刑事コロンボシリーズ超おすすめランキング20選!名作を一挙紹介!

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『刑事コロンボ』シリーズ~傑作から隠れた名作までの超おすすめランキング~:第3位~第1位

~それではベスト3の発表です~

ベスト3 野望の果て

主演:ピーター・フォーク
販売元:ジェネオン・ユニバーサル
発売日:2011年11月2日

【簡単なあらすじ】
上院議員候補であるネルソン・ヘイワード(ジャッキー・クーパー)は、数日後の選挙投票を控えた選挙戦の真っ最中。
それなのに、既婚にかかわらずヘイワードには愛人・リンダの存在があり、加えて選挙参謀のストーンとは絶頂の不仲でした。

ストーンを嫌っていた理由は、別れたくない愛人との関係への過剰の干渉と、過密スケジュールは必ずストーンの言いなりで動かなければならない束縛への窮屈からです。

リンダはヘイワードの秘書。
ヘイワード婦人は夫・ヘイワードの不倫疑惑に薄々感づきながらも、選挙戦にある夫を支えようと尽力します。

そんな中、ヘイワードはついにストーンを殺害。
殺害法は、選挙戦ならではの方法です。

ヘイワードは「自分の命を狙う犯人がいる」というでっち上げの情報を周囲にばらまき、その情報を周囲に信じさせることで殺害計画の準備をします。

ちょうど選挙の最中に婦人の誕生日を祝う会があり、それにどうしても出席したいからとヘイワードはストーンに頼み、「自分の身なりを真似してビーチハウス(別荘)に出向く振りをしてほしい」と言います。

また「その間に自分は自宅に帰って家内(かない)の誕生日を祝うから」と念を押します(リンダから離れることへの決意表明)。

ストーンがヘイワードの身なりを模するのは、万が一、犯人に狙われてもいいようにとの用心のため。
それを利用し、ヘイワードは本当に殺人を決行します。

ホテルからビーチハウスまで先回りしておき、ストーンが来てから速攻で射殺する。
そしてまた速攻で自宅まで行く。
こういった寸法の下(もと)、殺害計画は完遂されました。

そしてコロンボの登場。

コロンボはまず、ビーチハウスに停めてあった車に目をつけ、エンジンの暖かさと、走行距離と時間の組み合わせに疑問を抱きます。
そしてその後ヘイワードの証言を元に、犯行の矛盾と無理にも気づきます。

「ホラ!また狙われた!」
このでっち上げの演技を繰り返すヘイワードに、コロンボは容赦なく「事件解決への証拠」を提示します。

【見どころ&見せ場】
ジャッキー・クーパーの演技力
やはりこれは、本作を観る上では欠かせない魅力です。
普段は温厚な政治家を振舞い、秘書・リンダのことを「リンダさん」と丁寧に呼びながら体裁を繕い、その陰ではとてもディープな空間を見せつけます。

ストーンに対するとき、婦人への対応を図るとき、ストーンの訃報を聞かされた際の落胆の表情、そして自分を捕まえにくるコロンボへの強靭な姿勢。
どれをとってもやはり〝1流の役者〟と言わざるを得ません。
この演技力と面白さをぜひご堪能下さい。

透き通った空間
選挙戦のさなかにある局事務所だけあり、活気がみなぎりながらも「人と人とが相対(あいたい)する空間」は非常に透き通った、清々しい感覚を与えてきます。
アメリカならではか、それともレトロな感覚がそうさせるのか、わかりませんが、観ていて気持ちのよい空間の連続というものに魅了される方もいるでしょう。
果して、こんな清々しい空間の中で犯罪が起きるのか?と言わせるほどの脚色は、当時の全盛を誇ったコロンボ・シリーズの演出によるのでしょうか。

ヘイワードさんの完全犯罪の外郭がホロホロホロホロ…
はじめこそ〝完璧!?〟と思われた殺害計画でしたが、コロンボの登場後から、段々ホロホロホロホロ崩されていく〝完全犯罪〟の様子が見ものです。

