ミッドナイトラン 映画のあらすじと7つの名シーンの感想を語り尽くす!※ネタバレ解説

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あなたは『ミッドナイトラン』という映画をご存じでしょうか?
そう、本作はマーティン・ブレスト監督により制作され、ロバート・デ・ニーロ、チャールズ・グローディンという2大俳優の共演のもとに作られた(私的に)ユニバーサル映画中で最高傑作と謳われるほどのコメディ&ヒューマンドラマなのです!

今回はこの『ミッドナイトラン』に詰め込まれたあらゆる魅力と名シーンを、一挙にご紹介したいと思います!

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『ミッドナイトラン』詳細

出演:ロバート・デ・ニーロ、チャールズ・グローディン他
販売元:ジェネオン・ユニバーサル
発売日:2012年5月9日

概要

第46回ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門にて作品賞、主演男優賞(ロバート・デ・ニーロ)の候補になったほどの、アクション・コメディの傑作最高峰と謳われたものすごく面白い映画!1988年に制作されてから今日まで、その魅力と痛快さはずっと色褪せることなく輝き続けます。

タイトル『ミッドナイトラン』の意味は、「一晩で終わる簡単な仕事」、「仕事は簡単」、「ちょろい仕事」というスラングからきています。
このスラングを逆手にとったような〝1晩で終わるにしたら、けっこう大変で大がかりな仕事!?〟と思わすような、連続したコメディタッチの演出が冴え渡ります。

主なキャスト

●ジャック・ウォルシュ:ロバート・デ・ニーロ(声:樋浦勉)
元刑事の探偵&賞金稼ぎ。
刑事をしていた頃はシカゴに在住。
刑事を辞めた理由は「同僚の警官を殴ったから」と言うが、実際はジミー・セラノによる策略がきっかけ。
探偵の手腕はかなり凄腕、雇い主のエディも一目置いている。
けっこう独断的な性格に見られるが根は優しい。
曲ったことが嫌いな生真面目な性格。
結婚に一度失敗しており、娘が1人いる。
ジョナサンとは気が合うのか合わないのか知らないが、依頼でエディの所へ連れていく道中、それなりに楽しんでいたみたい。

●ジョナサン・マデューカス:チャールズ・グローディン(声:玄田哲章)
経理事務所で働く会計士。
性格はとても真面目だが、ユーモラスな1面を持つ。
自分の勤める会社が、実はセラノの脱税・横領を隠蔽していた事実を知ったのをきっかけに、その全額を恵まれない人へと寄付した奇特な人物。
通称は「Duke(デューク)=公爵様」。

●アロンゾ・モーズリー:ヤフェット・コットー(声:渡部猛)
FBIの主任警部補。
厳格な性格の持ち主で、ここぞというときには大胆な行動に出る凄腕の刑事。
だが間抜けな1面もあり、ジョナサンとジャックを追いかける途中、何度もジャックに出し抜かれる。
真面目なはずの行動が、なぜかコメディタッチに赴くのは極めて痛快!

●マービン・ドーフラー:ジョン・アシュトン(声:村松康雄)
ジャックと同じくエディに雇われる賞金稼ぎ。
ジャックと違って出辺りばったりの行動が得意だが、ときどき利口な言動も見られる。
エディに依頼され、ジャックの獲物・ジョナサンを横取りして賞金を独り占めしようと目論む。

●ジミー・セラノ:デニス・ファリーナ(声:大宮悌二)
マフィアのボス。
大物であり、各地にその影響力を持っている。
ジャックがまだ刑事だった頃、自分を追ってくるジャックを失脚させようと賄賂を使ったトリックをする。
そのお陰でジャックは辞職し、ストーリー現在では「ジャックの古い友人」の異名を持つ。
普段は温厚だが、すぐキレる。

●エディ・マスコーネ:ジョー・パントリアーノ(声:納谷六朗)
ジャックの雇い主であり、保釈金事務所を経営している。
倒産の落ち目にあり、ジョナサンを捕まえ、保釈金の立替金分を回収しなければと焦りに焦っている。
非常に計画高いが、その計画は失敗に終わることが多い。
ドーナツが好き。

●トニー・ダーボ:リチャード・フォロンジー(声:筈見純)
セラノの手下。
ふとっちょながら、とても男っぽい。
セラノから片腕のように使われるが、ときどき間抜けな1面も。
常にジョーイと行動しており、セラノの身の回りの邪魔なものを消すように命じられている。

