スタジオジブリの私的おすすめ名作ランキング!20作品を厳選してみた

スタジオジブリの私的おすすめ名作ランキング!20作品を厳選してみた

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第10位 『紅の豚』

監督:宮崎駿
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2014年7月16日

【あらすじ】

男のロマンを追い続けるとっぽい豚・ポルコは、ジーナという恋人がいる傍ら、なかなか理想通りに人生を送れない悲愴な豚だった。

かつてイタリア空軍のエース的存在だったポルコは、ストーリー現在において、アドリア海の孤島に遁世しながら〝空賊退治〟に勤しんでいる。(※「空賊」とは「空の海賊」のような存在)。

ある日、ポルコを目の敵とする空賊は用心棒としてカーチスという、凄腕のパイロットを雇った。
カーチスはアメリカの同じく空軍パイロットであり、ポルコと飛行技術は全く互角であった。
そのカーチスとポルコはアドリア海にて決闘を展開することになる。

そのとき2人の私闘に乗じてイタリア空軍の大編隊が一網打尽にしようと目論むが、それはジーナによって回避され、2人はそのまま地上戦に降りて殴り合いの喧嘩にまでもつれ込んだ。

かろうじて勝利したポルコはまた、それまで通りの〝ロマンを追い求めるとっぽい豚〟になって空へ帰っていく。

【おすすめの名シーン・見せ場!】

何と言っても「ポルコのロマンを追い求める場面」全てがおすすめの見せ場になりますが、中でもイチ押しは、

・カーチスとの決闘場面
・決闘前のジーナとの電話のシーン

でしょうか。

これに加える形で、飛行機整備士・フィオとポルコとの語らいのシーン・抱擁し合うシーンなんかも見どころですが、やはり恋人級存在のジーナとポルコとの甘いシーンは外せません。

【魅力】

〝ロマンを追い求める〟という、現代ではあまり見られなくなった時代錯誤感が漂うテーマがすでに、本作の作中世界を超える形で〝大きな魅力〟になっているでしょうか。

またその〝ロマンを求めるのがポルコという豚〟という、何とも矛盾を感じてしまう設定も実に乙なもの。

加えてさらに「さすがはジブリアニメ!」となるのが「カーチスとポルコの空中戦のシーン」で、とても細かい演出までが見事にこなされており、そのスピーディな展開にはやはり得も言われぬ爽快感を味わわされます。

【ネタバレ】紅の豚の名シーンをもっと詳しく知る

第9位 『となりのトトロ』

監督:宮崎駿
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2014年7月16日

【あらすじ】

草壁家はある田舎に引っ越してきた。
引っ越し先はとても長閑な風景のよい村だが、草壁家が越してきた家屋には〝昔からいる不思議な生き物〟が住み着いていた。

ある日、サツキ(10歳)とメイ(4歳)が物置きの掃除をしていたところ、丸く黒い生き物がカサカサカサと影に動いていった。
それを見てからサツキとメイに、「不思議な存在」への興味が益々募り始める。

またある日、メイはトウモロコシ畑にある抜け道をくぐり、その行き着いた先でトトロという森の主と出会う。
この出会いをきっかけにして、サツキとメイに再び〝不思議で楽しい冒険〟が幾つも幾つも訪れるのだった。

サツキとメイの母親は(ストーリー冒頭から)胸の病で入院していた。
その容態はある日に悪化して、予定していた退院が延びてしまう。

そのことに悲しんだメイは、トウモロコシを両手一杯に持ち、1人で母親が入院する病院まで見舞いに行こうとするが途中で迷子になり、サツキをはじめ村人が総出でメイを捜し始める。

幾ら捜しても見つからないそのときに、サツキはトトロを思い出し、メイの捜索をトトロに頼むのだった。

【おすすめの名シーン・見せ場!】

「子どものときにだけ見える・訪れる不思議な世界」のコンセプトで描かれる本作は、その全ての場面に見せ場があります。
中でも〝4歳になったばかりのメイ〟と10歳のサツキとの間にある表情描写の微妙な違いは、この「見せ場」を根底からコントロールする大きな支えになっているでしょう。