ヘイワードさんの大きな窮地は2度!
1度めはCM撮影中のプールサイドでのこと。
(先述した)車のエンジンのことでコロンボに詰め寄られ、どうしても腑に落ちない点を指摘されると、ヘイワードさんは何も言えずに沈黙です。

加えてストーンがしていた腕時計の件。
ストーンが常時つけていた腕時計は丈夫なものでしたが、事件当夜に限って軟弱そうな時計をつけていた。
犯行時の弾みか何かで、その時計は壊れていた。

それもそのはず、その壊れた時計はヘイワードさんが死亡後のストーンの腕につけ替えたもの(時間トリックの帳尻を合わすため)。
これに関してもヘイワードさんは沈黙。
何も言い返せません。

そして2度めは、選挙のクライマックス時に行ったホテルでのこと。
ヘイワードさんは、だいぶコロンボが自分に容疑を持っているからと、また新たな細工をします。
1人で部屋にいる状況を作り、そこで〝窓の外から犯人に撃たれた〟という演技をします。

そして、
「ホラ!また狙われた!(犯人は必ず他にいるんだ!)」
ということを念押しで主張します。
が、これはヘイワードさんの大きな過失によって、すぐさまコロンボに見抜かれます。

この辺りの展開は、本作中のクライマックスでの醍醐味です。
ぜひ「必死のヘイワードさん」をご覧下さい。


ベスト2 別れのワイン

主演:ピーター・フォーク
販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
発売日:2015年12月2日

【簡単なあらすじ】
カッシーニ・ワイナリーというワイン醸造社を営むエイドリアン・カッシーニ(ドナルド・プレザンス)は、ワインをこよなく愛する純粋なワイン愛好家兼ソムリエです。
しかし困ったことが1つありました。

会社が経営不振。

確かに所有しているのは高価なワインですが、全く売れない。

エイドリアンはリックという腹違いの弟を持ち、リックは仕事においてエイドリアンとは逆の方針です。

「売れないものは切り捨てる」これがリックの方針。

今は亡き彼らの父親はエイドリアンに資金を遺し、リックには会社を継がせました。
なのでリックが社長になります。
エイドリアンは従業員。

経営に見切りをつけたリックはある日、エイドリアンに「会社を売り渡す」と打ち明けます。

渡す相手は大手産業。

そこでは安いワインを大量生産し〝とにかく売ること〟を目的とするため、エイドリアンの理想から大きく離れます。

「いったい私が何十年この会社に尽くしたと思ってるんだ!?」
エイドリアンはリックに詰め寄りますが、リックは社長の立場から聞く耳持たず、「もう売却済みだから」とあっさり断ります。

逆上したエイドリアンは、その場でリックを殴打し、意識を失ったリックをワイン蔵へ運び、そのまま空調のスイッチをオフにします。

その後、エイドリアンは兼ねてより予定していた「ワインのオークション」に一旦参加。
秘書とともにニューヨークへ行きます。
そして帰宅後、すでに死亡しているリックを車で海まで運び、ダイビング中の事故死に見せかけます(もちろん使用した車はリックのもの)。

いささか杜撰で即席の経緯でしたが、犯罪に素人のエイドリアンにはこれが精一杯。
やがて登場するコロンボはいち早くエイドリアンに目をつけます―。
もとよりエイドリアンには、完全犯罪への意思がありません。

ただワインを純粋に愛した男の犯罪です。
コロンボはいつもの鮮やかさで捜査を進めていきますが、やはりエイドリアンのこの〝ワインへの愛情〟に段々心を打たれます。

【見どころ&見せ場】
ただワインを純粋に愛する
エイドリアンはずっとワイン一筋できました。
人生の大半をワインに捧げ、その青春期から初老に至る現在まで「ワインとともに生きてきた」と言って過言ではありません。

