け殻はガンシップの装甲板や刃物に加工し利用される。
中でも王蟲の殻から鍛えられた刀剣は、トルメキア装甲兵のセラミック甲冑さえも貫通する切れ味を持つ。

ウシアブ
羽蟲の一種。
赤ないし紫色の丸い体に2対の翅を持ち、翅を広げた幅はメーヴェの全幅の倍ほど。

ヘビケラ
竜のように細長く平たい体に2対から4対の翅を持つ大型の羽蟲で、全長は数十メートルに達する。

巨神兵
人工生命体の種。
「火の七日間」で世界を焼き払ったとされる伝説の巨人。
死滅したと思われていたが、ペジテ市の地下で発見された一個体が復活し、ラストシーンでは王蟲の群れを一掃するのに活躍する。
だが復活途中で駆り出されたため、まだ体が完就しておらず、そのまま溶け果てて死滅する。

青き衣の者
風の谷に古くから伝わる伝承による聖人。
「その者青き衣をまといて金色(こんじき)の野に降り立つべし。
失われし大地との絆を結び、遂に人々を青き清浄の地に導かん」と伝えられる。

瘴気(しょうき)マスク
腐海の瘴気を防ぐ防毒マスクで、ある種の水草から作られる活性炭で防ぐ構造となっている。

船(航空機)
作中で「船」と言えば一般的には航空機を指す。
動力機関であるエンジンの製造技術は失われており、現存するエンジンをレストアして船を建造している。
腐海においても、瘴気が届かなくなる高度を保てばマスク無しでの移動が可能であり、貴重かつ重要な輸送、移動手段とされている。

メーヴェ
辺境の風使いが用いる小型軽量飛行機。
強力なエンジンを1基備えており、小柄な成人2名程度なら乗せて飛行することが可能。
ドイツ語で「カモメ」を意味する。
作中では主人公・ナウシカが用いる飛行具として登場する。

ガンシップ
小型の戦闘機。
風の谷とペジテのほか数機種が登場する。
乗員1~2名の、高い速度と機動性を持つ戦闘用航空機を指してこのように呼ばれる。
後席でエンジンの制御を行き、乗員同士の会話には伝声管を使う。

バージ
エンジンを持たない輸送用グライダーで、ガンシップなどがワイヤーで曳航する。
現実におけるバージとは艀(はしけ)。

装甲コルベット
トルメキアの大型戦闘機。
通称コルベット。
機体の前後に主翼を持つタンデム翼機。
漫画版ではクシャナの乗機である。
独特な風貌を持つ前翼と後翼の面積がほぼ等しいタンデム翼機。
機体は細長く機首は尖っており、下方の視界確保を重視した風防の直後に操縦席がある。

大型船
トルメキアの大型輸送機。
ストーリー冒頭において、巨神兵とペジテの王族であるラステルを輸送するという重要な役割を負っていたが、何らかの理由でコントロールを失って腐海に侵入し、その際に蟲を殺してしまった為に、怒り狂った蟲の追撃を受ける。

キツネリス
長い尾と耳を持つ、小型の獣。
雑食性。
黄色の体毛に茶色の大きなトラ柄がある。
眼は緑色。
『天空の城ラピュタ』にも登場しロボット兵の上で戯れる姿が描写されている。

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映画『風の谷のナウシカ』2分でわかるあらすじ

科学文明がその絶頂を極め、人がそれまで築き上げた文明は崩壊してしまった。
「火の7日間」という最終戦争から1000年後の世界、汚染された大地に異形の生態系を持つ巨大な菌類が支配する森「腐海(ふかい)」や、腐海を守る「蟲(むし)」と呼ばれる巨大な昆虫たちが現れた。

その蟲たちはどんどん領土を広げていき、残った人類は「蟲と共存する」しか術がなくなった。
世界が荒廃した中、それでも人の科学力・軍事力はわずかに温存されていた。

ストーリーの舞台は、「風の谷」とトルメキア、そして工業都市のペジテ市である。

ある日、ペジテからの避難民を乗せた輸送船が蟲に襲われ、風の谷付近に墜落する。

輸送船に搭乗していた瀕死のペジテ王女・ラステルは、救援に駆けつけたナウシカに「秘石」を託し、兄に渡してほしいと願って亡くなった。
秘石は、終末戦争で使われた生物兵器巨神兵を起動させる鍵となる石である。
その輸送船を追うようにして、クシャナ率いるトルメキア軍が来谷する。

