ロンドンで研修を終えた陣川公平警部補(原田龍二)が帰国した早々、児童相談所で少女時代を過ごした女性たちに不審な事件が舞い込んでいた。
陣川は帰国してから杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)にロンドン滞在中のエピソードなどを語る傍ら、そこで知り合った女性・岡村咲(真野恵里菜)とのことを相談の形で持ちかける。
咲の携帯に不可解な内容のメールが飛び込んできて、そのメールの送り主・武田麻里 (川村ゆきえ)はある日、不審な自殺を遂げた。
その自殺現場は、一般女性が気軽に入れない、険しい山渓の奥まった場所だった。
この不審な自殺は本当に自殺なのか?
この1点にまず疑惑が集中する中、捜査は意外な真相へとたどり着く…。
今回も右京と亘の奇想天外な独自捜査が冴え渡ります!
それでは、相棒16 第11話のあらすじと感想を紹介していきます。
※この記事はネタバレ含みます。
相棒16 第11話 視聴率
第11話タイトル:ダメージグッズ
視聴率:12.9%
相棒16 第11話「ダメージグッズ」あらすじ ※ネタバレあり
不可解なメールを受信
ロンドンで研修を終えた陣川は、日本に帰国次第に右京と亘に会い、その際にある相談を持ちかけた。
その相談内容は、
ロンドンのブラックフライアーズブリッジで知り合った女性・咲とのエピソード
であり、その咲の携帯に「少女時代に一緒に育った児童相談所仲間の1人・麻里の不可解なメールが入っていた」ということ。
そして、その不可解なメール内容をなでるように麻里はその後自殺しており(ストーリー現在から1ヶ月前、陣川の相談はその「メール内容」と「自殺」との関係性についてだった。
その不審な事件に興味を抱かないはずはない右京は、いつも通りに亘を従え、そのメールと自殺の事件性との関連を追っていった。
●メールの内容
「私、消えてなくなりたい。
ずっと思ってたんだ。
悲しいことばっかりが起こるし、幸せになんてなれっこない。」
「リセットするよ。」
「生まれ変わったら、またあそこで遊ぼう。
バイバイ。」
このようなメールの内容であり、自殺の動機や、自殺との関連性を裏付ける内容としてはじゅうぶんな内容だった。
メールを受けての急展開
こんな「自殺する前の遺書」とも取れる内容のメールを受け取っておきながら咲は、
「メールは相手が見えないので、誰かが代わりに打とうと思えば打てる」
という、自殺ではなく他殺の線を右京たちに仄めかした。
「自殺とは思っていないのですね?」
そう問う右京に対し、
「自殺をするような子じゃない」
と咲はあらためて麻里の人柄と、それまでの自分たちの経過について告白する。
その任意での事情聴取の際、亘は咲の顔に鼻を近づけ、
「大麻、やっていませんか?」
と核心に迫るような物言いをし、それを聞いたとたんに咲は逃げ出す。
振り切ろうとする咲を何とか取り押さえ、右京と亘は咲を連れて警視庁の取調室へ場所を移した。
段々と深まる真相
大麻所持の疑いで取り調べを受けた咲だったが、結局、咲の所持品に大麻はなかった。
咲は「逃げんのがクセ」と反省する様子もなく、ただ「逃亡症があった」ということをわざとらしく右京たちに告げるだけだった。
しかし事を重大に見る右京は「二度と見逃すことはしませんよ!」と厳しく諭し、咲の言動を改めるように促がした。
咲がロンドンに渡った理由もこの「逃亡癖」にあり(咲談)、麻里がちょうど死ぬ直前に「麻里と暴力団との関わりがあった」という事実が浮上する。
「麻里の死に、暴力団が関わっているかも知れない」
そんなうわべの状況がそろっと右京にひらめき、麻里の本当の死因について捜査が進んでいく。
「その可能性が大きい」と咲も頷くが、咲は急に「帰る」とその場を後にしようとする。
その様子をずっと見ていた陣川は「いま1人にできない」と追いかけた。
このとき最後に咲は、「自分たちの児童相談所仲間に、1人だけ偉くなった友だちがいるよ」と右京たちに教えた。
参議院議員・成澤良子
咲が教えた「偉くなった友だち」というのは、参議院議員・成澤良子(岩井七世)のことであり、特命係はこの良子の身辺を調べるため、事情聴取に応じてくれるよう良子に依頼した。
良子は快諾し、右京・亘・陣川の3人だけで会うことになった。