そんな男が、ある日突然その「大切なもの(ワイン)」を奪われます。
純粋に1つのものを愛する男にとって、このことは人生最大の屈辱・挫折となるでしょう。

それがきっかけになり、ついカッとして弟・リックを殺害してしまいます。
たった1つの間違いから、エイドリアンはそれまで積み上げてきた全部を捨てることになるのです。

杜撰なアリバイ作りと犯行
エイドリアンは犯行の素人。
ずっとワイン一筋で生きてきた男です。
ですからリックを殺害した動機やその犯行までの経過も即席な手口になってしまいます。
ごまかすことがなかなかできません。

コロンボはいつものようにエイドリアンに目星をつけますが、エイドリアンには「捕まったらどうしよう…」という、「焦燥や足掻き」のようなものがありません(ここが他の犯人と違うところ)。
いつも飄々としています。

この辺りのエイドリアンの表情は、ワイン蔵でのやり取りに表れます。

ストーリー後半のワイン蔵でのシーン。
コロンボがエイドリアンに〝事件詳細の核心〟を突きつけたとき、エイドリアンは全くうろたえません。

コロンボは、このエイドリアンのあまりの素直さに拍子抜けし、「ふむ…」と珍しくうつむいてしまう。

シリーズの他作品では見られない、堂々足る〝愛すべき犯人像〟の形容。
これを見れば、犯人への愛情が湧いてきます。

人生の宝物にしていたワインを次々捨てる
エイドリアンは逮捕の直前、コロンボの忠告により、「自分のワインが全部ダメになったこと」を知らされます。
これはちょうど事件後にエイドリアンが秘書とともにニューヨークへ「ワインのオークション」に行ったとき、ワイナリーの周辺地区はぽっかぽかの陽天気だったことによります。
そう、ちょうどリックをワイン蔵に放置していたその時間帯です。

このことを捜査中にコロンボから聞かされたエイドリアンは、すぐさま帰り、蔵の中のワインを全て海へ投げ捨てました。

そこへ先回りしていたコロンボは、一言ぽつり。

「…身を切るぐらいの思いだったでしょう…。」
エイドリアンは落胆とも、肩の荷を下ろしたとも見える表情で、コロンボに微笑みます。

自分の子どもを捨てるような、あるいは「犯罪をなしてまで叶える夢は無い」と促すような、複雑な思いを込めた渾身のシーンです。
ぜひこの場面をご堪能下さい。

別れのワイン~安心できる人生を…~
エイドリアンが逮捕され、コロンボの車で警察へ向かうシーンでのこと。
コロンボは走らせていた車をカッシーニ・ワイナリーの前で急に停め、後部座席から1本のワインを出してきます。

「こんなものを持ってきたんですけどねぇ?」
それはモンテフェスコーネという、最高のデザートワインでした。
それまでのエイドリアンの生涯は、ワインへの愛情、秘書・カレンとの関係、弟・リックからの裏切り、という3つに彩られます。
エイドリアンの秘書だったカレンは、リックとのことを逆手に取り、エイドリアンを自分のために利用しかけました。
これに気づいたエイドリアンはカレンからの告白を拒否し、あえて独り身でいることを選択します。

「女というのはこういうとき、恐ろしく度胸がいいようです。
牢獄の向こうの方が、かえってここより安心できるのかも知れませんな」。

エイドリアンのこの台詞も身に染みます。
そして、
「…私が真に愛したのは、ここだけだった」
とワイナリーを見ながら言うエイドリアンは、何か達観したような表情。

そしてコロンボとの別れの宴。

この「別れ」が何を指すのか?
・ワインとの別れ
・秘書カレンを含む、心を委ねられる人との別れ
・犯罪に汚れた人生との別れ
・単純に、刑事コロンボとの別れ
他にもいろいろ考えられますが、タイトルにつけられた「別れ」の意味を吟味するのも一興です。


ランキング
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ベスト1 忘れられたスター

主演:ピーター・フォーク
販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
発売日:2015年12月18日

【簡単なあらすじ】
往年のミュージカルスターだったグレース・ウイラー(ジャネット・リー)は、自分が若い頃に出演した映画がもう1度ヒットしたことを契機に、再びスターへ返り咲くことを夢見ます。
けれどその資金には、50万ドルという、彼女にとっては大金が必要でした。

