千と千尋の神隠し あらすじ&感想を語り尽くす!8つの名シーンを一挙公開!※ネタバレ解説

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『千と千尋の神隠し』~「Spirited Away」は歴代興行収入を見てもNO1の作品であり、2001年当時に放映されたそのときの反響は現在をもっても消えることなく、さまざまな分野でその存在感を気取らせています。

今回は本作『千と千尋の神隠し』に見られた魅力的な構成やあらすじと、独断を交えた感想、そしておすすめの見せ場(名シーン)を一挙公開したいと思います。

どうぞ最後までゆっくりおつき合いください。

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『千と千尋の神隠し』詳細

監督:宮崎駿
販売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
発売日:2002年7月19日

概要

制作のきっかけは、宮崎駿の個人的な友人である10歳の少女を喜ばせたいというものだった。
この少女は日本テレビの映画プロデューサー、奥田誠治の娘であり、主人公千尋のモデルになった。

企画当時宮崎は、信州に持っている山小屋にジブリ関係者たちの娘を集め、年に一度合宿を開いていた。
宮崎はまだ10歳前後の年齢の女子に向けた映画を作ったことがなく、そのため彼女たちに映画を送り届けたいと思うようになった。

興行収入は300億円を超え、日本歴代興行収入第1位を達成した。
この記録は2017年現在も塗り替えられていない。

主な登場人物・声優

荻野千尋(おぎのちひろ)/千(せん)/声:柊瑠美
主人公。荻野家の一人娘。
すぐ卑屈になって我侭を言ったり両親に頼ろうとする典型的な都会育ちの一人っ子、現代っ子気質。
10歳の少女。髪は焦げ茶色のポニーテール。
私服はクリーム色と黄緑色のTシャツに半ズボンを穿いている。

ハク/声:入野自由
油屋で働いている謎の少年。
外見年齢は12歳。
魔法使いの見習いで、湯婆婆の弟子であり、また番頭として湯屋の帳場を預かってもいる。
作中で初めて千尋と会ったときから彼女の力になる。

―千尋の家族―

荻野明夫(おぎのあきお)/声:内藤剛志
千尋の父親。建築会社に勤めるサラリーマン。
愛車はアウディ・A4クアトロ。
体育会系で、引っ越しのときには道をよく確認しないままどんどん進んでしまい、いつの間にか不思議の町に迷い込んで面白がって進み続ける。

荻野悠子(おぎのゆうこ)/声:沢口靖子
千尋の母親。
不思議の町に迷い込んだ際、夫につられて勝手に食事に手をつけてしまい、夫と一緒に豚の姿に変えられてしまう。

―湯婆婆とその関係者―

湯婆婆(ゆばーば)/声:夏木マリ
湯屋「油屋」の経営者で正体不明の老魔女。
二頭身という人間離れした体格で顔も大きい。
強欲で口うるさく、老獪な人物として描かれている。
その一方で息子の坊を溺愛しており、ハクに指摘されて坊が行方不明になったことに気付き、激しく取り乱していた。

坊(ぼう)/ネズミ/声:神木隆之介
湯婆婆の息子。
赤い腹掛けをした巨大な赤ちゃんで、銭婆に「太りすぎ」と評される肥満体型。
怪力の上、性格は甘やかされて育てられている為かなり我儘。
癇癪を起こすと暴れ泣き喚き、部屋を破壊する。

頭(かしら)
湯婆婆に仕える、緑色の頭だけの怪物。
中年のおじさんのような容貌で、跳ねたり転がりながら移動する。

湯バード(ゆバード)/ハエドリ
首から上は湯婆婆と同じ顔(ただし、顔色は黒い)、体はカラスという不気味な姿の鳥。
常に湯婆婆につき従っている。
言葉は話せず、カラスのような鳴き声を発する。