・メイがトトロを初めて見つけたとき!
・その「トトロを見つけたこと」をメイが報告しても、サツキと父親は半信半疑
・サツキとメイが最寄りのバス停まで、父親を迎えに行ったとき(トトロが隣に…)
・メイとサツキ、大中小のトトロ、猫バスとともに大空を飛ぶ!
・メイが迷子になったとき
・トトロと一緒に、入院先の母親の見舞いに行くとき
・カンタとサツキの淡い初恋を思わすシーン

この7つの場面がおすすめになるでしょうか。

【魅力】

やはり「子どもの世界観」をこれほど伸び伸びと描いている作品は、ジブリ映画の中でも少ないと言えます。

その〝子ども感覚〟が非常に大きく・鋭く研ぎ澄まされて、さらに「森の主」という不思議な幻想と出会うことをテーマに掲げる本作の魅力は、おそらく誰もが子どもの頃に1度は夢見た〝不思議へのロマンス〟をとてもリアルに伝えてくるでしょう。

ただどうしても「子ども感」が抜けないしつこさもあるため、見る人によっては少し「退屈な1作」に映るかも知れません。

【ネタバレ】となりのトトロの名シーンをもっと詳しく知る

第8位 『借りぐらしのアリエッティ』

監督:米林宏昌
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2011年6月17日

【あらすじ】

14歳になったばかりの小人・アリエッティは、ある晩のこと、その父親・ポッドとともに人間の世界に物を物色しに出かけていく。

この「物色」は〝人間から自分たちの生活に必要な物を借りにいく〟ための大切な習慣であり、小人族は皆、従来このやり方によって生計を立ててきた。

しかし小人であるため、人間の世界ではいろいろな苦難が待ち受ける。

ある郊外に建てられた屋敷に、心臓病を患った翔(12歳)という人間がやってきた。
その屋敷には家主の牧貞子と家政婦・ハルがともに住んでおり、アリエッティ一家はその屋敷の床下に間借りして暮らしていた。

ある日、アリエッティは屋敷の庭で翔に見つかる。
小人族は「人間に見つかればすぐに引っ越さなければならない」という掟を持っていたが、次の移住先が決まるまでは立ち退けず、アリエッティ一家はしばらくその屋敷で過ごさねばならなかった。

けれど翔は優しい心の持ち主で、アリエッティ一家を守ろうと懸命になる。
ハルはこの翔とは逆に、アリエッティ一家を退治しようと奮闘していく。

さて、アリエッティ一家の運命やいかに…。

【おすすめの名シーン・見せ場!】

アリエッティが庭先で翔に見つかってしまう場面は、おそらく誰が観ても面白いものでしょう。
それまでのシーンで「小人族は人間に見つかってはならない…」と厳粛に語られた上でのこのシーンですから、単純に見つかっているアリエッティのドジっ子ぶりが異様に滑稽です。

そしてハルに捕まってしまうアリエッティの母親・ホミリーの悲劇のシーン。
悲劇といってもシリアスなものではなく、どこかディズニータッチで描かれる面白いもの。

そのハルのいたずらっ子のような言動と、懸命になってアリエッティ一家を守ろうとする翔の躍動とが上手くコラボして、〝おすすめの見せ場〟をさらに作るでしょうか。

またアリエッティと翔の庭先での語らいの場面や、同じ小人族の1人・スピラーとの出会いの場面も、仄々としながらどこかもの悲しい、感動的な場面を運んでくれます。

【魅力】

小人の世界観が人間の世界に巧く浸透しているところが、まず本作の大きな魅力となっています。

アリエッティと翔の語らいの場面から、翔のこれからの運命を想像させる展開が何とも秀逸で、「これからも翔とアリエッティ一家とが仲良く暮らしていければよいのに…」などと思わせる濃厚な魅力を掻き立てます。