カムバックを夢見、没頭し始めたグレースは、夫・ヘンリーに50万ドルを無心します。
しかしヘンリーはグレースのためを思い、その夢から覚めることを逆に諭します。

しかし1度まい進した夢への熱意は覚めることなく、グレースは「自分の夢への障害」と見なしたヘンリーを殺害します。

その後、かつての名優・名コンビだったネッド・ダイヤモンドと協力し、何とか資金調達に奔走します。

そうする一方、グレースは〝記憶障害〟をもたらす脳疾患に侵されていました。
それは認知症のようなもので、経過とともに進行し、また不治の病とも診断されます。
すでに医者からは「長くてあと2ヶ月」と言われ、警察はこのグレースの状態とも対峙しなければなりません。

捜査が進むにつれ、グレースは「自分が夫を殺した」ということさえ忘れてしまいます。

映画界・ミュージカル界もすでにグレースを見放しています。
それでも彼女はまだカムバックを夢見続けます。

【見どころ&見せ場】
カムバックへのきっかけ!
グレースはもとより映画界・ミュージカル界が好きで、その舞台で自分が活躍できた過去の栄光にずっと縋りつくクセがありました。
つまり(事件前でも)機会があればいつでも、その舞台に帰りたいと思っていたのです。

そんなとき、自分が出ていた往年の映画がヒットします。

グレースがここぞとばかりに再起を図ります。

このときのグレースの喜びよう、また地に足がつかなくなり始める〝返り咲き〟への様子は、計り知れない破滅をすでに予期させます。

このときのグレースの様子を念頭にストーリーを観ていくと、本作の「訴えどころ」が非常によくわかるように思います。

返り咲くため、練習するグレース
グレースはまず、ミュージカルへカムバックを果たすため、ダンス教室に通います。
そこのダンサーたちも〝往年のグレース〟を知っているため、グレースを一応もてなします。

ですがグレースは見方を変えれば場末のスター。
心身的に衰え、とても若い人たちの躍動感について行けません。

そこで練習するとき、グレースは先頭で踊りますが、途中で何度も自分のパートナーを代えたり、音楽を止めたりしてやり直します。
その都度、その必死さは〝滑稽の様子〟さえ表します。

この辺りが、気持ちはついて行っても肝心の体がついていかない、グレースの悲惨さを物語ります。

名コンビ・ダイヤモンドの優しさ
グレースはそんな状態ですから、比較的簡単に逮捕されます。
そんなとき、かつて〝グレースと名コンビ〟と謳われたダイヤモンドは、グレースをかばい、「自分がグレースの夫を殺した」と主張します。
理由は「彼女を愛していたから」。

コロンボはそれを聞き、
「そんな自白、すぐにひっくり返りますよ?」
と詰め寄ります。

それでもダイヤモンドは、
「頑張ってみせる。
少なくともふた月間は…」
と返答。
グレースに、最後まで「自分はスター」と思い込ませたいという、ダイヤモンドの優しさからです。

そこまでを聞きコロンボは、
「…そうだね。
それがいいね。」
と納得。

この辺りのやり取りは、グレースを軸にして、〝老いながらも夢を叶えたい人の哀しさ〟を物語ります。

自分の若さを見ながら、夢見る乙女
全て事件が解決した後、グレースが1人で映写室に残るシーンがあります。
(グレース邸にはフィルムを観るための映写室があります)。

そこでグレースは外の出来ごとを全てシャットアウトし、自分の昔の出演映画・ミュージカルに釘づけになります。

このときのグレースの表情、とくにギラギラした目を見て下さい。

「自分はスターだ」と疑わない、永遠の若さを訴えます。

ずっと若いままでいる、これは誰にも無理なことです。

けれど、その若い頃の実力、また夢への憧れというものは、きっと永遠に残るものなのでしょう。
その辺りのどうしようもない葛藤と執着を、見事に描き尽した1作です。

本作には、とりわけ緻密な設定や脚本、また巧い演技・演出による魅力は無いかも知れません。
ですが「人間の内面」をこれほどストレートに、自然に発揮できている作品は、この1作に尽きるように思います。