銭婆(ぜにーば)/声:夏木マリ
湯婆婆の双子の姉で坊の伯母。
声や容姿、服装、髪型も含め湯婆婆と瓜二つで、甥の坊が湯婆婆と間違えてしまう程(当の銭婆からは、「自分の母親の顔の区別も付かないのか?」と呆れ気味に返されている)。

―油屋の従業員―

釜爺(かまじい)/声:菅原文太
油屋のボイラー室を取り仕切っている老人。
蜘蛛のような姿で、伸縮可能な6本の腕・手を自在に操り、油屋で使われる湯を沸かし、薬湯の生薬を調合する仕事をしている。

リン/声:玉井夕海
油屋で働いている娘。
外見年齢は14歳。
口調は荒っぽいが性格はサッパリとしており、人間である千尋を初めて見た時は驚いて当惑していたが、彼女の雇用が決まると湯屋の先輩として千尋に色々と仕事を教えて面倒を見る。

父役(ちちやく)/声:上條恒彦
兄役(あにやく)/声:小野武彦
番台蛙(ばんだいかえる)/声:大泉洋

それぞれ油屋の従業員たちと湯婆婆との間の中間管理職的役割を担っており、父役はハク以外の従業員の中で最も地位が高く、兄役はその下という位置づけ。

青蛙(あおがえる)/声:我修院達也
湯屋で下働きをしている蛙。
金に目がない。
最初にカオナシに飲み込まれる。

ススワタリ
イガ栗のような形をした黒い実体。
魔法の力で煤から生まれたらしく、常に働いていないと消えてしまうが、煤に戻ってもいつのまにか煤から生まれてくるらしい。

―その他―

カオナシ/声:中村彰男
黒い影のような物体にお面をつけたような存在。
「ア」または「エ」といったか細い声を搾り出すだけで言葉は話せず表情も無い。
お面のような顔の下に口腔があり、それを使い、他人を呑み込んでその声を借りて話す以外にコミュニケーションが取れない(但し、相槌を打つ行為は行える)。

―神々―

おしらさま/声:安田顕
大根の神様。
千尋と会っても別段物怖じも驚きもせず、リンに代わって千尋が湯婆婆のところへ行くのに付き添う。

春日様
春日大社の神の面を顔につけた神様。
硫黄の上の湯に入っている。

牛鬼
鹿のような角を生やした鬼。

オオトリ様
卵のまま生まれてこられなかったひよこの神様。
大所帯で風呂に入る。

おなま様
木の葉の服を着て包丁を持っている。

オクサレ様(おくされさま)/河の神(かわのかみ)/声:はやし・こば
作中の中盤に登場する神様。
ヘドロを固めたような姿で、凄まじい悪臭を放つ。
その悪臭はリンが調達してきたメシを一瞬で腐らせるほど。

【舞台】

湯婆婆が経営する、八百万の神が体を休める「油屋」(あぶらや)という屋号の湯屋が舞台。
油屋は一見和風建築であるが、土台部分はコンクリートであったり、ボイラーやエレベーターといった近代的な設備が備わっている。
油屋正面とその上階が営業スペースとなっている。
中に大きな吹き抜けがあり、下には様々な種類の風呂が配置され、その上を取り囲むように宴会場や客室が配置されている。

千尋たちは最初に、時計台のような建物に迷い込む。
そこから先は、廃墟が点々とするなだらかな草原がしばらく続く。
食堂街の周りには、両親の収容されている畜舎や冷凍室、花園などが配置されている(花園では季節の異なる花々が同時に咲き乱れている。

単線の一方通行で、専ら行きっぱなしである(釜爺によれば、昔は帰りの電車も通っていたという)。
途中には千尋が降りる「沼の底」駅があり、ほかに乗客の降りる沼原駅なども出てくる。