トルメキアは「蟲や腐海を焼き払い、また人間が統治する地球に戻そう」という目的を持つため、「焼き払うための強力な武器」が必要であり、その「武器」に巨神兵を選んでいた。
そのためトルメキアは「秘石」を追う必要があった。

トルメキアが来たことで風の谷の住民はこぞって反抗したが、軍律国家・トルメキアと、平和を愛する風の谷の勢力では比較にならず、結局、ナウシカ一人が人質となり、風の谷の被害は最小限にとどまった。

トルメキアにより連行される中、ナウシカを乗せた輸送船がラステルの兄・アスベルにより奇襲を受け、墜落する。

墜落したのは腐海の流砂地であり、ナウシカもアスベルもその流砂に呑まれ、腐海のさらに奥底へ落ちていった。

腐海の底がまだ汚染されていないことを知ったナウシカは、アスベルとともに、トルメキア、またトルメキアを撃退し、巨神兵を独自に利用しようとするペジテの企みを阻止するため、再び地上へ戻って奔走する。

風の谷においてトルメキアによる巨神兵復活がなされ、ついに王蟲(オウム・蟲の親玉)を一掃しようとするとき、ナウシカは、人災により傷ついた1匹の王蟲の子どもを連れて、風の谷へ迫る王蟲の群れの前に立ちはだかった。

原作『風の谷のナウシカ』との違い

勢力図
原作ではトルメキアと土鬼(ドルク)諸侯連合の二大勢力の紛争(トルメキア戦役)に、風の谷やペジテ市などの小国が巻き込まれる構図。
映画版に土鬼は登場せず、トルメキアがこれらの小国に侵攻する構図となっている。

トルメキア
原作では風の谷の東方に位置し、風の谷やペジテ市などの辺境諸国と同盟を結んでいる王国だが、映画版では国号もトルメキア帝国で、遥か西方に存在する強大な軍事国家であり、ペジテ市で発掘された巨神兵を奪取しに来た侵略者として描かれる。
王族同士の権力争いは描かれず、辺境諸国統合の司令官となったクシャナのみ登場する。

風の谷
原作ではトルメキアとの盟約に従い、ナウシカがクシャナの部隊の南下作戦に従軍する。
その後は物語にほとんど登場しない。
トルメキア軍によって占領され、巨神兵の卵の培養地となったため、ペジテ市の残党により王蟲の暴走の標的とされる。

ペジテ市
原作・映画版とも、地下で発掘された巨神兵を狙うトルメキア軍に侵攻され大半の市民が虐殺されている。
原作では、避難民を乗せた輸送機が墜落してアスベル以外の住民は全滅する。

巨神兵
原作では知性を持つ巨大人工生命体として描かれるが、映画版では生体兵器としての面が強調され、単なる兵器、あるいは腐海を焼き払うための道具として使われようとする。

腐海
原作の終盤では、腐海は自然発生したものではなく旧文明の科学力により創出された浄化装置の一種であることが明かされる。
映画版では、人災による自然順応力により、自然体系がおのず生み出した「土壌・環境回復のための反応」として描かれる。

ラストシーン
映画版では、傷ついた王蟲の子どもを引き連れて、風の谷へ突進する王蟲の群れの前に立ちはだかる。
原作ではこの「風の谷」がクシャナの宿営地である。
またこの王蟲の暴走は、ペジテがトルメキア軍と風の谷を襲わせる形で進行したが、原作ではこのペジテが土鬼(ドルク)に変わっている。
そして王蟲の群れに突進されてナウシカの体が宙に舞い、その後、王蟲の包容により復活するシーンが映画版だが、原作ではナウシカが王蟲の群れの前に立ちはだかるシーンで終わっている。

原作『風の谷のナウシカ』のその後の世界はどんな感じ?

