踊る大捜査線 THE MOVIE1 あらすじと4つの名シーンの感想を語り尽くす!※ネタバレ解説

踊る大捜査線 THE MOVIE~湾岸署史上最悪の3日間~

『踊る大捜査線』といえば現在『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』までが放映されている超々特大長寿映画の大家ですが、もとはテレビシリーズ化されてからもう20年が過ぎる、哀愁あふれるドラマの成り立ちでした。

織田裕二主演と映画として認められるものですが、このドラマ・映画は主演の活躍よりも、むしろ脇役を固めるサブキャラクターの活躍が面白く、「脇役がきちんと土台をもって用意されているから、主役が初めて生きる!」といった作品構成の醍醐味を、見事に演出している模範的・典型的な作品と言えそうです。

今回はこの『踊る大捜査線 THE MOVIE~湾岸署史上最悪の3日間~』~映画シリーズ第1作目~の魅力と名シーン・見せ場と感想を、私の独断と偏見を交え、ふんだんにお伝えしようと思います。
どうぞご興味のある方はこの「大捜査線の世界」へお立ち寄り下さい。

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『踊る大捜査線 THE MOVIE~』詳細

『【DVD】踊る大捜査線 THE MOVIE』

主演:織田裕二、柳葉敏郎、いかりや長介、深津絵里、(ゲスト)小泉今日子
販売元:フジテレビジョン
発売日:2003年6月18日

『[VHS]踊る大捜査線 THE MOVIE~湾岸署史上最悪の3日間~[完全版]』

主演:織田裕二、柳葉敏郎、いかりや長介
販売元:フジテレビジョン
発売日:2000年1月19日

登場人物:メインキャストと脇役たち

●青島俊作(湾岸署刑事課強行犯係・巡査部長):織田裕二
●室井慎次(警視庁刑事部参事官・警視正):柳葉敏郎
●恩田すみれ(湾岸署刑事課盗犯係・巡査部長):深津絵里
●柏木雪乃(湾岸署刑事課強行犯係・巡査):水野美紀
●袴田健吾(湾岸署刑事課長・警部):小野武彦
●魚住二郎(湾岸署刑事課強行犯係長代理・警部補):佐戸井けん太
●秋山晴海(湾岸署副署長・警視):斉藤暁
●中西修(湾岸署刑事課盗犯係長・警部補):小林すすむ
●真下正義(湾岸署刑事課強行犯係長・警部補):ユースケ・サンタマリア
●神田総一朗(湾岸警察署長・警視正):北村総一朗
●新城賢太郎(警視庁刑事部捜査第一課管理官・警視):筧利夫
●吉田敏明(警視庁副総監):神山繁
●日向真奈美:小泉今日子
●和久平八郎:いかりや長介
●坂下始:北山雅康
●坂下始の母親:大塚良重

概要:制作・放映までの背景

キャッチコピー(副題)に『湾岸署史上最悪の3日間!』と銘打たれた、それまでのドラマシリーズの総体性的作品ともいえる映画化第1作目!
1998年6月23日クランクインから全国放映までにかけ、観客動員700万人、興行収入101億円で邦画年間興行収入1位を記録した超特大ヒット作の宝作(東宝系)。
日本アカデミー賞に於いてはいかりや長介が最優秀助演男優賞を受賞し、まだVHSが生産されていた当時においてソフト初出が翌年6月に発売された。

ストーリーは、1998年11月4日 から11月6日の3日間の出来ごとを描いており、制作当時と同じ年代に位置づけたことで、観客にもリアルタイム感をさらに味わわせる結果となった。

ゲスト出演として、日向真奈美役の小泉今日子の演技が話題になり、歯列矯正をしながら不敵に嘲笑(わら)う不気味な存在感は、映画枠を越えた現実をはじめ、その後の映画展開の中でもカリスマを持たせる演出になった。

スカイパーフェクTV(1999年)をはじめ、地上波初放送(2000年)、ゴールデン洋画劇場枠(2000年)、ハイビジョン・マスター版地上波初放送(「プレミアムステージ開幕記念スペシャル」として、2003年)など、あらゆる放送枠でヒットとなった。

『踊る大捜査線 THE MOVIE』1分でわかるあらすじ

本作は3つの事件をもって展開される。

1つめの事件
日向真奈美による異常殺人。

2つめの事件
吉田副総監が誘拐される。

3つめの事件
湾岸書内窃盗事件(これはオプション的事件)

1998年11月4日 、湾岸警察署と勝どき警察署の中間の河川で水死体が発見される。
司法解剖の結果水死体の胃の中から熊のぬいぐるみが発見され、異常殺人の臭(にお)いが立ち込める。
ほぼ同時に吉田副総監誘拐事件も発生。