【美術】

美術監督は武重洋二、美術監督補佐は吉田昇。
美術班も作画部門と同様新人スタッフが多かったため、武重はほぼすべてのカットの美術ボードを描いた。

『となりのトトロ』の作画監督であるベテランの男鹿和雄は、主に不思議の町に入り込む前の世界、冒頭とラストシーンの自然環境の背景を一任され、該当場面のモデルとなった四方津駅周辺を独自に取材した。

宮崎からは「どこか懐かしい風景」「目黒雅叙園のような擬洋風、古伊万里の大きな壺」などの指示があった。
色については「とにかく派手に」「下品なほどの赤」という指定があり、随所にちりばめられた赤色と湯屋内部の金色がキーカラーになっている。

釜爺の仕事場にあった薬草箱は江戸東京たてもの園の武居三省堂(文具屋)内部の引出しがモデルになっている。

従業員の部屋は、1950年代の劣悪な労働環境だった近江紡糸工場の女工たちの部屋や、多磨全生園隣接の国立ハンセン病資料館内に再現された雑居部屋がモデルとなっている。

湯婆婆の部屋は、和洋の混じった鹿鳴館や目黒雅叙園がモデルである。

【音楽】

音楽は久石譲が担当した。
久石は『風の谷のナウシカ』からすべての宮崎長編作品を作曲しており、『千と千尋の神隠し』で7作目。
公開に先駆け2001年4月にイメージアルバムが発売され、5曲のボーカル曲のすべてで宮崎が作詞した。

作曲:久石譲
レーベル:STUDIO GHIBLI RECORDS
発売日:2014年6月27日

【評価】

2002年2月27日、第52回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門、最優秀作品賞である金熊賞受賞。
世界三大映画祭で長編アニメーションが最高賞を獲得するのは史上初。
2003年3月23日、第75回アカデミー賞長編アニメーション部門受賞。

ロサンゼルス・タイムズのケネス・タランは吹き替えを評価しており、「荒々しく大胆不敵な想像力の産物であり、こうした創作物はいままでに見たどのような作品にも似ない」としている。

2009年2月、オリコンがインターネット調査した「日本アカデミー賞 歴代最優秀作品の中で、もう一度観たいと思う作品」で1位に。
2017年4月、映画批評サイト「TSPDT」が発表した「21世紀に公開された映画ベスト1000」にて、第8位。
2017年6月、英エンパイア誌が読者投票による「史上最高の映画100本」を発表し、80位にランクイン。

引用元:wikipedia

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【簡単】3分でわかる『千と千尋の神隠し』のあらすじ

千尋が10歳になった頃、引っ越すために両親に連れられて人里離れた田舎に越してきた。

そこには誰もいない街と、先の見えない長いトンネルだけがあった。

そのトンネルの前から無人の街中へ両親共々歩いていくと、千尋はあり得ない異変と遭遇してしまう。

なんと、父親と母親が豚に変えられたのだ。

その無人の街を伴う世界は八百万の神々が住んでおり、本来は人間が住める土地ではなかった。

両親はその無人の街に入った頃から別人のようになり、茶屋や土産物屋にあった飲食物を無断で飲み食いし始め、その罰として両親は豚に変えられていた。

千尋は豚に変えられた両親を元の人間に戻すべく何とか試行錯誤しながらも、さらに恐ろしい魔女・湯婆婆が支配する不思議の世界へと迷い込む。

そこでハクという男の子に出会い、その世界の特別なルールを教えられる。

「この世界では、仕事を持たない者は動物に変えられてしまう」
というもの。
これに従って千尋も、何とか自分の仕事を見つけることになった。

はじめ、窯じいの所で釜焚きの仕事をさせてもらおうとするが、人員が間に合ってるとのことで断られ、結局ハクに連れられる形で湯婆婆の元へ行き、そこで湯屋の中居として働くことになる。