おそらく狙って表現できる演技でもありません。
ぜひ、この偶然・奇跡的な名作をご堪能下さい。

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次点 秒読みの殺人

著者:W・リンク、R・レビンソン
翻訳:小鷹信光
出版社:二見書房
発売日:1990年12月

【簡単なあらすじ】
テレビ局CNCの西部支局長マーク・マキャンドリュー(ローレンス・ラッキンビル)と彼のチーフアシスタントであるケイ・フリーストーン(トリッシュ・ヴァン・ディヴァー)は初め、仲の好い愛人関係にありました。
それがある日を境に急にこじれて、2人は破局を迎えます。
おまけに仲の好かった頃に、「ケイを自分の後任にすえて支局長の座を明け渡す」という約束も反故にされ、ケイは路頭に迷うことになります。

この「ある日」に起きた契機というのは、ニューヨーク本社にマークが栄転するというもの。
この栄転をきっかけにして、マークは自分の身を潔白にしておこうと、ケイとの関係に終止符を打とうと試みました。
また栄転したことによりマークには、それまでにはなかった出世意欲・野心が灯ったのです。

【見どころ&見せ場】
犯行までの秒読み
ケイはマークを殺害するため、あらかじめピストルを用意しておき、自分のアリバイ作りを兼ねた状況を設定しておきながら、〝秒読み〟でマークのオフィスまで行きます。
そのときの早足がいかにもアメリカン!
ケイが居たのは映写室と放送管理室を併合した小部屋。
この小部屋からマークのオフィスまでは早足で歩いても少しかかります。
ケイは、助手に頼んで自分が映写室でフィルム交換をすると言い、フィルムの交換時のタイミングを見計らった上で犯行を完遂させます。

このシーンの要所に見える手際の良さは、他作品の犯行場面ではなかなか見られないスピーディが楽しめます。

天井裏のピストル
ストーリー途中で、凶器に使ったピストルがエレベーターの天井裏に「影」として残されるシーンがあります。
そのエレベーターにはケイと捜査関係者が乗っており、ケイはそのピストルの影に気づいたときから、何とか凶器の存在を関係者に知られまいと必死の対応に出ます(ほとんど表情だけですが)。
だけどそのピストルの存在はすでにコロンボに知られており、ケイはその後、この「天井裏のピストル」を巡って致命的なボロを出してしまいます。

逮捕後のケイの気丈さ
ケイはさまざまなトリックとアリバイ作りをもって応戦しますが、結局逮捕されます。
ですがその逮捕後、ケイは「まだ終わったわけじゃないわ。
きっとここから這い上がってみせる」ととても気丈に繕います。
逮捕後の犯人が露骨に負け惜しみを言ったり、そのまますんなり負けを認めたり、また「肩の荷が下りた…」とその舞台を降りる様子はよく描かれますが、このような〝逮捕後の犯人が野心を示すシーン〟が描かれることは非常に珍しいです。
普通なら「憎らしい犯人」と揶揄されそうなものですが、この辺りが演出効果でしょうか、本作を終始見た後でこのシーンを観てみると、なんだかケイのこの〝気丈さ〟に哀しさのような温(ぬく)みを感じてしまいます。

脇役にあの人が…
テレビ局の内容を映すシーンで、『パイルD-3の壁』に出演したパトリック・オニールが登場します。
こんな「あの映画に出ていた人が…」的な光景を見せられると、何かほんのりした、暖かい余韻に浸らされますね。
「あのときは犯人だったのに、今度は事務局長かい?」みたいな。

『秒読みの殺人』はコロンボ・シリーズ中では、私的にあまり秀作とは思いませんでしたが、それでも犯行に至るまでの経緯をはじめ、要所要所での人物の描き方や、状況・環境の脚色の仕方が魅力的だと思い、今回、次点にあげてみました。

