第3位 『風立ちぬ』
監督:宮崎駿
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2014年6月18日
【あらすじ】
(実在の人物・堀越二郎を扱った、ドキュメンタリ仕立ての作品。)
主人公・堀越二郎は裕福な家庭に生まれ、不自由ない暮らしをしながら日々を呑気に過ごしていた。
その二郎はもとより飛行機に興味があり、果ては海軍隊を設計するまでに至る、飛行機設計士の道を歩むことになる。
関東大震災下、二郎は里見菜穂子に出会う。
2人はその後から互いに惹かれ合い、ゆくゆく結婚する。
けれど菜穂子は持病の結核に侵されていた。
二郎はそのことを承知で結婚しており、菜穂子の世話を一生かけてしていきたいと告白する。
その後、菜穂子の病態は悪化の一途を辿り、二郎が飛行試験をしているさなか、置手紙をして去ってしまう。
菜穂子が亡くなったことと、第2次世界大戦に使われた「自分が設計した飛行機」が一機も帰らなかったことなどに落胆していた二郎は、ある夜、夢を見る。
その夢の中には、飛行機設計士になることを勧めたカプローニ伯爵とともに菜穂子も登場し、
「生きて」
と優しく語りかける菜穂子の笑顔があった。
【おすすめの名シーン・見せ場!】
菜穂子との出会いから菜穂子が亡くなるまで、また二郎が自分の仕事・飛行機設計に夢中に取り組むシーンの全般が、おすすめしたい見せ場になります。
とくに本作は青空がとてもきれいに描かれていて、二郎と菜穂子の軽くキスをするシーンなんかも、その透った空に映える形で浮き立ちます。
また菜穂子が趣味でしている絵画も、この青空下の草原に程好く溶け込んでいて、何とも二郎・菜穂子の2人の光景が純粋に感動させるものとして映えます。
そして菜穂子が喀血して倒れるシーン。
菜穂子はそれでも最後まで二郎に心配かけまいと、頬紅をさしたりして元気を装います。
この菜穂子の様子がとても悲しく、また優しく見えて、私としては『火垂るの墓』を観て以来、初めて本気で泣いてしまいました。
【魅力】
まず何と言っても実在の人物を扱うという「ドキュメンタリ・タッチ」の構成が魅力の1つでしょう。
堀越二郎をよく知っている人にはさらに感慨深く、1場面ずつがとても味わい深いものに映るかも知れません。
そして人として、男女として、また夫婦としての、きわめて純朴なあり方が、観ていて非常に心を打つ日常の感動を与えてくれます。
二郎と菜穂子の互いに思いやるシーンと、生きる上で夢を追いかけようとするシーンとのコラボが、ただ感動的な映画ではなく、きわめて当たり前の人間を描いているようで興味を引きます。
第2位 『もののけ姫』
監督:宮崎駿
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2014年7月16日
【あらすじ】
主人公・アシタカ(17歳)は、もともとエミンと呼ばれる北方の地の村に住む若者だった。
ある日その村に、タタリ神と呼ばれる物の怪が現れ、アシタカはそれと対決した際に腕に傷を負う。
その傷には呪いがかけられてあり、超人的な能力を持つとともに、一生消えない苦しみを伴った。
エミンから追い出されたアシタカはその呪いを解くため、タタリ神となったイノシシがやってきた西方へ向けて旅立った。
その道中でタタラ場という街に着き、その村の長であるエボシ御前に謁見する。
その際、タタラ場は〝もののけ姫・サン〟というオオカミに育てられた少女に狙われていることを聞き、アシタカはそのサンと対峙することになった。
一方、シン神と呼ばれる「生命を司る神」の噂を聞きつけ、ジコ坊はじめ幾人かの欲を掻いた男たちが集まってきた。
男たちはエボシをそそのかし、そのシン神を倒すことによって得られる〝永遠の生命〟を狙い始める。
森の平安を乱し、動物を殺し続ける人間に、憤りを持ち続けるサン。
そのサンを憐れに思ったアシタカは、人間の欲望と立ち向かいつつ、何とかサンを人間の世界に引き戻そうとするが…。
【おすすめの名シーン・見せ場!】
・タタラ場に、もののけ姫登場!
・アシタカとモロの君との対話
・サンとエボシ御前との一騎打ち!