咲と良子は15年以上会っていなかったが、児童相談所仲間だった頃の記憶は鮮明に残っていた。
亘と良子は法務省時代の知り合いであり、「新人ながらに活きの良い女性官僚だった」と亘の記憶にも新しかった。
そうしているさなか、咲が現れた。
咲と良子は気まずそうにしていたが、すぐに打ち解け抱擁し合う。
右京の小さな疑惑
右京は、咲が着ている服の背中の「フライアーズブリッジ」のプリントが気になっていた。
フライアーズブリッジというのはロンドンでも「自殺の名所」として有名であり、「そんな場所になぜ咲が行ったのか?」という疑問が浮かび上がった。
武田麻里の素性
麻里と咲は、児童相談所時代からの親友だった。
昔、咲と麻里、そして良子ともう1人の友だち・亜弥たちがいつも一緒につるんでいた頃、「自分を試す場所」としていた懐かしい山峡の場所に、咲を伴って右京たちはやってきた。
麻里と咲はその頃からずっと親友であり、その背景には「同じダメ人間同士」という、立場や境遇を同じにした人生の絆のようなものがあった。
「麻里は昔から優しくて、本当に優しくて、優しすぎてちょっとバカっていうか、その性格が最高によかったんだよね…」
そう懐かしそうに振り返る咲は、その麻里の人間性にも心底から好意を持っていたことを告白する。
「自分だけは、麻里のことをちゃんと知ってあげた方がいいって思って」
そう言う咲の告白に右京は、
「それでは気の済むまで調べましょう。そうしなければ、真実というものは見えてきませんから」
と、咲の背中を押すような声かけをした。
咲はその申し出を心で嬉しく受け入れた。
麻里の身辺に広がる真相
麻里は児童相談所を卒業して社会に出た後、水商売に就いていた。
その同じ店で働いていた女性に麻里について訊くと、
「好かれることはあっても、恨まれることはないだろう」
と、麻里の人の良い性格をきっぱり告白した。
けれど少し気になることもあった様子で、
「スナックを開いて人生をリセットするの!」
と快活に夢を持っていた麻里はその開店資金を得るために、
白いジャケットの男と会っていたことが判明した。
白いジャケットを着た謎の男
麻里は「スナックの開店資金の相談」を持ちかけたのは、確かに白いジャケットの男だった。
本名をクロツチケイジ(未来弥)と言い、クロツチは麻里と確かに付き合っていたが、その他にも交際女性がいた。
その交際女性の腕には何本もの注射跡があり、クロツチの自宅からは大量の大麻が出てきた。
「またあんなのに引っかかって…」
ポソと呟く咲だったが、麻里が大麻をやっていたかどうかは判然としない。
クロツチは大麻所持の疑いで逮捕され、事情聴取を受けた。
麻里が付き合っていた男・シュガー
麻里には交際していた特定の男性がおり、その男は「シュガー」と呼ばれていた。
「なぜシュガーと呼ばれていたのか?」との疑問に対し、クロツチは「麻里と交際していた男の名前が佐藤だったこと」を思い出し、「佐藤(さとう)」だから「砂糖(Sugar:シュガー)」という、ダジャレのようなカラクリを言い出した。
この点から、麻里が生前に交際していた相手が「佐藤」という男だったと判明する。
消された動画
サイバーセキュリティ本部捜査員・青木年男(浅利陽介)に、麻里の所持品の携帯電話の分析を右京は前もって頼んでいた。
その結果が出たとのことで、青木は特命係に顔を出していた。
「気になることがある」
とのことで、それは「携帯電話の中の動画の1部が削除されていたこと」だった。
削除された動画を復元することはできないけれど、データのバックアップがあるかも知れないと一応の期待を残す。
そしてその麻里の携帯には、動画を削除した際の指紋とアクセスが残っており、その動画は麻里自身によって削除されたことがわかる。
ガラケーに映った「社会の闇」
咲と麻里が昔、「2人だけの秘密の場所」として集っていた森があり、そこに右京はじめ、亘と陣川は咲に連れられて行った。
その森奥に、麻里と一緒に埋めたタイムカプセルがあり、そのカプセルの中には古い手紙やMDがある。
そして手紙やMDに紛れて、古いガラケーがあるのを発見し、そのガラケーを再起動してみると電源が入った。
その16年前に販売されたガラケーの内容を、再び青木に調べてもらった。
するとそのガラケーには動画が存在し、そこには「ホテルの一室と、眼鏡をかけた少女、そして覆面をかぶった奇妙な男」が映っていた。