●ジョーイ:ロバート・ミランダ(声:伊井篤史)
トニーと常に行動を共にする、ちょっとおっちょこちょいな男。
トニーと同じく、セラノに忠誠を誓っており、セラノの命令で何でもする。
が、やはり間抜けな1面は抜けない。
セラノが経営するバーを切り盛りしている。

●ジェリー・ガイスラー:ジャック・ケホー(声:塚田正昭)
エディの保釈金事務所で働く助手。
よくエディの言うことを聞き、事務所のために貢献しているかと思いきや、実は意外な1面も…。
ドーナツ好きなエディの性格をよく把握しており、何か祝い事がある度に「ドーナツ、買ってくるよ」と外に出て行く。

●デニース・ウォルシュ:ダニエル・デュクロス(声:佐々木るん)
ジャックの1人娘。
ストーリー現在では、ジャックの元妻とともに、妻の再婚相手の連れ子と暮らしている。
父親であるジャックのことをいつも思い、心配している。
どこか悲しそうな1面も併せ持つ。

『ミッドナイトラン』1分でわかるあらすじ

シカゴで刑事をしていたジャックは賄賂がきっかけで辞職に追い込まれ、賞金稼ぎをしながら探偵業に勤しんでいる。
そんなとき、現在の雇い主・エディからジョナサン・マデューカスを連れてこいと依頼を受けて、その賞金・10万ドルを目当てに奔走する。
タイムリミットは裁判までの5日間。

ジョナサンをニューヨークで押さえたジャックは、そのままエディのいるロサンゼルスへジョナサンを連れて行こうとするが、ジョナサンの悪知恵により飛行機に乗ることを断念させられ、列車の旅を余儀なくされる。
以降2人の、喧嘩あり、感動あり、仲直りありの、〝ロードムービー〟が始まる。

道中、セラノによる邪魔や、エディの差し金でやって来た同じく賞金稼ぎ・マービンとの小競り合いもあり、なかなかスムーズに進展しない。

ついにセラノに捕まったジョナサン。
そのジョナサンを救出するため、ジャックはFBIと条件交渉し、セラノの逮捕に協力する。
見事〝おとり作戦〟でセラノを逮捕でき、ジョナサンは再びジャックのもとへ。

ジャックとジョナサンの2人は、ロサンゼルスへ約束のタイムリミットまでに到着する。

引用元:wikipedia

〈参考資料〉

【1】『(VHS)ミッドナイト・ラン(吹替版)』

出演:ロバート・デ・ニーロ
販売元:ビクターエンタテインメント
発売日:1989年9月22日

【2】『Midnight Run(Blu-ray)』

出演:Midnight Run
形式:Import
販売元:Second Sight
発売日:2015年4月20日

【3】『ミッドナイト・ラン!』

フォーマット:Kindle版
著者:樋口明雄
出版社:講談社
発売日:2012年10月16日

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『ミッドナイトラン』の9つの魅力!

【その1】アメリカンなムード

アメリカで制作された映画ですからその空気にアメリカンなムードが流れるのは当たり前ですが、そのアメリカンな雰囲気がこれほどまでに面白く、また痛快に表現されている映画も珍しいのでは?と思わせられるほどの見事な出来栄えです。

とくにジャックとジョナサンとの掛け合い、またエディとジャックやマービン、FBIのモーズリーとジャックとの掛け合いなど、痛快喜劇の1コマを感じさせる〝緻密かつ大胆な軽妙さ〟がとても印象的です。

本作ならではの構成が実にイキイキしていて、逃避行からデリケートな交渉・かけ引きまで、実に見事な面白さが満載しています!ぜひ本作をご覧になって、この〝気分をよくしてくれるアメリカンなムード〟をお楽しみ下さい!