・シン神登場から倒れるシーンまで
・傷を負いながらも、アシタカについて行くヤックル
この5つの場面をまずおすすめしたいです。
他にもあげればキリがなく、この場面全てと同等の見せ場が本作には実にあふれています。
【魅力】
本作を観ながらまず素直に思った感想は、「なんて自然は美しいのだろう」でした。
森の奥深くを描きながら、人間を取り巻く木々の群れを実にリアル感たっぷりに仕上げています。
その中を動く神秘的な生き物と人間とのやり取りは、何かそのまま絵のようになって感動を咲かせます。
とにかく人物描写よりも、本作の背景描写が圧巻です。
そしてストーリーの脚色とは別に、作品自体が実にいろいろなことを想像させてきます。
人間と自然との調和や霊魂を従えさせたストーリーの世界観は、何か〝生きている人間が持つ謎〟そのものを解き明かしているような、そんな深い感慨さえも湧かせてくれます。
ジブリ映画の傑作にして、非常に奥深い1作です。
[ad#ad-1]第1位 『風の谷のナウシカ』
監督:宮崎駿
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2014年7月16日
【あらすじ】
人類があらゆる科学文明を超越して1000年後、再び人類は滅亡の危機にさらされていた。
世界には蟲が蔓延り、腐海と呼ばれる死の森が瘴気を漂わせ、もはや従来の生き物が生存できる環境は絶えようとしていた。
そんな世界に、風の谷、工業都市ペジテ、軍国トルメキアがかろうじて生き残っていた。
ナウシカは自然の猛威、またトルメキアの侵攻から、懸命に風の谷を守ろうとする。
ある日、ペジテの難民を乗せた飛行艇が蟲に襲われ、風の谷近くに墜落した。
その墜落現場から、風の谷にも蟲による〝粘菌〟が飛散していた。
クシャナ率いるトルメキア軍は巨神兵という、世界を7日間で火の海にした伝説の兵器を利用して、蟲と腐海を一気に焼き払おうと目論んでいた。
しかしナウシカは、「森が人の住む世界をきれいにしてくれている、蟲や森を殺してはならない」と強く警告し、とにかく蟲や森を守ろうと身を挺する。
両者の対決が、やがて大地の怒り・王蟲の猛撃を展開させることになる。
その猛進をとめようと、ナウシカは人間に捕らわれていた子どもの王蟲を奪回し引き連れ、ひとり王蟲の大群の前に立ち尽くす…。
【おすすめの名シーン・見せ場!】
これもストーリー全てが見せ場になりますが、中でも目立ってよい場面をご紹介します。
・ラステルとナウシカの語らいのシーン
・16歳のカリスマを持つナウシカ、父・ジルを殺され、発狂する!
・捕まったクシャナ殿下が自分の悲惨な過去を告白する場面
・クロトワが巨神兵に向けて言う、「まだ早かったんだ、腐ってやがる…!」
・王蟲の群れの前に立つナウシカと王蟲の子ども
もっともっとありますが、とりあえずこの5場面は絶対に観て下さい!
とくにもう1つをあげれば、巨神兵が王蟲に向けてレーザー光線を吐く場面ですが、そのときの「巨神兵がどろどろに溶けてなくなっていく様」が何とも圧倒的です。さすがは庵野秀明さんが手がけたシーンでもあり、その動態の威力がほとほと凄まじいのです。
【魅力】
『風の谷のナウシカ』が持つ魅力はそのストーリーの独特性と、脚色の斬新さにあるように思います。
スピーディに展開されていく中で、決してストーリーの構成1つ1つをおろそかにせず、全ての場面が終局的に結びついていく。
そんなち密に練られた世界観に「自然VS人」のコンセプトがあり、その自然の猛威が腐海と蟲たちによって代弁されていく、そんな独自性さえ表れてきます。
非常に素朴に描かれた「自然と人との対峙」のあり方が、おそらく本作を彩る魅力の根底にあるのでしょう。
次点 『コクリコ坂から』
監督:宮崎吾朗
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2012年6月20日
【あらすじ】
舞台は1963年の初夏、横浜。
主人公・小松崎海は港南学園高校の1年生で、横浜にあるコクリコ荘をずっと切り盛りしている。
そのコクリコ荘の庭では亡き父親をしのぶため、赤・白・青生地の旗を建て、それは周囲にも程よく目立っていた。
海の学校ではカルチェラタンという男子文化部の棟があり、そこを取り壊すか否かで問答が起きていた。
その取り壊し反対派に風間俊という、海の1年先輩の男子学生がおり、海と俊は「反対派」を巡って知り合ったのち恋に落ちていく。
しかし海と俊は父親が同一人物の、兄妹であると告げられる。
それはコクリコ荘に下宿していた北見北斗という、獣医研修生の送別会をしているときに見せられた1枚の写真が原因。
一方、カルチェラタンを大掃除して「取り壊し」を防ごうとする生徒が増え始め、海と俊はその代表として東京にいる学校の理事長の元まで直談判に行った。
「今のカルチェラタンを見てから、取り壊しするかどうかを判断してほしい」
という約束を取りつけ、海と俊は再び帰路に就く。
その帰りに海は、俊が以前に「旗を建てる少女」というポエムを学級新聞に匿名で投稿していた事実を知る。
さらに親しみを感じた海は、そのときの自分の気持ちを俊へ正直に告げる。
それから俊と海はさらに相思相愛となるが、やはり「兄妹」という関係が引っかかっていた。
そんなときに2人は、海の母親・虹江から〝重大な秘密〟を知らされて…。
【おすすめの名シーン・見せ場!】
カルチェラタンを必死に守ろうとする「取り壊し反対派」と「取り壊し賛成派」との、壮絶ながら仄々とした学園紛争がまず「おすすめの見せ場」になります。
そして背景に敷かれた懐かしい、レトロな横浜の下町。
そこで交わされる海と俊との何気ない日常のシーンがさらに臨場味を煽り、60年代の日本の世情を上手く反映させる引き金を作ります。
・海と俊の出生の秘密がわかる送迎会の場面(北見北斗の送迎会)
・カルチェラタンの大掃除合戦!