青木はこの動画を見るや否や「何だ、この社会の闇は!?」と驚きながらも繭をひそめる。
右京はその動画の中で、眼鏡をかけた女子高生に注目した。
亜弥の存在
眼鏡をかけた女子高生は、児童相談所仲間の亜弥だった。
咲はその動画に映っていた覆面の男に昔襲われたことがあり、その動画を陣川から見せられるや否や、その場で気を失った。
その経過を良子に伝えると、良子はその動画に映っている女子高生が「亜弥だ」という事実を告げる。
急きょ、右京らは亜弥を呼び出し、麻里の死について事情を訊くことにした。
現れた亜弥は少女時代と同じく眼鏡をかけており、口元にはアザがあった。
ガラケーの動画を見せると亜弥は、
「私です」
と告白し、
「会う男の中にはヤバイ奴もいるかも知れないから、撮影して証拠を残すのがルールだったんです。」
と撮影の理由を話した。
そして、この男たちとの密会を咲も麻里もしていたことを、良子と亜弥はそろって証言した。
倒れたことで病院にいた咲にその辺りのことを聞くと、
「金のためにやった」
と平然かつ悲しそうに言う。
そしてその頃に4人は白いジャケットの男と出会う。
この男は4人から「シュガー」と呼ばれており、はじめは優しかったが、段々と要求がエスカレートしていった。
シュガーは麻里の初恋の相手であり、その男を込みで4人一緒に、
「誰にも頼らずにスナックを開いて、人生をリセットするつもりで社会で生きていこう」
と誓い合っていたことを良子は告白する。
良子が仲間内から抜け出す
良子は養子縁組を決めた頃から、児童相談所仲間の4人から段々と遠ざかっていった。
それから4人は疎遠になっていく。
良子は「子どもたちに手を差し伸べる」というタイトルをもって講演会を開いた。
そこで良子は、
「全ての児童は心身ともに幸せになるべきで、その生活は必ず保障されなければいけない」
といった旨の講演をし、恵まれない子どもに対する支援を積極にしていた。
佐藤春樹という交際詐欺を生業とするヤクザ
麻里が付き合っていた男・シュガーは佐藤春樹という、元暴力団員だったことが判明した。
佐藤はずっと少女を対象にた交際詐欺(商売)のようなことを続けており、女性をだまし続けていた。
そのだまされた女性の1人に、麻里がいた。
「何らかの計画に邪魔になったから、佐藤は麻里を殺害したのか?」
という疑惑も浮上したが、佐藤はストーリー現在で末期の胃がんに罹っており、その状況から麻里を殺害することが無理だとされた。
事件の真相と解決
講演会を終えた良子は右京らに呼ばれ、講演会場の駐車場に連れられた。
「削除された動画に映っていた人物というのは、麻里が守ろうとした人物ではなかったか?」
と右京は推理しており、その追究ネタをもとに良子の自白をそこで誘おうとした。
さらに緊迫した右京の追究に負ける形で、良子は事件の真相を明らかにした。
ガラケーに映っていたのは眼鏡をかけた女子高生の他、良子もいたと言う。
以前に麻里は、国会中継に良子が映っているのを観ながら、
「自分の友だちだ」
とクロツチに告げていた。
そこでクロツチは、
「その動画を利用して、良子を脅迫しろ」
と麻里に指令を出した。
麻里はある夜、良子の自宅を訪ねてクロツチとの経過を良子に話した。
「大丈夫、動画はもう削除しといたから。その代わりに、スナックの開店資金500万円だけ出してほしい」
という旨を麻里は良子に言う。
それを体の良い脅迫と受け取った良子は、「脅迫は罪だからやめなさい」と麻里に言うが、麻里は恋人との関係に悩まされながら決断を迷っていた。
良子と麻里は、麻里が死ぬ直前に山峡の現場で会っていた。
そこで麻里は良子に、
「昔、よくここで試したよね?生きるか、死ぬかって。でもそのときの私、単に死ぬ勇気がなかっただけで、リセットすることもできなかったんだよね。」
と言い、崖に立つ形で身を乗り出し、今にも崖から身を投げようとした。
それを見て良子は、
「ダメェ!!」
と手を差し伸べようとするが、
「お願い、リセットさせて!」
と強く言う麻里に良子は、スッと、伸ばしていた手を引き下げる。
それを見た麻里は少し落胆した表情を浮かべ、そのまま崖下に身を投げた。
その経過を初めて聞いた咲は、
「とめなかったの…!?」
と、怒りに打ち震えて良子に訊いた。