引用元:wikipedia 風の谷のナウシカ (映画)wikipedia 風の谷のナウシカ (漫画)NEVERまとめ 風の谷のナウシカ”の都市伝説集NEVERまとめ 「風の谷のナウシカ」の原作

〈参考資料を見る〉

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映画『風の谷のナウシカ』の7つの魅力

【その1】人にとっての自然

まず『風の谷のナウシカ』では、この「人と自然」という緊密かつデリケートな焦点を当て、そこに彩られる〝現実に即したトピックス〟をあげています。

それは、

●自然がいつまでも人の言いなりにならないこと
と、
●人を含め、全ての生き物を許容し、優しく包み込んでくれる自然でも、生き物のある行為をきっかけに、その後何年も続く脅威になること
の2つです。

この2大テーマを視聴者(読者)に訴えながら、本作の描写はただ「オリジナル性を含めながらも、その自然と生き物との並行する関係」を傍観するように淡々と仕上げられています。

「自然はいいなぁ」や「人は自然があるから生きられる」や「自然は大事にしなきゃ」などと言う普段の人の理想的な姿勢が〝机上だけの空論・無責任な発言〟に終わってしまえば、このように、いつ・どんな状況からでも自然は人にとって脅威に移り変わるということを、明々と説いている暗喩があります。

いかにもアニメやコミック・映画で持て囃されがちな本作ですが、このように、一大旋風を巻き起こせるほどの「隠れたアイデア」が光るからこそ、とてつもなくビッグな貴作として語り継がれるのでしょう。
この「人と自然」という関係性に留意して、1度本作をじっくり観て下さい。
必ず〝訴えるもの〟が鮮明に見えることでしょう。

【その2】美少女・ヒロイン

これは本作に限らず、ジブリ映画なら幾つもの作に登場する半ば「常套的な演出」ですが、本作『ナウシカ』は、この「常套的な演出」の先駆けとも言える非常に稀有な作品の1つです。

その先駆けであるがゆえに「ヒロインの描き方」には入念な本気が散りばめられ、ストーリーの要所に「ナウシカならではの魅力」が満載する特大的な世界観がストレートに脚色されています。

「映画館に行けば、美少女に会える!!」というキャッチコピーをもとに本作は長大な観客動員を遂げ、このナウシカの魅力を最大限に引き出すことに成功していました。

何と言っても、ナウシカの身のこなし、ナウシカの人や動物・昆虫との交流の様子、そして平和と生き物・自然の命を守るために本気になった激情の様子がいかんなく冴え、これらの1シーンごとに光るヒロイン・ナウシカの躍動を観るだけでも一見の価値アリと言えます。

【その3】リアル・迫真の躍動感

動静が際立つシーンでは皆そうですが、とにかく1つ1つのキャラクターの躍動がすさまじく身軽であり、加えて重厚な腰上げを奏でています。
そのシーンのどれもにストーリーの深い経緯を含めていて、各キャラクターや環境の動きが「それなりの納得感」をもたせる形で細微に彩られています。

唐突に進むストーリーの劇動によってもおそらく視聴者は固唾を飲む形でリアルを感じることでしょうが、その動きを挟む前後ストーリーをくまなく把握しておくことで、また次の展開に懸橋を渡せる〝視聴者としての納得感〝を持たされるでしょう。

リアル感や迫真の動きは必ずアニメをアニメらしく活性するものですが、本作の内には現実感を越えてしまえる程の斬新な躍動が、所せましと駆け回ります。

【その4】ときどき面白い脇役の座談

クシャナ率いるトルメキア軍には、参謀・クロトワというキャラクターがいます。
このクロトワは真面目一辺倒のクシャナやナウシカと違い、時折りストーリーを面白く(滑稽に)脚色するピエロのような役を買って出ています。
この「真面目の中にあるユーモアじみたユルミ」のようなものが、本作の構成・設定をなお興味深く仕上げている点が絶妙です。

また風の谷の住民にも、3トリオの面白いおじいさんや、無邪気さを振りまく子どもの何人かがいて、彼らもストーリーを底から面白く、またリアルに脚色するのに際立ちます。

この真面目なストーリーの中に冴えるユーモラスな「ほんわり・ムード」を、ぜひ作中を透してお楽しみ下さい。

【その5】空を飛ぶ魅力

本作にはメーヴェやガンシップ、また大型船からコルベットという輸送船の多くが登場し、非常に「空を飛ぶシーン」が頻繁に出てきます。
この空を飛ぶシーンが、とても壮大で優雅な気色を醸し出しており、実際に飛んでいる気分にさせてくれつつ、作中で飛んでいるキャラクターの動きも実に見事なリアル感を見せつけています。
さすがはジブリ映画、と言ったところでしょうか。

緊迫した地上や森の中からブアッと飛び立つあの爽快感!観ているだけで、感じているだけでたまりません!
それに加えて、腐海を泳ぐように飛んでいる蟲たちの飛行の様子も、とても臨場感を出していて魅力的。
この爽快と魅力の全てを、どうぞ実際に観ながらご堪能下さい。