【その2】マスコーネ保釈ローンの忙しさ

マスコーネ保釈ローンはエディが運営する保釈金事務所ですが、ここで交わされる人物描写が実に軽快で、またいろいろな出来ごとをもって面白さを引き立てます。

とくにジャックと電話で話すエディの表情から、特ダネを追いかけるときのスピーディな展開まで、真面目なエピソードを入れながらも結局は〝痛快喜劇〟へ辿り着くその珍妙さ加減は、やはりマーティン監督ならではの特殊な脚色が冴え渡っていると言わざるを得ません。

賞金稼ぎにまつわる全ての仕事はここから始まります。
事務所に勤めているジェリーを含め、裏で取り引きするいろいろな暗躍なども見え隠れしながら、それでも何とか仕事を遂行しようとする事務所と賞金稼ぎとの絡み合いが実に面白く、かつ大胆な運びを見せてくれます。

【その3】ジョナサンとジャックとの出会い

ジョナサンはニューヨークの自宅にいたときにジャックに捕まります。
このジョナサンを捕まえるときでもジャックは、普通に家宅侵入罪を犯して自宅へ押し入り、飼い犬に吠えられながらも何とか仕事を遂行します。

このときの珍妙さ加減も抜群です。
とっぽい男を演じているはずのジャックがなぜか犬に弱く、ジョナサンの奥さんに犬を押さえてもらいながらのジョナサン捕獲で、なんだか観ていて「本当にジャックは強いの?」とかいろいろ想像させてくれるワンシーン。

ここからジョナサンとジャックの逃避行が始まりますが、その後の道中での展開さえこの「出会いの場面」に凝縮されているような、実にジョナサンとジャック2人の性質がにじみ出ているワンカットと言ってよいでしょう。

【その4】ジャックの優しさ

ジャックは独断的・独善的で、決して人の意見に左右されない、一見、真面目に見えて取っつきにくい男なのですが、ジョナサンと道中一緒にいるうちに、段々その外郭が剥がされるように、内面のユーモラスの1面や、ちょっとした表情に優しさがこみ上げます。

ジョナサンをはじめ毛嫌いするような素振りを見せますが、実はそれが表裏一体。
どこかで必ずジョナサンのことを気づかい、その優しさに気づいたジョナサンも、そのジャックの優しさに少しずつほだされていきます。
はじめからジョナサンはこのジャックの優しい性格を見抜いていたのか、ジャックが「まだ会って2分だが、オレはもうアンタのことが嫌いだ」というセリフに対し、
「そうか、それは残念だ。
私は好きだよ」
と、本心からの言葉を投げかけます。
こうした2人の逃避行だからこそ楽しめる、とても愉快かつ暖かいムードが、観る人の心を始終揺さぶることでしょう。

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【その5】セラノの珍妙っぷり

セラノは〝裏の世界〟を牛耳るマフィアの大物ボスですが、なんだかその内面は珍妙で、いつもどこか抜けているような、そんなユーモラスな1面を奏でてくれます。
部下のトニーとジョーイを使うときでも、何度も何度も念押しで「ジョナサンを捕まえろ!」と凄んで言うのですが、悉く失敗して帰ってくる2人をまだ飽きもせずに使っているなど、「普通のマフィアならしないだろ!」というような連続したミスも平気で見せてくれます。

そして見逃せないのが、セラノとジャックの絡みのシーン!
セラノとジャックは、もともとジャックのシカゴ時代からの知り合いで、周りからはずっと「古い友だち」あるいは「古い親友」と言われて噂されます。

そんなジャックとセラノですから、会えば何かと昔話から嫌味のようなセリフを言い合う2人。

この掛け合いも実に面白く、どうしてもここではジャックの方が1枚上手な言動を取るので、セラノの珍妙っぷりが余計に目立って面白い。
これは声優効果もあるんでしょうかねぇ。

【その6】のんびりムードとスピーディ展開との絶妙のバランス

アメリカンなムードでゆるゆる流れる経過が本作のメインにありますが、ここぞというときにはとてもスピーディな展開に早変わりします。
とくに、ジャックとジョナサンがセラノから逃げるシーンや、FBIに追いかけられるシーンにおいては、アクション・コメディを痛快させる見事な演出・脚色が取られています。

カーチェイスあり、銃撃戦あり、巧妙なかけ引きありの、とても贅沢な出来栄えに、おそらく視聴者の方も心底から満足されることでしょう。

【その7】FBIの痛快な滑稽さ

FBIはずっとセラノを逮捕したがっていて、ジャックがジョナサンを連れて行こうとしたとき、〝おとりとして泳がしていたジョナサン〟を勝手にジャックに連れて行かれては困るとジャックに詰め寄ります。
そんな、何年もかけた用意周到な計画を立てているFBIなのですが、いざ実戦に入るとなると、とたんに間抜けな側面ばかりを見せてしまう始末!
ジャックとFBI警部補・モーズリーとの珍妙なやり取りは、きっと最後まで笑わせてくれるでしょう。