良子が手を引いた本当の理由は、自分の過去を知っていながら、その過去を利用して脅迫してきた麻里の存在への脅威からだった。
「保身のために」と麻里を見殺しにしたことを悔やむ良子は、それでも、
「私のせいじゃない!私たちをこんな不幸な目に遭わせている社会が悪いのよ!」
と繰り返すが、その良子に咲は、
「そんなこと言ってるんじゃないの!麻里は良子ちゃんにとめてほしかったのよ!!」
と声を荒げて言った。
そして咲はナイフを素早く取り出して、良子に向かって行った。
右京が体を張って良子を守り、陣川は咲の持っていたナイフを素手でつかんで取り押さえた。
ダメージグッズじゃない
「ダメージグッズ」は「不良品」や「傷つき物」の意味。
つまり「ダメージグッズ」は「薬の乱用者」を仄めかす形容があった。
事件解決から時が経ち、麻里は結局「自殺」ということに落ち着いていた。
咲は「薬物使用者の会合」に出席しており、その折りの咲に、右京ら特命係と陣川は会いにきていた。
咲の容姿は落ち着いたものになっており、新しい人生を歩み始めていた。
「もう薬はやめようと決心して、逃げることもやめにしたんです」
と毅然とした姿勢で言う咲の視線には、迷いのない輝きが取り戻されていた。
その後、良子も「麻里に対する罪滅ぼしのために」と政治家を続けることを自分に課し、第2の人生を力強く歩んでいた。
その昔、ロンドンのフライアーズブリッジで陣川に自殺を止められた経緯がある。
その陣川にもう少しで殺人者になるところを再び助けられた咲は、陣川に深々と礼をした。
咲は、右京、亘、そして陣川に、ダメージグッズで作ったネクタイピンをプレゼントした。
「ダメージグッズには、新しい物にはない深い味わいがあります」
と右京はとても喜んだ。
[ad#ad-1]相棒16 第11話 視聴者の感想
陣川くんはすごいんだぞ。好きになった女性はみんな犯罪者だったけど、毎回本気で好きになってたんだぞ。最後に好きになった女性は殺されて犯人をブチ殺しかけたんだぞー!そういう男の言う「彼女のこと、本気じゃなかったのか」は重いぞ。 #aibou
— 折鶴 (@grusori) 2018年1月10日
一般人「援交動画放送とは攻めてるなぁ…」
相棒クラスタ「久々に相棒でエロいの見た」
歴戦の相棒クラスタ「亀山との出会いで喘ぎ声バンバン出てた裏ビデオの場面よりはマイルドだな」
#aibou #相棒— Naoki (@aiboulove1217) 2018年1月10日
陣川wwwwwwww絵wwwwwwww#aibou pic.twitter.com/Zi1HUEZnZJ
— みかん (@natsumikan_0173) 2018年1月10日
陣川くんが言ってたやつ気になって調べたら「別れて三日もすれば随分と成長しているものであってまた次に会う時は目をこすって違う目でみなければならない」と云う意味だそうな。相棒は勉強になりますねえ#aibou pic.twitter.com/scbK1UdjQ7
— やゆ@伊丹ソムリエ (@ap_y13) 2018年1月10日
さっきからどうして重要な証拠品かつどう見てもセンシティブな情報を歩道橋の上で見せたり幼稚園で見せたりしているのだ、モバイル社会に対応してどこにでも気軽に持ち歩けばいいってもんじゃないぞ #aibou #相棒
— いが(たろに) (@iga_iganao) 2018年1月10日
相棒美術スタッフさんがせっせとあのかんかんの中の十代女子が書いたキラキラお手紙を作成していたと考えると胸に来るものがあるね… #aibou
— 魔王 (@ma0haakai) 2018年1月10日
角田「シュガーの正体は佐藤春樹」
冠城「佐藤(砂糖)だからシュガーか」シュガーはダサいと思ってたけど由来もダサいとは思わんかった
#aibou #相棒— Naoki (@aiboulove1217) 2018年1月10日
[democracy id=”21″] [ad#aibou]青木よ、「全く……自分がいないと何も出来ないんだから」とは一言も言わず、毎回右京さんの無茶ぶりを全てこなしてた鑑識の米沢さんを見習え。 #aibou
— 折鶴 (@grusori) 2018年1月10日
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