その際、「千尋」という名を湯婆婆に奪われ、新たに「千(せん)」という
をもらい受けた。

「この世界から元の人間の世界へ戻るためには、自分の名前を忘れてはならない」

このことも追加で千尋はハクから教えられる。

それから千尋はその湯屋で働くことになるのだが、千尋は人間であり、周りの妖怪や神々からは〝立場の違い(立場が低い)から〟という理由でいじめられてしまう。

しかし千尋は実直に働いた。
その甲斐もあって客の1人から砂金をもらうなどのハプニングもあり、アオガエルをはじめ他の従業員からも一目置かれる存在になっていく。

湯婆婆には「坊」という子どもがおり、極度の過保護のもとで育てていた。
つまり湯婆婆にとって坊はなくてはならない存在。

また湯婆婆には銭婆(ぜにーば)という双子の姉がおり、さしもの湯婆婆もこの銭婆だけには唯一頭が上がらない。

あるときその銭婆のところから、湯婆婆はハクを使って「魔女の契約印」を盗み出すという計画を立てる。
これがバレてしまい、銭婆は魔法により坊はネズミに変え、ハクもその魔法によってかなりの痛手を負ってしまった。

ハクを助けたい一心で千尋は銭婆の所へ謝りに行く決意をし、湯屋から出て銭婆の家まで行った。
銭婆はかなり温厚な性格であったため、契約印を盗んだことは許された。

銭婆の家から湯屋までの帰り道、千尋はハクの正体が「昔、自分が溺れた川そのもの」であることに気づく。

そのときハクは竜のようになって現れ、溺れかけた千尋を岸に上げて助けたのだ。
このときハクは、それまで忘れていた自分の名前を思い出せた。

湯屋に戻ったハクは湯婆婆に、千尋を人間の世界へ返し、その両親を元の人間の姿に変えるよう迫った。

坊のこともあり、湯婆婆は1つの条件をもとに、その願いを聞き入れた。

豚にさせられた両親がいる豚小屋に連れて行かれ、そこで千尋は湯婆婆に

「この豚の中から自分の両親を言い当てたら願いを聞いてやる」

と言われる。

すると千尋は「この群れの中に両親はいません」と正解を言った。

それにより千尋の両親は元の人間の姿へ戻され、千尋も人間の世界へ戻された。

ハクも千尋を途中まで見送りながら「自分も湯屋から休暇をもらう形で、元の世界―人間の世界―へ戻る」と約束する。

元の人間の世界へ帰った千尋は、はじめに来たトンネルの前に立っており、そこに両親も人間の姿に戻って立っていた。
けれどそのトンネルの姿をよく見ると、始めに見たものとは微妙に形を変形させていた。


〈参考資料〉

【1】『千と千尋の神隠し』

監督:宮崎駿
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2014年7月16日

【2】『千と千尋の神隠し(徳間アニメ絵本)』

著者:宮崎駿
出版社:徳間書店
発売日:2001年9月1日

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『千と千尋の神隠し』の7つの魅力!

【その1】不思議な世界へのいざない

日常の世界から「不思議な世界(神々の世界)」へといざなわれていく展開がかなり面白いです。
引っ越しというごく日常的な物ごとから、長いトンネルを前にした千尋とその両親は、知らず知らずのうちに、見たことも感じたこともない、さらには訪れたことはもちろんない、神々が住む不思議な世界に舞い込みます。

そこではその世界だけの特別なルールのようなものがあり、そのルールに従わなければ、人にとって辛い境遇にさせられてしまう…。

とくに昔話や神話のエピソードに出てきそうなお話で、それをごく和風テイストに仕上げた本作の世界観は、やはりジブリ映画ならではのち密な構成にやられる形で、かなり魅力的な仕上がりになっています。

ぜひこの「日常から不思議のベールをくぐっていく瞬間」を体感して下さい。

【その2】不思議の世界と日常とが紙一重!