インターネット上で「マニア向けの殺人に関するサイト」があるのを発見し、そのサイトとこの異常殺人とが結びつく(発見したのは真下)。

その異常殺人の犯人が日向真奈美と判明。
コンタクトを取り、カフェテラスで日向真奈美と接触するが、惜しくも逃げられる。

一方で、吉田副総監誘拐事件の捜査も継続している。
副総監誘拐なので、警視庁はそっちに躍起になる(日向真奈美の事件なんかどうでもいい)。

しているうちに日向真奈美が自首してくる(この辺りは洋画『セブン』にちょい似)。
日向真奈美を逮捕したので、湾岸署も警視庁とともに「吉田副総監誘拐事件」への合同捜査に。

「所轄の刑事は一切捜査をさせない!」という警視庁の方針に激怒する青島は、単独で犯人逮捕に向かう。

そして追い詰めた犯人・坂下始(さかしたはじめ)を青島は逮捕しようとするが、その際、坂下の母親に背中を刺されて重傷に…。

引用元:wikipedia 踊る大捜査線wikipedia 踊る大捜査線 THE MOVIE

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『踊る大捜査線 THE MOVIE』の7つの魅力!※ネタバレ

【その1】絆と友情

『踊る大捜査線』をご存じの方ならもう既知のことですが、やはり青島と室井管理官との絶妙かつ友情を覗かすやり取りがまず魅力的。
青島はこの室井管理官との約束の下(「室井さんは上に行って偉くなって、所轄の刑事が正しいと思うことをできるようにする」という約束)、事件解決に臨む際には、やはり室井管理官との絆や連携を大切にしています。

この絆と連携が、最後まで生きてきます。
最後の場面、坂下を追い込む前に下された室井管理官からの命令、
「青島、確保だぁ!!」
の大かつには、高慢を盾に着るエリート官僚の傲慢を全て打ち破るような、清々しささえ表れています。
この青島と室井さんとの固い絆と友情が、まず本作の魅力の第1となるでしょうか。

【その2】『踊る大捜査線』お馴染みの、コメディタッチの面白さ!

やはり『捜査線』を語る上ではこのコメディ要素を外しては語れず、本作でも、それまでのドラマに多分に見られた数々のバラエティ要素がふんだんに使われています。
つまり「遊びの魅力による演出効果」というもの。

そこへ行くと、神田署長、袴田刑事課長、真下警部補、辺りが織りなす絶妙な掛け合いとボケとがとても輝きます。
本作は決してコメディタッチで描かれるような、軽い事件を扱ってはおりません。
ですがその真面目な要素の中に、こうした〝ちょこちょこ入ってくる拍子抜けの面白さ〟が、またまた作品自体を活性化させるから不思議です。

「真面目の中にこそ面白さがある」、「真面目が過ぎるからこそかえって面白い」、こんなバラエティの真骨頂のようなものが、やはり本作でも壮大かつ緻密に展開されています。

【その3】官僚と所轄刑事との、キャリアとノンキャリとの壁

これも『捜査線』ではお馴染みですが、東大組のエリートとしがないサラリーマン風の所轄刑事との歴然としたキャリアの差に、「一矢を報いてやる」という挑戦的な演出が冴え渡ります。

室井さんは管理官ながらも所轄の刑事のことを思いやり、上層部と所轄との差をなくそうと働く「骨のあるヤツ」になりました(これも青島と出会ったお陰で)。

けれど室井さんの他はほとんど全てが、「ノンキャリには未来がない、自分たちの方が偉いんだ、ノンキャリ組に捜査なんかさせてたまるか」といった凝り固まった連中です。

一見、普通のドラマや映画では「暗い展開」になりそうですが、そこはさすがに『大捜査線』。
この「いやらしい分厚い壁」を見事な演出によって、本作の魅力を引き出すきっかけに作り変えています。
「壁があるからこそ、面白い!」
こう言わせるのは、『踊る大捜査線』がこれまで創り上げてきた〝下剋上の雰囲気〟によるのでしょうか。

【その4】雨の降る始まり

いや実際には雨は降っていなかったかも知れませんが、この「雨が降る雰囲気」を微妙に醸し出す演出のようなものが、本作の冒頭から打ち出されています。
つまり「薄暗さ」が発揮されている点です。
この辺りが「洋画『セブン』に少し似ている…」と思わされました。

雨が降ると人は屋内に立てこもるものですよね。
この辺りが本作では、湾岸署内で青島をはじめ他の捜査員たちが、立てこもりながら捜査をするという情景に変えて表現されます。

そして署内と署外、つまり内と外との「犯人と捜査員たちの駆け引き・やり取り」が展開されます。
犯罪を扱う時点で、やはりその心境にはゾクゾクするものが芽生えてくるでしょう。
それが凶悪犯罪となれば、そのゾクゾク感は一層引き立ちます。

このゾクゾク感を上手く脚色し、巧みな演出によってストーリー展開に結びつけている辺りが、やはり『踊る…』の〝底力的魅力〟とも言えるものでしょうか。
ぜひゾクゾク感をもって観て下さい。
臨場感のあり方が半端ないです。

【その5】小道具の面白さ!