自家用ジェットを飛ばしたり、いつもいつもジャックの先回りしてジョナサンの行方を押さえようとしたり、あげくはジャックと協力して、空港に沢山の警官を配置させてセラノを捕まえようとしたりと、数多の策略を練って奮闘するのですが、どの場面でも少しずつ抜けている演出でまとめられ、そのあり方が滑稽と言わざるを得ないほど「痛快コメディ」を引き立ててくれます。

【その8】アクション・コメディ映画らしからぬ感動

本作はアクション・コメディ映画として有名ですが、そのストーリーの骨子には、なかなか複雑なヒューマンドラマが隠れています。
ジャックにはジャックの、ジョナサンにはジョナサンの、それぞれが真剣に考えるポリシーのようなものがあり、また世間と個人との関わりがもとで悲劇・喜劇を奏でられる、現実でも普通に見られる〝人生の浮沈〟のようなものが見え隠れします。

ジャックは1度結婚に破れており、それがもとでひどく落胆したままの「自分」を心に抱えています。
そのせいで次の恋愛に踏み込めず、今でも元妻の帰りを待っている様子がアリアリなのです。
それを見通したジョナサンは、「奥さんは帰って来ないと思うよ。
早く未練を断ち切って、次の恋愛を目指すべきだよ」と優しく問いかけたりし、ジャックを心から励ます場面を見せてくれます。

人と人との関わり合い、人生が人に与える試練のようなものをメインに引き立て、それらをコメディタッチで脚色するからこその〝深み〟を表現する技法は、やはり本作ならではの〝巧さ〟をどうしても思ってしまうこの頃です。
とくにラストシーンでのジャックとジョナサンと2人の抱擁は(実際に抱き合ったりはしませんが)、実にサラッとしていながらも、どこかその後もずっとぬくもりが残る深い感動を与えてくれます。

【その9】〝来世で会おう〟

これはジョナサンとジャックの間で交わされた親友同士の挨拶のようなセリフです。
はじめ逃避行中にジョナサンがジャックに言います。
ジャックはそれを受けてしんみりした表情でいます。
段々と心の触れ合いを通じて親友になっていく2人ですが、その報酬はラストシーンで結実されていきます。

この言葉〝来世で会おう〟というのは、現世にいる自分たちの立場があまりにかけ離れているため、来世ならやり直して本当の親友になれるというような、半ばこの世での出会いを諦めながらも、永遠に手と手を取り合った友人同士の言葉のようでもあります。

とても深みのある言葉でもあり、このセリフをもって締めくくる本作の演出は、映画の枠を越えて、現実で生活している多くの人の心にもきっとそのまま飛び込めるような斬新さを与えるでしょう。

本作『ミッドナイトラン』の魅力はとても語り尽くせないほどの、重厚でバラエティに富んだ深みがあります。
なのでぜひ、ご自分の目と感覚で本作を鑑賞しながら、その醍醐味の全てを直接感じ取ってみて下さい!ストーリー中に出て来る「ジャックが肌身離さずつけている〝時計〟にまつわるエピソード」も格別なものです。

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『ミッドナイトラン』の7つの名シーン!

【その1】「手を耳の後ろで…そうだ」

名シーンというか、何気に仄々くるシーンになりますが、ジャックがジョナサンの家に忍び込んでジョナサンを捕まえるシーンのワンカット。

拳銃で威嚇しながらジョナサンを捕まえるジャックが、
「手を頭の後ろで組め!早く!!」
とジョナサンを捕獲しようとしていたところ、なかなか動きが鈍いジョナサンをもう1度叱りつける形で言った台詞。
言い終える前にジョナサンがちゃんと言うことを聞き、手を頭の後ろで組んだので、「…そうだ」と気を抑えられるジャックの様子は、なぜだか仄々させる魅力のようなものを醸し出します。

【その2】「それは残念だ。私は君が好きだよ」

ニューヨークのジョナサンの自宅から最寄りの空港まで車で行くシーンで、ジャックに連行されながらのジョナサンのセリフです。
ジャックは〝デュークと称されるジョナサン〟をなぜだか初めから毛嫌いしますが、嫌われた当のジョナサンはジャックのことを好きです。
友人として好きと言うジョナサンにジャックも調子を奪われ、その後の活気が伴いません。

この頃から2人の仲は険悪ながらに絆を持ち合わせ、一緒にマフィアから逃げ回る中でも常に互いのことを心配したり、互いを友人として認め合ったりしていきます。

このシーンも、とても仄々としたぬくもりのあるワンシーンで、ぜひ本作の隅々まで楽しみたい人は、こういった細かい面白さ&感動もお楽しみ下さい。

【その3】マービン登場!