・海と俊が告白し合う場面
・海と俊の東京紀行
・海の母親から聞かされる、海と俊、2人への重大発表!
とりあえずこの5つの場面が、ぜひ観て頂きたい〝おすすめの見せ場〟です。
【魅力】
学生時代というとてもピュアな時代が背景に敷かれている時点で、私としては大変な魅力を感じるとともに、ぜひもっと本作の延長作品を観てみたい。
60年代の日本がとてもきれいに映されていて、どこか現代に見る風景よりも〝洗練された美しさ〟を揃えます。
どの場面をとっても気持ちを沸かせてくれる、ジブリアニメにおいて貴重な名作です。
まとめ
ここまで読んで頂きありがとうございます。
以下に、私がおすすめする『スタジオジブリ作品』の傑作・名作ランキングを纏めておきます。
・1位 風の谷のナウシカ
・2位 もののけ姫
・3位 風立ちぬ
・4位 天空の城ラピュタ
・5位 火垂るの墓
・6位 魔女の宅急便
・7位 おもひでぽろぽろ
・8位 借りぐらしのアリエッティ
・9位 となりのトトロ
・10位 紅の豚
・11位 耳をすませば
・12位 ハウルの動く城
・13位 千と千尋の神隠し
・14位 ホーホケキョ となりの山田くん
・15位 猫の恩返し
・16位 ゲド戦記
・17位 崖の上のポニョ
・18位 かぐや姫の物語
・19位 海がきこえる
・20位 平成狸合戦ぽんぽこ
こんな感じになりました。
あなたのお気に入りの作品はランクインされていたでしょうか?
スタジオジブリ作品においてやはり1番に魅力を感じるのは「幻想的な世界と現実世界とのコラボする点」にあると思われ、その幻想がやや〝人の懐かしさ〟からきている点がさらに輪をかける形で作品世界を紡ぎ上げているように感じられます。
そうかと思いきや、1995年頃からこちらの作品においてはとくに自然に回帰するような作品が多く描かれ、とくにその代表的な1作となるのが『もののけ姫』のように(私的に)思えます。
人の心にある〝ジグソーパズル〟のような感動の組み合わせは、やはりジブリアニメの1つ1つを観ていく上での〝空いた穴を埋める仕掛け〟にあるような気がします。
ズバリ、ジブリアニメ・映画・作品の魅力をひと言でいえば、
人と命の〝謎〟を見つめさせながら、自然との対話をさせ、その自然の向こうに存在し始める〝幻想の世界〟へ招待すること
でしょうか。
人は生まれもって自分について説明できない、非常に頼りない存在(もの)だと思います。
たとえば生前・死後について説明できず、自分がなぜこの世に生まれてきたのかも説明できません。
そんな無頼の存在の人だからこそ、自然をはじめ現実の世界には謎が満ち溢あふれており、その〝謎〟の向こうに「いろいろな想像・創造・幻想」というものを抱かされてしまうのでしょう。
その辺りの人と〝謎〟、また自然が奏でる超常現象にも似た日常の光景が、このジブリ作品が生んだ根底の土台を奏でているような気がしてならないです。
このランキング記事をもって、少しでも皆さんの「ジブリ作品との出会い」をお伝えできれば幸いです。
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