【その6】背景と演出との深いつながり

「あなたは何をおびえているの?」

これは腐海に落ちたとき、クシャナに向かって言ったナウシカのセリフですが、このひと言にも、現代にも通用する「人の自然の脅威に対する暗喩」が見て取れます。

腐海はもともと人災―つまり人の世界を征服しようという歪んだ欲望により生まれた産物であり、また地球を毀した人類に怒りを見せつけた自然の猛威とも受け取れますが、クシャナは、この「人の手により生まれた自然の猛威」に対し、改めて恐怖しているという図にも受け取れます。

腐海を守っているのは蟲たちで、たとえば王蟲はその蟲の中の主です。
クシャナは腐海において、この王蟲と正面きって向き合ったとき、このセリフにつながる恐怖の様子を見せました。

たとえば文明が進んでさまざまな兵器や利器が作られていくと、それによる恐怖が現実にも横行します。
現代でもその恐怖に直面しているのではないでしょうか?
この「人の欲望・支配欲による文明の長物」が、結局また人に向き直り、人にとって便利をもたらす物は人にとって恐怖をもたらす物に変わってしまう。

この腐海・腐海を守る蟲や王蟲という存在は、いえば、この現代にも数多く見られる「文明の利器の欠片」に等しいわけです。

この辺りの演出効果の深さを味わいながら、ぜひまったりとご鑑賞下さい。
この辺りを吟味しながら観ると、ストーリーの設定が全てつながってくるようにも思えます。

【その7】静かな空間

本作のほとんどは、軍律国家・トルメキアやペジテに見られる戦いをはじめ、どちらかと言えば七転八倒のバタバタ映画に見えますが、じっと吟味してみると全く違います。
動静をシーンごとにくっきり分けているのは確かですけど、その全てのシーンの根底にあるテーマは、人に対して非常に静かに訴えかける一定した運びが見えてきます。

おそらく『ナウシカ』のテーマを一言で表せば、
「自然 対 人」
でしょうか。

自然に生きながら、その自然を人の管理下に置き、またその自然が生むさまざまな生き物でさえ、自分たちの都合により滅ぼそうとする。
人の欲望が自然に立ち向かうとき、その欲望・野望を受けた自然は人に向けてどう反応するのか?
そういったテーマが非常にスロータッチをもってじわじわ描かれ、各ストーリーをつなげていく懸橋のようにもなっています。

この「静かな空間」は、ナウシカとアスベルが流砂に呑まれて落ちた、あの腐海の底のシーンでより発揮されているように思います。

地上で人と生き物が数々の殺戮を繰り返すけれども、その自然の根深い所では、その外界をまるでシャットアウトするように姿を変えないでいる。
どんなに人が野望を企てようと、自然はその懐で変わらず許容し、生き物の再生を図っている。

この「自然と人」とのあり方となりゆきを、どうぞ本作を観ながら考えてみて下さい。

『風の谷のナウシカ』の魅力は言葉では語り尽くせない、感覚によって得られるその人その人の感動によるものだと思えます。

ですので、上記させて頂いた【魅力】の数々は飽くまで参考にして、どうぞ、あなたの目と感性をもって、「本作の魅力が何たるか」ということを吟味してみて下さい。
ここに書かれた【魅力】以上の魅力と感動が、きっとあなたの心に舞い降りるでしょう。

それでは次に、本作の【見せ場】、名シーンの数々をお送りします。

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映画『風の谷のナウシカ』11つの名シーン(名セリフ)

【その1】王蟲の立派な抜け殻

ストーリー冒頭シーンで、ナウシカは腐海に入り、この王蟲の成虫の抜け殻を発見します。

その抜け殻の登場シーンがなかなか壮大…。

そこでその抜け殻の一部(目の部位)を持ち帰り、風の谷の生活具の一部に代用しようと試みます。

これがとても青白い抜け殻で、またそのシーンではナウシカと効果音の他、何も音がなく、シーンと静まり返っています。
この静けさが何ともいい。

そしてナウシカ持ち前の澄んだ表情で遠くを見つめ、しばらく眠りにつくまでの流れは不思議な感動を覚えさせるほどの魅力を持ちます。

胞子がまるで雪のように舞い降りて、抜け殻の上で体を横たえるナウシカはまるで少女のようです。

このシーンはいえば〝嵐の前の静けさ〟…。

この静けさを味わってその後の本編に臨むのもまた一興というものです。

【その2】ユパと別れて、メーヴェで飛んでゆくシーン

先述の「王蟲の抜け殻の発見」のすぐ後のシーンになりますが、「人が蟲に襲われていること」を伝える呼び笛が鳴り、ナウシカはすぐさま起きて、その笛が鳴った方へ飛び出していきます。