やはり〝小人と人間との共存〟から生まれるファンタスティックな幻想の展開が、本作の1番大きな魅力でしょう。

【ネタバレ】借りぐらしのアリエッティの名シーンをもっと詳しく知る

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第7位 『おもひでぽろぽろ』

監督:高畑勲
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2015年3月18日

【あらすじ】

ストーリーでは、タエ子の小学校5年生の思い出と現在とが交錯する形を取っている。

主人公のOL・岡島タエ子は田舎暮らしにあこがれており、昔から東京にずっと住んできた自分にも「帰れる田舎」がほしいとずっと願ってきた。

そんなとき、姉・ナナ子の紹介により山形県にあるベニバナ農家の一軒に滞在する機会が訪れる。

そこにはトシオ(25歳)という有機農業を目指す熱い男がおり、タエ子とトシオは出会った後から次第に互いの考え方や理想に惹かれ合うようになっていく。

その山形までの紀行、また滞在時において、タエ子は〝小学校5年生の自分〟を一緒に連れてきていた。

俄かに持ち上がる小学校5年生の記憶を連れながらもタエ子は、農業を営んで生活することや、自分の将来について深く考え始めるようになる。

【おすすめの名シーン・見せ場!】

小学校5年生のタエ子が、かつてどんな暮らしをしていたかというのが、本作の大きな魅力となり土台になっています。

その小学校5年生のタエ子像を通して本作を観るうちに、大人になったタエ子の経験や関わっていく人間模様がリアルな心情を伝え、果ては現在の(大人の)タエ子が今どんな心境にあるかを非常にわかりやすく描いています。

ベニバナ農家を営む田舎のシーンがとてもきれいですので、そこで仄々と人間関係が交差する経過をまずおすすめしたいです。

とくにトシオとタエ子がドライブ中に互いの経験や理想を語り合うシーンでは、「今後の2人の行く末」がはっきりと見えてくる、とても心揺さぶられる貴重なカットに思われるでしょうか。

【魅力】

本作の設定・構成そのものがとても共感できるもので、誰でも1度はこんな経験をするんじゃないかと思わせる、ユニークな発想により成り立っています。

小学生時分の人間像はたいてい誰にとっても〝その後の性格基盤を作る重要な時期〟とも言われており、それまでに経験してきた内容がその人の人間像をあらかた決めてしまうことがあるようです。

その貴重な成長過程にある自分を引き連れての〝現在描写〟は、視聴者の誰もに共感を覚えさせ、さらに作品世界に「自分の分身」さえ見て取らせてしまえる稀な作品と言ってよいでしょう。

私的に高畑監督作品の中では〝最高傑作〟だと思います。

【ネタバレ】おもひでぽろぽろの名シーンをもっと詳しく知る

第6位 『魔女の宅急便』

監督:宮崎駿
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2014年7月16日

【あらすじ】

主人公・キキは魔女と人間との間に生まれたハーフの魔女。
13歳になった魔女は里から離れて「人間の世界」で住まなければならないという掟の下、キキは13歳になったばかりのある満月の夜、魔女の里から人間の町へと修行に出かける。

「海が見える町に住みたい」と前もって決めていたキキは相棒の黒猫・ジジを連れて箒に乗り、海が見える町・コリコへと住み着いた。

そこでグーチョキパン屋というパン屋に住み込みで働かせてもらい、そのときに考え出したのが「魔女の宅急便」。

また町へ着いて早々に出会ったトンボという少年と親しくなる。

しかし仕事をしている最中、キキは魔女としての力・魔力を失う。
そうして困り果てていたとき、キキはウルスラという少女に出会い、段々と活気を取り戻していく。

何とか気力をもってまた宅急便の仕事に復帰しようとするとき、トンボが事故に巻き込まれてしまい…。

【おすすめの名シーン・見せ場!】

やはり何と言っても「箒にまたがって空を悠々と飛んでいくシーン」全てがおすすめの見せ場になるでしょう。

その大前提をもって見せ場を言いますと、

・トンボと出会うシーン
・グーチョキパン屋で働く延長で、「魔女の宅急便」がオープンするシーン
・キキが魔力を失うシーン
・ジジの恋愛シーン
・キキとトンボがプロペラつきの自転車で坂を駆け下りていくシーン

の5場面がぜひ観てほしいおすすめになるでしょうか。
さらにこのうちでは〝キキが魔力を失ってしまうシーン〟がイチ押しです。

【魅力】

先述しましたが、やはり「人の永遠の夢―空を自由に飛べる」という壮大な空間を描いた本作の構成は、そのどれをとっても大きな魅力に映ります。

また「魔女が宅急便の仕事をする」という変わったコンセプトも面白く、ジブリ映画になる前の原作『魔女の宅急便』(角野栄子)で描かれた奇想天外の発想には底抜けの魅力を感じてしまいます。

