10月18日(水曜日)に放送された『相棒16』初回拡大スペシャル、第1話「検察捜査」。
1度取り調べを受け、公式に逮捕された連続殺人犯である男が、取り調べ中に受けた脅迫尋問を全面に掲げ、杉下右京と冠城亘の2人を脅迫罪で告訴するという、警察内部の不手際・有罪を明るみに出す挑戦に出た!
16シーズンの初舞台は、市民の信頼を全面に集める警察のトップ・警視庁の中で起こった犯罪に踏み込み、その内部告発のような告訴をもって、警官2人を有罪に問うという、〝容疑者から警察への挑戦〟で始まりました。
右京と亘は取り調べという初動捜査のミスにより、まるで冤罪をかけられたような窮地を味わいます。
しかし右京の機転と才知、亘の暗躍する挽回劇が、「冤罪の檻」からの脱出を試みます。
『相棒16』シーズンの初回内容を紐解きながら、その実態と魅力の数々、また初回放送の視聴率を含む、あらすじ&徹底解説・感想をご紹介します(※ネタバレを含むのでご注意下さい)。
相棒 Season16 第1話 視聴率
第1話タイトル「検察捜査」―初回拡大スペシャル
放送日時:2017年10月18日(水)よる9時~10時24分
視聴率:15・9%
相棒 Season16 第1話 あらすじ(ネタバレあり)
稀にみる凶悪事件発生!
連続殺人犯の容疑者として挙げられた平井陽は、一見誠実そうなイケメンの優男であるが、その実、自分の妻になった女を過去3度も殺害したとみられる凶悪犯。
仕事も充実しながら大富豪の家庭に生まれた平井は、検挙されたこの日を境に、〝自分に濡れ衣を着せた警察〟を仇にして「警察を逆起訴する」という挑戦に踏み切る。
また平井もなかなかのインテリで、右京の「手痛いところを突く質問や究明」にもさらりと身をかわす形で無難を装い、その実体を暴かれることには何重もの〝壁〟を置く形で回避する。
そんな平井であるが、幼少の頃の平井は男子であるにもかかわらず、リカちゃん人形が最も大事な物であった(追憶シーンによる)。
そして平井は同じく幼少の頃、「母親が物を簡単に捨てる行為」を見続けたことにより、一種の「不用品・不良品を早急に処分することによって物ごとを落ち着かせる、廃棄症候」の気があることを仄めかす。
「こんな堅実で真面目そうな人が、こんな事件を…」という、昨今から現代に見られてきたような〝典型的な潜伏型事件〟の発生だった。
敏腕弁護士・与謝野慶子の登場
そして、その逆起訴による勝訴という野望を果たすべく、平井が自分に随行させたのは同じく勝訴への野望に燃える敏腕弁護士・与謝野慶子であった。
「金のためなら何でもやる」と手段を選ばない慶子は平井の目的と並行しながらも、「自分が手がけた案件への成功のために」と豪胆すぎる法をもって挑んでくる。
いかにも凄腕の、「裁判では必ず勝利を掴もう!」とする冷静かつクールな弁護士・慶子の前で、杉下と亘もなかなか挽回の糸口をつかめず四苦八苦する…。
この絶壁の窮地から、果してどうやって脱出するのか!?
今回の1番の見どころです。
[ad#ad-1]〝逆起訴〟を投げつけられた警視庁の反応と暗躍…
容疑者からの〝逆起訴〟という異例の出来ごとを受け、特命係に敵意を抱く法務事務次官の日下部は、旧知の検察官・田臥に「東京地検で告訴状を受理せよ」と指示を出した。
しかし真の狙いは脅迫罪の立件ではなく、「違法捜査を行なった特命係」という名目で、特命係を警察から廃絶することにある。
田臥は任務を受けた後、特命係の身辺を調査しながらも社美彌子や月本幸子にまで捜査の網を広げ、特命係を徹底的に壊滅に追い込むという斬新な手段に出始めた。
「警視庁内部の犯行」として認められることにより、脅迫罪の嫌疑は警察にとって、完全に世論を敵に回すことになってしまう。
それによって汚名返上、疑惑を晴らすことへの挽回を図るのがさらに難しくなった警視庁は、かねてより疎ましく思っていた特命係の排除を目論み、日下部と同じく〝1部署、それも警察組織からは1番遠い点にある特命係〟のみの責任として、ことをうやむやにしようという談合的な解決に乗り出した。この陰で、特命係を根絶しようと画策していく。
この一連と並行する形で警視庁副総監の衣笠は、これもかねてより敵意をぶつけていた警察庁長官官房付・峯秋の失脚を図り、特命係もろとも闇の彼方へ葬り去ろうとする。
1つの事件発生から二重・三重のかく乱が勃発する形で、署内の裏ではもはや「誰も信用できない異様な空気」が立ち込めていた。
窮地に追い込まれる特命係!果たして真犯人究明への糸口とは…?