そこで見たのは、目が赤くなった(攻撃色になった)王蟲に追われているユパ!
ナウシカはユパと王蟲を上手く切り離すように誘導し、攻撃色一辺倒の王蟲を何とか平常の状態に戻すよう試み、ユパを助けます。

そしてその後、ユパとナウシカは抱擁し合いながら語らいます。
ユパが連れていたキツネリスを、ナウシカはこのシーンでもらい、抜け殻から採った発掘品を「風の谷へ持って行くように」とユパに託したあと、ナウシカはまたさっそうとメーヴェに乗って空を飛びます。

このときに流れる壮大な音楽(『鳥の人』)と、人と大自然とを反映させた見事な景色観が最高です。
またこのときのユパの一言もいい。

「はは、実によく風を読む」
これも冒頭のシーンながら、その後の展開を期待させる〝興味深いシーン〟に映ることでしょう。

【その3】父親が殺されて、発狂するナウシカ

トルメキア軍がペジテからの避難民を乗せた船を追い、風の谷にやって来た直後のシーン。

トルメキア軍は各自四方に散らばり、その1部隊がナウシカの父親が籠城している居邸に侵入します。
それを見たナウシカは一目散に駆けつけますが、時すでに遅し。
父親はすでにトルメキアの刃に倒れ、一緒にいた大叔母様も捕らわれの身になっていました。

その光景を見た後のナウシカの豹変。

ナウシカは持っていた杖(メイス)のような武器を手に「おのれ!!」の発声を合図に、そこに密集していたトルメキアの兵士たちに襲いかかります。

このときの、髪がにわかに逆立つシーンや、兵士の1人1人に襲いかかる躍動のすさまじさと言ったら、それまでのナウシカからは想像できないものでしょう。

この動静を絡めた極端なシーンを、どうぞご鑑賞・ご堪能下さい。
何か得も言われぬ興奮に似た〝魅力〟さえ、感じられるかも知れません。

【その4】窮地でほほえむ、女神のような少女

トルメキア軍によって制圧された風の谷…。
その場を鎮めるための人質となったナウシカは、いつも一緒にいた4人の老人の側近を従え、風の谷からトルメキアへと護送されます。
その移動中、ガンシップに乗ったアスベルに奇襲され、トルメキア船はあえなく撃沈させられます。

このとき腐海に落ちていった船には、ナウシカが連れた4人の老人のうち、3人が乗っていました。
その船は動力が破壊され、墜落していく運命にあります。

ナウシカは船から脱出後、単身その3人を救うべく、腐海へ向けて飛び立っていきます(このときナウシカが乗ったガンシップには、火に巻かれて逃げてきたクシャナも同乗していました)。

その腐海の奥深くに入ったとき、3人が乗った船がゆっくり墜落しているのを発見します。

ナウシカは懸命に「船の中の荷物を全部捨てて、できるだけ船を軽くするように」と訴えかけますが、3人はもう墜落する覚悟を決めていて言う事を聞きません。

そこでナウシカは半身船から乗り出す形でマスクを取り、「大丈夫アピール」をして安心させて、3人に希望を持たせるためにほほえみます。

このシーンには、ナウシカの人となりがとてもよく浮き出ていて、またその様子が実に感動的なものに映えています。

格好いいナウシカ、可愛らしいナウシカ、どこまでも優しいナウシカ、人を助けるためなら自分を犠牲にすることも厭わない女神のようなナウシカ。

どうぞこの「底知れない暖かなほほえみ」を、ストーリーに浸りながら味わい下さい。

【その5】クシャナの持つ悲壮な過去

クシャナは原作のトルメキア王国の高官から、唯一映画版でも登場した女性キャラクターです。
このクシャナの様子・性格は、一見、とても凛々しく見えながら冷徹で、目的遂行のためなら何物をも厭わないといった、極めてクールなキャラクターに見られるものでしょう。