先述の延長のようになりますが、千尋たちはごく日常の世界から知らないうちに「神秘的な世界」へ舞い込みます。
その移り変わりは〝知らないうち〟なので、ごく日常レベルの話のようにも捉えられ、まるでそれまで過ごしてきた「日常体験」からそのまま不思議の世界への埋没と相成ります。

この辺りに、日常と神秘との密接な関わり合いが芽生えてきて、その「神秘的な世界」が常に身近にあるような、さらに不思議な感覚に襲われてきます。

もしかすると明日、このような世界へ舞い込んでしまうかも知れないという奇妙な前兆が、本作の雰囲気(ムード)を覗いているとごく身近に感じられるのです。

【その3】ち密に練られた特別の世界のルール

迷い込んだ不思議な世界では、まさにいろいろな「特別なルール」に支配されており、そのルールのあり方が絶対を決め込む〝非常にお堅い顔〟を見せつけていて、「不思議な世界・神秘の世界」と言えど、その世界の土台をしっかり構築している丈夫な設定を垣間見せられます。

ジブリ映画ではとくにこうした、「特殊な世界でのルール構築」が盛んに行なわれており、その新しい世界観を実に〝現実のもの〟と見間違うほどの、よほど練りに練った構成を沢山施してきました。

本作でもその辺りの感動のきっかけは健在で、つまりそのような気丈な土台が植えつけられてあることにより〝あまり飛躍した感じ〟が出ず、その陰でリアル感がさらに膨張させられる形で演出されるわけです。

この丈夫な土台にそびえ立った充実したリアル感を、ぜひご覧になりながら堪能してみて下さい。

【その4】「働く」ということへの概念

本作のメインは、この「働く」ということでしょう。

千尋は神々が住む世界に舞い込んだ当初から、ハクに「ここでは何らの仕事を持たなければならない」と諭され、「働くこと」の意義を深く感じさせられ、また考えさせられます。

これは作中世界だけでなく、アニメ枠を超えた(私たちが住む)現実の世界でも考えさせられることですね。

この辺りの設定でも〝飛躍した感じ〟がほとんど出ず、むしろアニメをアニメとして観ないで飽くまで「現実の世界観」をもって充実させられてしまえるほどの、何か特別な感動を植えつけられてしまいます。

この飛躍感のほとんどない現実的な世界観でありながら、さらに「働くこと」をどのように捉えるかという〝私たちの世界〟にも通用する考え方・問題が、本作のストーリーをさらに「意味あるもの」へ膨らませていく貴重なきっかけを生んでくれるでしょう。

【その5】奇々怪々の冒険譚

純和風的な世界において、実にさまざまなキャラクターが登場する本作では、「奇々怪々」を通り越す形の何か特別な〝スリル〟のようなものを堪能させてくれます。

窯焚きの窯じいもそうですが、一見普通に見えるキャラクターでもどこか〝ぎょっ〟とさせられる特異があり、その特異感をもって世界を仕上げる1つずつのキャラクターの絡み合いには、もうそれだけで〝不思議〟を演出できてしまう奇妙な威力のようなものができてしまいます。

【その6】キャラクターに含められたメッセージ感

本作のキャラクターは、それぞれが独特のメッセージを持っているようです。

そのメッセージとは、この人間の世界で見られる「人の欲望」に置き換えられるようでもあり、そのメッセージが散乱しているようで1つにまとまっていく「不思議な一体感」をさえ表しているようです。

たとえば「突然、豚に変身させられる両親」には、一皮むけば人というものは、際限なく自分の欲しいものを食べつくしていく貪欲な生き物であり、また湯婆婆も自分の保身はきっちり守るも、他人に対しては独裁の限りを尽くす独占欲を表しており、さらにカオナシには、当時から〝個性が乏しくなってしまった日本人〟とマイナス的な世情が流行したことによる〝人間の透明感〟のようなものが浮き彫りになっています。

もちろん「どのキャラクターにどんなメッセージが込められているか?」を探すのは観る人の自由にありますが、たいていどのキャラクターを見るにせよ、視聴者からの印象は1本の線にまとめ上げれられていくような、そんな不思議な感覚さえ味わえます。

【その7】極端に表現された痛快さ!