『踊る…』ではテレビシリーズから本作まで、いろいろな小道具が登場してきました。
カエル急便、だるま、レインボー最中(もなか)、カップ麺(わさび味)など、スタッフの遊び心にもよる演出効果大の細々した魅力が、そこかしこに垣間見られます。

先にも言いましたが、「真面目な展開の中にこうした滑稽味を醸す道具」を入れることで、そのストーリー展開にも日常感あふれる臨場の妙味が湧き立ちます。
本作の中に、一体どれだけの小道具が登場するか、それを追ってみるのも楽しみの1つと言えるでしょう。

【その6】複数の事件の並走!

本作では先述通り、3つの事件(内1つはオプション)が存在し、それぞれが別々の経過を辿っているようにみえて、「実はどこかでつながっている」と思わせる絶妙の構成が取られています。
第1の事件を見ながら第2の事件に気を取られ、そうするうちに第3の事件が密かに発生しているといったような「飽きさせない展開」が、本作のストーリー構成を担う大きな土台ともなっています。

これまでにも『踊る…』ではこうした「複数のドラマ展開」がいろんなバージョンで出てきましたが、本作は映画ということもあり、その1つ1つの事件が大きいです。
3つめの事件を〝オプション的事件〟として紹介しましたが、これも見方によっては第1、第2の事件と密接に絡んでいるので、果ては「根深い事件」とも言えるもの。

「どこでどの事件が、どんな風にして絡んでくるのか?」この辺りを重点的に観てみるのも、本作を楽しむ際の有力なきっかけになるでしょう。

【その7】他作品からの引用・オマージュによる奥深さ…

本作のクライマックスに至る展開で、青島が和久の居所を探し出す際に〝煙突から吹き出るピンク色の煙〟を見つけようとするシーンがあります。
そこでそのピンクの煙を見つけた青島は、「天国と地獄だ…」と呟きます。

これは、黒澤明の映画『天国と地獄(1963年)』に出てくる煙突シーンの展開とほぼ同じで、黒澤明監督の『天国と地獄』を知っている人には余計に面白みのあるシーンに映ったかも知れません。

またラストシーンでの、青島が坂下の母親にいきなり背中を刺されるシーンがありますが、これも織田裕二本人が過去に出演していた『振り返れば奴がいる』(1993年)での「元上司に刺されるシーン」に酷似している。

本作の他でも、『秋の犯罪撲滅スペシャル』では同じく織田が主演をしていた『東京ラブストーリー』がビデオで登場したり、映画「ダイ・ハード」や『新世紀エヴァンゲリオン』、果ては後続の『相棒』でのワンカットに通じるシーン・演出が取られていたりと、他作品との関係性を彷彿させる展開が多々見られます。

このような「他作品からの引用・オマージュ的演出」を試みることで、引用元である作品を知っている人には余計に面白さを与えるような、暗躍的な演出効果を狙っている点も、この『踊る…』の持ち味と言ってよいでしょう。

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『踊る大捜査線 THE MOVIE』の4つの名シーン・見せ場!※ネタバレ

映画化第1作めの『踊る大捜査線 THE MOVIE』にはかなり沢山の「名シーン・見せ場」がありますが、ここでは厳選して4つ、超おススメの「見せ場・シーン」をご紹介したいと思います。

ではさっそく・・・

【第1の名シーン】日向真奈美による「異常殺人事件」が起きた直後の湾岸署の情景。

快楽殺人ならぬ猟奇的殺人が発生した湾岸署内の河川。
ここで引き上げられた溺死体には、熊のぬいぐるみが腹の中に詰められているという、何とも不可解かつ残忍な手痕が見つかった。

そしてもっと胸の悪くなるような、こっぴどく惨い情報が伝えられる。
「この熊のぬいぐるみは、生きた人間に、医者ではない素人の手によって、埋め込まれた」というもの。

これを聞いて唖然とする湾岸署内の捜査員たち。
死体解剖に立ち会った柏木雪乃をはじめ、和久さんから青島、署長・副所長・課長の3トリオまでが、無表情のままで立ち尽くす…。そして、生唾をゴクリ…。