ですが、このクシャナにも暗く辛い過去があり、その過去のお陰で、現在の統率力・冷徹・さっそうとした凛々しい様子が形成されているわけです。

クシャナは過去に蟲に襲われて、体の一部(映画で映るのは左手)を損傷しています。

「我が夫となる者は、さらにおぞましいものを見るだろう…」
と言うクシャナのセリフにわかる通り、手だけでなく、他の体の部位もおそらく蟲によって損傷しているのでしょう。

このような悲壮な過去を持つクシャナですが、ストーリーの経過に従い、段々内面にある本来の〝優しさ〟のようなものが浮き出てきます(これは本編を観ながらご確認下さい)。

クールを装いながらもやはり女性らしい〝母性から出る感情〟を見せ、何だかだと言いながらも何となくナウシカに惹かれていくようなその姿は、それまでのクシャナに見られた冷徹の部分をかなり解きほぐす、魅力的な1面が見え隠れします。

クシャナが風の谷の一角に幽閉される場面、そこで自分の左手が無いことを確認させる場面からどうぞ―。

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【その6】クロトワの登場場面に見られる安心感

この「安心感」は滑稽味、面白さから生まれています。
軍国主義・トルメキア軍の参謀という、冷徹をモットーとするような強国軍の高官なのに、あのちょっとふざけたような、やる気のない態度が珍妙かつ絶妙。

私的に、クロトワが登場するシーンはみんな好きでした。

クロトワ登場の面白いシーンを3つあげておきます。

(1)巨神兵を復活させるための研究室のような所で、目覚めかけた巨神兵に向けて呟くシーン。
「へっ…笑ってやがる…」

(2)長らく風の谷に幽閉されていたクシャナが軍に帰還したときのシーン。
そこでのクロトワのセリフ。
「はぁ~、短い天下だったなぁ」。
それともう1つ。
風の谷へ王蟲の群れが突進してくる前のシーン。
そこで「ナウシカの帰りを待つ」と明言したクシャナを見ながらの一言。
「まぁ、可愛くなっちゃって」(クシャナに対する一言です)。

(3)王蟲が風の谷へ直前のシーンで、「逃げましょう参謀!」と進言した部下に対する一言。
「お前、逃げろったって、どこへ逃げるんだよ(汗)」。

それぞれのセリフをストーリーに絡めて観て下さい。
ストーリーにハマればハマるほど、おもしろ可笑しく聞えてくるでしょう。

【その7】ま、まだ早かったんだ…腐ってやがる…

もうこれは伝説の名セリフと言ってよいでしょうか。
どこかしこのテレビ番組やコミックでこのセリフがパクられ、今ではもう更に輪をかけ、パロディ風・オマージュ風にも仕上げられています。
何となく〝粋な言い方〟で魅力的な、それでいて次の展開に期待を植え込むような上手いセリフ回しに、私も今になってもこの同じシーンで堪能させられます。

これは風の谷へ迫る王蟲の群れを、巨神兵に一掃させようと試みたクシャナと巨神兵が映るシーンで、その巨神兵がまだ復活しきれておらず、体がメタメタにとろけて行く姿を見て言ったクロトワのセリフです。

しかしこのシーンはさすがに『エヴァンゲリオン』で有名な庵野秀明さんが担当したシーンでもあって、巨神兵が朽ちていくその一部始終を実に圧倒する形で描き尽します。

ここで言うクシャナのセリフも実に臨場感極まるもので、
「どぉおした化け物!それでも世界を七日間で火の海にした王族の末裔か!!??」
との迫真の様子。

この辺りの感極まる詳細は、どうぞ実際にご覧になってお楽しみ下さい。

【その8】黄金風景の懐かしさ…

ナウシカが回想するシーンの内容で、ストーリー中、何度か出てきます。

その度にナウシカは子どもに返っており、古めかしい黄金の風景に彩られながら、自分と蟲と、そして大人たちとの間の情景を思い浮かべます。
そして、何だか哀しい。
寂しく映る光景に、この黄金色に輝く夕日のような光が実に大きく小さく照り映え、子ども心に繊細を想わす一部始終のなりゆきを、大人になった後でもその記憶に残す、何とも言えない虚無のようなものを表現します。

ここで流れる歌…。

「ラン、ランララ、ランランラン、ラン、ランラララ~ン…」
どこかできっと皆さんも聞かれたことと思いますが、この歌は本作のこの回想シーンで使われた歌で、この黄金風景を始まりとします。
不思議と「自分の昔」も思い出されるようなレトロな基調に乗って、この歌が流れてきたとき、この何度かの場面に収められた貴い感動の数々が、きっとあなたにも伝わることでしょう。