本作に登場するキャラクターは、どこか皆「ある1方向に極端に表現されたやり過ぎ感」のようなものがうかがえます。

湯婆婆の子ども「坊」は極端にデカすぎるし、カオナシも何にもしゃべれないながら、その奇妙さから極端に存在感がデカすぎるし、湯屋の周りの風景は極端に明る過ぎるし(まるで原色だけで彩られたような世界)、湯婆婆の部屋に登場する「まんま」という顔だけの怪物も極端にデカい顔と目だけのデザインです。

他にもいろいろとこの〝極端さ加減〟が満載なのですが、ここまで極端にされたらかえって痛快な独特感が生まれてきて、その感覚をもって映画を最後まで観ようという印象操作的な感覚さえ受けてしまいます。

そしてこの〝印象操作的な表現・脚色〟が、実に本作の世界観にマッチしているのです。

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【必見】『千と千尋の神隠し』8つの名シーン

【その1】長いトンネルの前で佇む両親と千尋

引っ越しで田舎の街に来たときの、何か不思議を思わすトンネルの前で佇む千尋と両親の姿。
これは冒頭シーンになりますが、「これから不思議なことが起こるぞー」的な、とても魅力的な演出が醸されています。

本作のキャラクターは皆そうですが、色使いをはじめ、『パプリカ』(原作:筒井康隆、監督:今敏、2006年)を思わすような原色による強いインパクトをもって表現されており、そのあり方がさらに不思議な世界へいざなう強烈な兆しのようなものを見せつけます。

このトンネルがまずそのツールで、これから千尋を待ち受ける「奇々怪々な世界」の存在をさらにアピールしてくる、とても興味深い出で立ちになっています。

【その2】ハクとの出会い

千尋は「神々が住む世界」に迷い込んだとき、その最初にハクという巫女のような恰好をした少年に出会います。
いかにも的な存在感を醸し出し、右往左往する千尋をきちんと〝安全の方向〟へいざなう案内役を買って出てくれ、千尋にとってはそれこそなくてはならない、とても貴重な存在になっています。

ストーリーの最後まで、このハクは千尋を守ろうと必死になってくれ、結局千尋が人間の世界へ戻るまでの世話役とも言える〝有難くも親しい存在〟を一貫して演じてくれます。

それにこのハクの正体が、「昔、千尋が溺れた川そのもの」だったことへの衝撃もやはり大きく、それに気づいたときの千尋とハクの様子は、本作のクライマックス的な極めて重要なシーンにさえ映ってきます。

ぜひ本作をご覧になるときは、このハクと〝一緒に冒険している〟ような気分で観て下さい。
きっとさらに面白く・興味深く、本作に散りばめられた感動の数々を垣間見ることでしょう。

【その3】窯じいの窯焚き場

千尋ははじめ、この窯じいの所で働かせてもらおうとしますが、窯じいからは簡単に断れます。

「人手が足りているから」という簡単な理由で断られるのですが、このシーンの映りがいかにも〝現実的な世界観〟を映し出しているようで、何か地道な魅力を感じさせられてしまうものです。

けっこう千尋とのやり取りも面白く、またそこで働いているサブキャラの様子もどこかおっちょこちょいでユーモアがあり、ストーリーの中でもほんわりさせられる〝癒し系のシーン〟に映るでしょうか。

【その4】デカ過ぎる坊!

湯婆婆の部屋に忍び込んだ千尋が遭遇する、湯婆婆の隠し子ならぬ子どもなのです。

赤ちゃんという割には、デカ過ぎます。

その巨体をドンドンドンドン揺らして歩く姿は、まさに怪獣そのもの!
その巨体ながらに心や中身の方は赤ちゃんそのもので、しゃべりも赤ちゃん口調の奇妙な演出を味わわせてきます。

決して「可愛い」とは言えないこの坊の奇妙さを、ぜひご照覧下さい!