ジャックとともにエディに雇われながら賞金稼ぎに勤しむマービンですが、マービンは常に「自分がベスト!(自分が1番!)」だと思っているうぬぼれ屋で、「いつか必ずジャックを出し抜いてやろう」と暗躍している熱い男です。
ですがいつも必ず間抜けな1面を持ち合わせ、逆にいつもジャックに出し抜かれ、獲物を横取りしようとしても失敗ばかりしています。

マービンが登場する面白いシーンのおススメは、まずジャックがジョナサンを連行する際に乗った列車の中。

ジャックと同じくエディに「ジョナサン連行」を依頼されたマービンは、自力でジャックが乗っている列車を割り出し、その列車に乗り込んでジョナサン奪回を計ります。
いい所まで行くのですが、お約束のように逆にジャックに取り押さえられてしまい、あげくのはてにFBIに突き出されてしまいます(これはぜひ本作で確認して下さい)。

第2のおススメシーンは、赤土が広がるグランドキャニオンでのジョナサン奪回の場面。

ジャックがジョナサンを連れてFBIから逃げている際、カーチェイスの果てに遠い田舎まで来てしまいます。
ですがジャックは結局乗っていた車を大破させてしまい、あとはヒッチハイクで何とか逃げ切ろうと踏ん張ります(もちろんジョナサンを連れて)。

そこに現れたのがマービン。

ここで初めてジャックを出し抜けたマービンは、得意になってその後の展開でもイキイキしてます。
ですがここでもお約束のオチがあって…。

【その4】ジャックを騙すジョナサン

ジョナサンは「飛行機恐怖症」と自称し、「自分は飛行機に乗れないから、別の乗り物でロスまで連れて行ってくれ」とジャックに懇願し、その変更した乗り物が列車でした。

この「飛行機恐怖症」はストーリー中後半まで引きずっており、ジャックは「ジョナサンは飛行機恐怖症」と疑うことなく認識しています。

そのジョナサンが、逃避行の途中で立ち寄った田舎町で、そこにあった自家用ジェットで逃げる算段を立てたのです。
それを見て怒り心頭のジャック!
「よくも騙しやがったな!まさか怖いどころか、操縦までできるとはな!」
と騙されたジャックは怒りながらも慌ててジョナサンを追いかけます!
このシーンが私的に1番面白く感じました!ぜひそれまでの経過と合わせて、この2人の冷めない珍妙加減を楽しんで下さい!

【その5】ジャック、ジョナサン、マービン、3人の逃避行!

ストーリー後半で、ジャックとジョナサンはマフィア・セラノの手下に追いつめられます。
そこにマービンが登場し、ライフル銃でトニーとジョーイを威嚇しながら2人に近づき、あげくライフルで殴ってトニーとジョーイを気絶させます。

それからジョナサンだけを連れて逃げるはずでしたが、ジャックはあらかじめジョナサンに手錠をはめて自分と離れられなくしており、その手錠の鍵はジャックによってわざと溝の中へ放り込まれました。
つまり「一蓮托生」、「2人一緒によろしく」ということで、マービンは仕方なくジャックとジョナサンを連れて自分の車に乗り込みます。

それから始まるマフィアの追撃!
ジャック、ジョナサン、マービンの3人は車で何とか逃げますが、マフィアはあらかじめチャーターしておいたヘリコプターで追撃します。
このシーンでのキリモミのようなカーチェイスならぬ争奪戦は、観ていてとてもハラハラドキドキ、何回観ても飽きさせないリアルな展開に仕上がっています。
車中での3人のかけ合いも実に珍妙!
ぜひこの面白すぎるシーンお楽しみ下さい!

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【その6】セラノ、捕まる!