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ランキングまとめ

ここまで読んで頂きありがとうございます。
以下に、私がおすすめする『刑事コロンボ』シリーズの傑作・名作ランキングを纏めておきます。

・1位 忘れられたスター
・2位 別れのワイン
・3位 野望の果て
・4位 愛情の計算
・5位 5時30分の目撃者
・6位 ビデオテープの証言
・7位 逆転の構図
・8位 祝砲の挽歌
・9位 美食の報酬
・10位 偶像のレクイエム
・11位 歌声の消えた海
・12位 権力の墓穴
・13位 白鳥の歌
・14位 ロンドンの傘
・15位 黒のエチュード
・16位 パイルD-3の壁
・17位 二枚のドガの絵
・18位 ホリスター将軍のコレクション
・19位 指輪の爪あと
・20位 意識の下の映像

いかがでしたか?あなたの好きな・お気に入りの作品はランクインしていたでしょうか?

もちろん、もっともっと沢山の傑作・名作がコロンボ・シリーズには満載ですので、ぜひこれを機会に、あなた自身の目と感覚をもって、あなた独自の「お気に入り作品」を見つけてみて下さいね。

『刑事コロンボ』といえば、今では『古畑任三郎』シリーズでお馴染みの「犯人が先にわかってから警察が捜査に赴く」といった、従来のサスペンスものとは一風変わった形式の作品です(『古畑任三郎』シリーズはこの『刑事コロンボ』の脚本手法を真似て作られた、半ばスピンオフ的な作品として知られます)。

この一風変わった脚本・演出形式が見事にヒットして、1968年の放映第1作から今日まで、コロンボ・シリーズは〝稀代の傑作〟として高名を持ち続けています。

ピーター・フォーク主演ということで、本作シリーズはこのピーター・フォークのあらゆる演技の魅力と痛快さを余すところなく伝え、また独自のユーモラスな台詞回しも相まってお茶の間の人気番組にもなりました。

おそらく40代以降の人に聞いてみれば、このコロンボ・シリーズを「知らない」と答える人はいないでしょうか。
それほど絶大な人気を誇った長寿シリーズです。

コロンボの魅力を一言でいえば、

サスペンスを描きながらも人情味を最大限に発揮させ、その人間性を描く上で「日常に起こるあらゆる欲望と理想の葛藤」が、結末を迎えることで落着させられる点

でしょうか。

その人情味・人間性を表す魅力的な方法に、台詞の小粋さが目立ちます。
コロンボや犯人、また脇役が言う言葉の内容が、非常に深い意味合いを伝える場合が多くあり、そのシーンをもって陶酔させられるほどの感動を与えられるものです。

ぜひこの「台詞回し」のシーンでも、コロンボの魅力をじゅうぶんに感じ取って下さい。

とりあえず20位から1位までのランキングをお伝えしましたが、ランキング中のどの作品をとって観ても「かなりの感動を与える作品」には違いありません。
あなたが気に入った作品を選んで観て、あなたの感覚(センス)にしっくりくる1作を見つけてみて下さい。
さらにあなた独自のランキングを作ってもらえれば非常に興味深く、嬉しいことです。

コロンボ・シリーズは全部で69作品あり、1つの作品に感動を覚えることができれば、あと68作品にも同じく感動を覚えられるでしょう。
ぜひ1作をもって、69倍の感動をご堪能下さい。

あなたと『刑事コロンボ』とのステキな出会いを願っています。


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2 件のコメント

  • >19位 指輪の爪あと
    >【簡単なあらすじ】
    >探偵事務所に務める社長のブリマー氏のもとに、あるお偉いさんの奥さんが「夫の浮気調査」をお願いしていたのでその経過報告を聞きにやってきます(奥さんはケニカット夫人)。

    夫と奥さんの事実関係が逆ではないでしょうか?
    「夫が妻に対して(妻が浮気をしているのではないかと)疑いを持った。そこで妻の素行調査を夫が探偵に依頼した。」はずですが…。
    そのことを “ひねって” 書いておられるとすれば、私の読解力不足でしょうか?

  • また内容の誤りを発見しましたので。

    6位 ビデオテープの証言
    ジーナ・ローランズ が演じているのは、会長 マーガレット・ミダス ではなくて、犯人の妻 エリザベス ですよ。

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