【ネタバレ】魔女の宅急便の名シーンをもっと詳しく知る

第5位 『火垂るの墓』

監督:高畑勲
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2015年3月18日

【あらすじ】

ストーリーは、清太が駅構内で衰弱死する瀬戸際の回想シーンから始まる。

14歳の清太と4歳の節子は、第2次世界大戦のさなか両親と生き別れ、悲愴な生活を送ることとなる。

はじめ居候先である親戚の家に身を置くが、そこできわめて冷遇に遭い、清太と節子は2人だけで家を飛び出し、溜池のほとりにあった防空壕の中で生活し始める。

始めは楽しく過ごせていた防空壕生活も段々苦しくなっていき、果ては食料が何もない困窮に陥る。
それが元で節子は極度の栄養失調になり、亡くなってしまう。

その節子が亡くなるまでの悲愴かつ凄惨な生活を描き、清太が節子を懸命に労わる姿や、節子のためならどんなことでもするという、戦時下での人間模様をリアルに描いている。

【おすすめの名シーン・見せ場!】

本作の〝リアル感の威力〟を最も伝えるであろう場面を3つ、お伝えします。

・清太と節子が親戚宅で居候生活をしているシーン全般
・清太と節子が防空壕生活を始めるとき
・節子が亡くなる間際

この3つ。
どのシーンにしても戦争というものがいかに悲惨で、かつ人間のエゴや悲しみというものがこれほどリアルに浮き出るものかと、思わず目を覆ってしまいたくなるシーンの連続です。

とくに節子が亡くなる場面では、節子にまるで「母性像」さえ観てしまえるほどの女性特有の優しさや包容力というものが、凄まじいほどに浮き出ています。
ぜひこのシーンはじっくりと鑑賞下さい。

【魅力】

やはり本作の魅力と言えば「戦争と人間との関係を描くリアルな現実」になるでしょうか。

その土台をしっかり立てた上での各キャラクターの言動のあり方、人の生死を問わない非常に冷酷な戦時下での生活というものが、否応なく視聴者を襲う「怖いほどの感動」をしたためます。

私としては「節子の表情・言動に浮き出てくる母性」に注目してほしいです。
節子のまだ4歳にして兄の清太を気遣い、大目に見ている愛情というものが、本作が持つ「感動の威力」をさらに研ぎ澄ませているように思えます。

【ネタバレ】火垂るの墓の名シーンをもっと詳しく知る

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第4位 『天空の城ラピュタ』

監督:宮崎駿
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2014年7月16日

【あらすじ】

主人公・パズーは鉱山のふもとの炭鉱の町に住んでおり、明るく、正義感あふれる少年だった。

ある日、パズーに不思議な出来ごとが起こる。

それは、

空から女の子が降ってくる

という現象(もの)。

彼女は名をシータといい、パズーはそのシータとともにそれから巻き起こるさまざまな冒険に挑んでいく。

シータを常に守っていたのは「飛行石」というペンダントに入った石であり、それは天空の城ラピュタの謎を紐解く重要なカギを握るものだった。

その飛行石を追い、ラピュタの謎を解こうとしていた特殊機関の大佐・ムスカは、シータとその飛行石を利用しながらラピュタ帝国を支配しようと目論んでいく。

【おすすめの名シーン・見せ場!】

シータが町に降りて来たとき、盗賊・ドーラ一家という面白いキャラクターも同時に登場しており、そのドーラ一家とパズー、シータとのやり取りが実っていく様子が見ものです!

とりあえず、

・シータが空から降ってくるシーン
・あの巨神兵を彷彿させる、ラピュタを守る兵器ロボットの出現
・パズーとシータがドーラ一家に匿われながら、ムスカ軍と攻防するシーン
・ラピュタが初めて登場するシーン
・ラピュタが崩壊していくリアルな場面

この5場面がおすすめでしょうか。

【魅力】

「天空の城ラピュタ」というタイトルがすでに謳っている〝幻想的な空間〟がもう大きな魅力になっているでしょう。

その壮大な幻想空間に埋没しながらさまざまなキャラクターたちが躍動し、暗躍し、画策し、協力し、試行錯誤を繰り返し、それぞれの目的を追いながら生きていく過程が極力作品を盛り上がらせます。

そして本作をよくよく観ると気づくのですが、ストーリーに組み込まれた遥かに深い構成力が圧巻で、ジブリ映画の中でもここまで幻想と現実がコラボしてくる作品はなかなか無いのではないでしょうか。

ぜひいろいろな角度からストーリーを観ながら、心行くまで堪能してみて下さい!

【ネタバレ】天空の城ラピュタの名シーンをもっと詳しく知る

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