マフィアの大ボス・セラノは、FBIとジャックの協力の下(もと)、空港で捕獲されます。
それもジャックが仕込んだ「横領を記録したディスク」をエサに捕まるという、実に間抜けな捕まえられ方です。
それまでに見せて来たセラノの〝マフィアとしての迫力ある1面〟も、このシーンを観たらバラエティに変わってしまうでしょう。

ですが、このシーンが本作のアクションの絶頂場面。

本格的にシリアスな運びをもって、マフィアとFBIとの巧妙なかけ引きが見どころです。
加えてジャックの見事なブラフも冴え渡り、マフィア顔負けの迫真の演技は、アクション・コメディ映画の〝アクション〟の部分を引き抜いた絶妙な脚色で演出されます。

それまでと一風違った緊張感高まるハラハラドキドキ場面を、ぜひこのワンシーンでお楽しみ下さい。

【その7】ジャックとジョナサンの別れのシーン

ジャックはジョナサンを連れて、エディとの約束通り、5日が過ぎる数時間前にロサンゼルスの空港に到着します。
そこでジャックはエディに電話をかけ、「ジョナサンをこれから逃がすところだ」と本音を打ち明けます。
「なんで連れて来ないんだ!?」と焦るエディを無視して電話を切り、「約束の時間までに来れたからいいんだ」と感動的なセリフをジョナサンに告げ、その空港でジョナサンを逃がそうとします。

そこでジョナサンはジャックに「いいことがあるんだ」と、1度そこから立ち去ろうとしたジャックを呼び止めます。

ジョナサンの懐から出てきたのは、なんと数百ドルの紙幣!それを餞別にジャックにあげるという。

ジャックの人柄を完全に見知ったジョナサンは、もうすっかりジャックを信用し、ジャックを自分の親友として認めていました。
ジャックの方も、ジョナサンの底なしのお人よしにほだされる形で、そのジョナサンのような友人・親友がほしいと心から思うようになっています。

そういう経緯・背景をもっての2人の別れ。
2人は最後に、
「来世で会おう」
ともう1度言い合い、お互いの生活場所へと帰って行きます。
ジョナサンと別れてからすぐに、もう1度ジャックはジョナサンの方を振り向きますが、ジョナサンはもうそこにはいません。
まるで不思議のような感覚に、ジャックは何となく空港から出、そのまま歩いて街へ消えます。

ここまでのやり取りに、本作のストーリーに詰められた全ての魅力が表れているのかも知れません。
「最後に本当の親友を得た」というジャック、ジョナサン2人の心のぬくもりが、とても印象的に描かれています。

ぜひこのラストの場面を吟味してほしいです。
全体的にとてもよくできた、アクション・コメディ映画の傑作と言える名場面です!


〈参考資料を見る〉

まとめ&感想

いやぁ、これほど面白いアクション・コメディ映画をこれまで洋画で見たことがない!と言えるほどの名作!
私は初めて本作を大学時代に観たのですが、それまでのアメリカ映画のコメディ映画を覆すほどの痛快さを、本作の特殊かつ斬新な演出に垣間見せられました!

もとからロバート・デ・ニーロのファンでしたが、これを観てさらにファンになり、また本作で初めて知った俳優・チャールズ・グローディンにも、それ以降、特別な感情をもって他作を観るようになりました。

チャールズ・グローディンは私の中では無名でしたが、けっこう芸歴は長く、1964年から映画界にデビューして以降、『ローズマリーの赤ちゃん』(1968年)、『キングコング』(1976年)、『天国から来たチャンピオン』(1978年)、『ベートーベン』(1992年)、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』(2017年)など、数々の有名作品に出演していたんですね。

そういえば『天国から来たチャンピオン』はずっと以前から知っており、「ああ、あの役者が彼だったのか!」とあとから反省させられたほど、何年か越しに「隠れた逸材」を見つけさせられた気分になりました。

私的に外国アクション・コメディ映画の中では、1番何度も観返した1作だと思います。
それだけ見飽きず、ワクワクさせられ、いつまでも色褪せない傑作のオーラを醸し続ける名作なのでしょう!

ぜひ本作は、ロバート・デ・ニーロ、チャールズ・グローディンの過去出演作品もご覧になってから、存分にご堪能されることをおススメします。
その方が、2大俳優への感傷の度合いも大きく膨れ上がり、その面白みにも〝深み〟が増すように思われますので!

〈さらなる参考資料を見る〉
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1 個のコメント

  • ジャックの娘がお金を貸してくれようとするシーンが好きです。そこまでクズっぽい振舞いの目立つジャックの人間味が見えて

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