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【その5】竜に変わるハク

ちょうど湯婆婆に依頼されて銭婆の所から契約印を盗みに行った帰りのシーンですが、ハクは〝折り紙〟のような鉄砲玉に散々撃たれて、その体をボロボロにして帰ってきます。

そのシーンの躍動感が半端なく見ものです。

次々に襲い掛かってくる〝魔法により飛び交う折り紙〟ですが、地面に落ちれば落ちたできちんと起き上がる様子をゆっくり描き、また体を起こして飛び立っていくという、細かい演出も同時に見られます。

おそらく本作のストーリーの中で最も躍動感あふれるシーンになりますので、ぜひこのシーンをじっくり楽しんでみて下さい。

【その6】銭婆との語らい

契約印を盗んだことで怒られ、ハクが傷ついたことで千尋が謝りに行き、その銭婆の家で団らんするシーンです。

このシーンはそれまでの原色がかった賑やかなシーンとは全く異なり、とても静かな、青白くも落ち着いた魅力的なシーンに映るでしょうか。

銭婆は湯婆婆とは違って温厚で、千尋の言うことを落ち着いてきちんと聞いてくれ、ハクのことも千尋のことも、快く許してくれるとても優しいおばあさんでした。

それも湯婆婆が元凶だということを知ってのことで、その湯婆婆に困らされた者たちを抱擁する形で迎えてくれたのです。

このシーンはとても安らぐシーンですので、ストーリーの中休みのような気分で見るとよいでしょう。

【その7】カオナシ、第2形態で暴れ回る!

以前に千尋に親切にしてもらったカオナシは、そのお礼にと湯屋にきて、千尋に数々のお礼の品をあげようとします。
けれど従業員の千尋はそれを受け取るわけにはいかず、終始断り続けます。
それに怒ったカオナシはついに他の従業員を食べ始め、体を何十倍にも大きくし、その湯屋の中を暴れ回ります。

このときの激動の様子は「よくもここまでリアルに描けるなぁ!」と思わされるほどち密な演出で、そのスピード感から躍動感は〝凄まじい〟のひと言に尽きるかと思います。

喰い方もリアルで追いかけ方もリアル!
ぜひこのシーンもじっくりご堪能下さい。

【その8】何ごともなかったかのように帰る、現実の世界

「神々が住む世界」から完全に解放され、元の人間の世界へ戻ることができた千尋。
ラストシーンになりますが、それまでの奇々怪々的な世界観が嘘のように消えてしまい、何ごともなかったかのような、とても静かな日常の風景が辺りに立ち込めます。

この解放感ならぬ仄々感は、まるで闘いが終わってホッとする千尋の様子をその心底から表すようでもあって、見ているだけで温かくなれます。

どうぞこのエンディングにつながるラストの〝仄々さ〟を味わってみて下さい。

〈参考資料を見る〉

まとめ&感想

とにかう「幻想的な作品」というのが第1印象でした。

他のジブリ作品を沢山観てきての本作でしたので、何か〝一風変わった感〟を深く味わえた特異な1作で、その辺りを経験できたのは、今となってはとても貴重な財産に思っています。

ですが私的にはあまりハマらなかった作品でもあり、やはりそれまでの『風の谷のナウシカ』をはじめ『天空の城ラピュタ』、『となりのトトロ』といったいかにもジブリアニメならではの、不動の感動を味わえる伝説的な作品に魅了されていたので、それへの感動が存在する以上、本作への思いは何か煮詰まった感じがしていました。

ですがストーリーに込められたメッセージのようなものはなかなか奥深く、その映画の脚色よりもまるで本を読むような感覚での感動は、やはりジブリ映画でもベスト5に入るくらいの異質なものがあると思います。

ぜひ「まだ観たことがない」という人は、その〝メッセージ性〟を確認する形でご覧になって下さい。

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