【その9】両手を十字に広げる、捨て身の少女

これはナウシカがアスベルに、トルメキア軍の船を打ち落とすのをやめるようにと、懇願するときのシーンの様子です。

「やめてーーーーー!」と
アスベルに訴えかけるナウシカは、ガンシップで今にも乱射してきそうなアスベルの目前で、全くの無防備で両手を広げ、まさに捨て身の姿勢を突きつけます。

これを見たアスベルは、このときのナウシカに自分の妹・ラステルの残像を見てしまい、思わず銃口を反らし、その隙にトルメキア軍の船に迎撃されて墜落してしまいます。

このナウシカの捨て身の姿勢と本気の叫びが、観る人の心をえぐるほどに感動させます。

【その10】迫る王蟲の群れの前に、1人の少女と子どもの王蟲がぽつんと残る…

風の谷へ進行する王蟲の群れを何とか食い止めるために、ナウシカは「もう暴走は止めるのは無理だろう…」と半ばあきらめながらも、何とかそれでも一縷の望みを持ち、ペジテ人の2人に強制的に依頼して、自分と子どもの王蟲を、谷へもうすぐ到達する王蟲の群れの前に下ろせと命令します。

全長80メートルからなる王蟲が何千・何万匹と迫るその目前に、あまりにも小さなナウシカと王蟲の子どもは、いかにも弱々しい姿で立っています。
ですが、そのナウシカの表情は実に気丈で、「自分の命と引き換えにしてでも谷を守る」という強靭な力に溢れています。

このシーンでの、「巨大な王蟲の群れ」と「とても小さな少女と子どもの王蟲」の姿が対照的です。
そのコラボをして、見事に命の尊さを描いているようにも見えます。

【その11】その者、青き衣をまといて、金色(こんじき)の野に降り立つべし

風の谷に古くから伝わる〝伝説〟ですが、これは風の谷の重鎮的存在の大叔母様がいつも口にしていた〝ぼやき〟のような文句に最初は映ります。

ラストシーンでその伝説が、見事に成就していく圧巻振りは、「ああなるほど、あの伝説はここで、こういう形をもって現れたわけかぁ…」とうならされるくらい、それまでの経過を合わせて、見事な演出をもって再現されます。

このときの、黄金の野原を歩いていく「伝説の勇者の姿」が実に美しく、またその黄金の野原を作り上げる王蟲の様子が、なんだか観ていて「人を包容する大地」のようにも思え、そのシーンに映る光景全てをもって圧倒されます。

このシーンを観るまで、ぜひ泣かずにこらえて下さい。

原作『風の谷のナウシカ』のその後の世界はどんな感じ?

〈参考資料を見る〉

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感想&まとめ

私はこの『風の谷のナウシカ』を小学4年生の頃に初めて観ましたが、そのときの感動を今でも覚えています。
幼馴染のお兄ちゃんと一緒に観たものですが、そのお兄ちゃんから、「しっかりストーリー追って観ていないと、途中でわからなくなるよ」と、ナウシカの観方のようなものを、密かに伝授されたような記憶も甦ります。

『ナウシカ』は社会性をふんだんに取り入れた、とても訴える力の強い作品に思え、今でも観る際には、「今でこそ考えられる、大人の視点から見た空想・思惑・発想」のようなものを抱かせられます。

つまり本作『風の谷のナウシカ』という作品は、

どの成長点で観るにせよ、そのときどきで、ストーリーから得られる感動や物の考え方そのものが「その時期」に見合って変容される、成長型の作品

と言ってよいでしょう。

ですから子どものときに観ても大人になってから観ても、この作品の主張が変わることはなく、その主張・訴え・理想的な風景を覚える人の感動というものは、いつでもその人を成長させる貴重な探求を生んでくれるのです。

この「探求」は自然に対する冒険の形で味わえるものかも知れなく、おそらく人それぞれでその経過・味わいは変わるものでしょう。

まだ『風の谷のナウシカ』を観たことがない・知らないという人には、ぜひ、今からでも全然遅くないので、観て、感動を味わってほしいと思います(もとより映画を観るのに「早い」も「遅い」もありませんが)。

どうぞあなたの世界観と本作の世界とをコラボして、〝あのとき映画館に居た素敵な美少女〟に出会って下さい。

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