この「凶悪事件が発生して、それが湾岸署にもたらされた瞬間」の様子が、「これから大変なことが起こる…まさに史上初のサイアクの3日間」と言わせるほどの実にリアルな情景を物語ります。

【第2の名シーン】「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてんだ!!」

ご存じ、あまりにも有名な『踊る…』のキャッチフレーズですが、これは青島が坂下始逮捕に向かうとき、上司の逮捕許可(確保の許可)を求めようとしていたときのセリフです。

上司というか、警視庁に集まるエリート官僚たちの高慢により、青島をはじめ他の所轄の刑事は皆、副総監誘拐事件の捜査を一切させてくれません。
そのやり方があまりにしつこくひどいため、遂に激怒した青島が室井管理官1人に向けてこう言います。

青島がエリート官僚の中で唯一信頼しているのがこの室井さんなので、この言葉が室井1人に向けられるのも当然のこと。
そして室井さんから「青島、確保だぁっ!!」の命令がかかり、青島はすぐさま坂下が住むマンションへと向かいます。

『踊る…』をここまで有名にした第1発めフレーズを、ぜひリアル体験をもってご堪能下さい。

【第3の名シーン】刺されたあとの悲壮の展開!?

青島は坂下始を逮捕するとき、坂下の母親にいきなり背中を刺されて倒れます。
血がどくどく出て、あわや「助からない!?」と思わすほどの勢い…。

その後、すぐに応援がきて、坂下は逮捕され、坂下の悪友たちも一網打尽にされます。
マンションに踏み込んだのは恩田巡査部長も一緒だったので、刺された青島を心配しながらも、同じく駆けつけた室井管理官とともに青島を病院へ搬送します。

搬送車は救急車ならぬパトカー(おそらく救急車を呼ぶのが間に合わなかった、という設定)。
そのパトカー内での展開が実に感動的で、面白い?

ここで恩田さんの青島に対する本音がわかり、また室井さんの青島への信頼の度合いといったものが如実に表れます。
まだ本作を観ていないという方は、このシーンはぜひともご自分の目で確認して下さい。
私的に映画化された『踊る…』の作品の中で、1番好きなラストシーンです。

【第4の名シーン】カリスマ的な日向真奈美の存在感

あえて4番めに持ってきましたが、ストーリー中ほどで登場する日向真奈美の演出です。
いえば本作のトリを務めるほどの魅力的存在になるでしょうか。

本作はもちろん、継続作でもその存在感とカリスマ性をじゅうぶんにアピールしてくる彼女の独自性は、おそらくそれ以前・後の犯人像を眺めてみても、その魅力・異常性を越えるほどの逸材はなかなか見つかりません。
狂気に秘めた複雑な心理を、巧く表現しています。

誘拐事件でのモニタリングするときの協力においては、刑事顔負けの実力を発揮して、警察よりも先に犯人像を割り出しています。
もちろん日向真奈美は自ら進んで犯人割り出しに協力したのではなく、青島の頼みに折れて「仕方なく協力してやった」という、余裕の下(もと)での演出です。

この異常殺人を犯した〝異常なカリスマ性を持つ日向真奈美〟の存在的魅力は、本作のみならず、『踊る…』全作品を語る上でも外せません。

〈踊る大捜査線 THE MOVIE関連:参考DVDを見る〉
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まとめ&感想

私は『踊る大捜査線』をはじめTVドラマシリーズで観てきましたが、やはりドラマシリーズから青島刑事をはじめ、所轄の刑事と警視庁の官僚エリートとの確執のようなものを垣間見ながら、その展開で織りなされる「人情模様の移り変わりと感動」に打ちのめされてきました。

そんな確固とした人間ドラマがありながら、なおも面白おかしく演出されるストーリー展開の豊富さに、他の刑事ドラマにはない「熱中させられる魔力」のようなものを打ちつけられた次第です。

おそらく刑事もののドラマや映画の中では、1番好きかも知れません。
確かに他の刑事ドラマでも沢山の感動作品を観てきましたが、『踊る…』にはそれだけではない、何か引きつけられるしぶとい魅力が底力にあるように感じます。

総じて『踊る…』の魅力は、

飽きられてもなお視聴者を引きつけ、冒頭から最後までを鑑賞させ続ける独壇場的な世界観

にあるのでしょうか。
今これを書いたあとも、ユーチューブかDVDで『踊る大捜査線 THE MOVIE~湾岸署史上最悪の3日間~』を観る予定です。

〈踊る大捜査線 THE MOVIE関連:さらなる参考書籍はこちら〉
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