嫌疑をかけられ、脅迫罪の疑いを晴らすことにも至難となった特命係は、警察組織からも見放される形で完全に孤立する。
頼るべき・求めるべきものはもはや、それでも平井の誠意に求める自供と、状況証拠から物的証拠、「真犯人を確実に挙げられる絶対的証拠」の存在。
しかし平井の犯行もなかなか用意周到の様子で、犯行現場とおぼしき場所・空間には、その痕跡から経過を一切残さない。
加えて脅迫罪の嫌疑による捜査妨害も発生していき、さすがの右京もその名推理・論理的解決への糸口が皆無となる。
それでも自前の〝犯行経過の再現〟を構想していく仮説による事件究明に奔走し、その傍らでは、亘の独自捜査も段々〝真相の輪郭〟を明らかにしていき、事件解決への一途を辿り始める。
なかなか進展しない事件解決への途に焦ったのか、「想像が及ばないなら、勝手な推理をするな!」と、珍しく亘に激高する場面も見られた。
右京と亘は組織から外れて単独捜査を行なう内、犯行究明・真相への糸口には、平井が幼少の頃より育ててきた心理面の歪曲があることに気づく。
さて、右京と亘はこの〝二重の壁〟をどうすり抜け、連続殺人事件の真相を究明するのか…?
[ad#ad-1]相棒 Season16 第1話 感想(ネタバレあり)
ついに始まりました、再放送でもリアルタイムでも連載・ロングランの『相棒』シリーズ16!
第1話「検察捜査」は、初回拡大スペシャルとして1時間半の放送枠でしたが、やはり「さすがは相棒!」と言わせるその構成力には思わず脱帽!
やはり『相棒』には〝追いつめる側〟と〝追われる側〟との心理戦の骨頂があって、その内装のようなものがスクリーンサイズを越える形で表れることにより、観ている側にも両者のあり方が「グッ!」と印象深く刻み込まれるんですよね。
今回、妻連続殺人の容疑者を演じられた中村俊介さんですが、中村さんはかつて月曜枠で放送していた『ハンチョウ〜神南署安積班〜』シリーズ(原作:今野敏、脚本:石原武龍ほか、2010年1月)にも出演されており、そこでは村雨 秋彦役で誠実漢を思わす敏腕刑事を演じられていました。
『ハンチョウ』シリーズも熟知するほど観てきた私ですから、「えっ、この前はあんなイケメンの凄腕刑事だったのに、今度は連続殺人犯人?!」といったような、なにか、中村さん独特の〝誠実オーラ〟に錯覚を覚えさせられるほど、斬新かつ新鮮な驚きを覚えたものでした。
今回の目玉は、「逆起訴という異例の事態により、いつもは疑う一方の警察が、世間からその信頼の根底を崩壊させられるほど疑惑をかけられる」といった転換気味の設定にあり、その珍事のような異例の弾劾に、警視庁をはじめ各省庁が、どんな奔走と困惑、挽回を見せるのかが、とても大きな魅力を醸すところでした。
それに加える形で『相棒』特有の〝心理戦〟です。
これは中村さん演じる平井陽の生い立ちにその〝紐解き〟があるのですが、そこで培ってきた幼少児頃の平井の心理の経過があまりにも複雑です。
母親から得た愛情への屈折、習慣の徹底性(これが転じて凶悪性に移り変わります)、そして何より運命として背負わされたような「人との儚い出会いのあり方」が、今(ストーリー現在)の平井の全てを作り上げているといった、半ば怪奇を想わすほどのミステリアスが、右京、亘と対峙するときの平井に一貫して冴えています。
そして弁護士・与謝野慶子の登場。
慶子にも半ば屈折したような「野心への度を過ぎた渇望」があり、この平井が持っている屈曲性と似たような〝匂い〟が立ち込めます。
この2人がまるで協奏(狂奏)するように立ち向かってくる挑戦の全容には、いくら右京・亘と言えども、なかなか事件究明への糸口を見つけられない〝壁〟のようなものを感じさせられたことでしょう。
この辺りの心理戦・舌戦が実に見事な演出・脚色を醸し立てます!
[ad#ad-1]相棒 Season16 まとめ(ネタバレあり)
やはり〝つかみ所のない恐怖感・異常感〟を心底から伝えてくるような中村さん演じる平井の様相には、今回の目玉である〝逆起訴〟の支柱を丈夫にしている「人間の本性」が見え隠れしています。
そしてさらに警察内部でも特命係への障害を置き、その捜査のあり方から進展具合を大幅にかく乱(邪魔)してくる、いつも通りの険しさも健在です。
本当に「この板挟み的・二重の壁と障害網をどうやって切り抜けて、右京と亘は真犯人究明に辿り着けるのか?」と、その暗躍的な挽回と策略に注目させられるでしょう。
「面白い」というか「興味深い」というのが正直な感想で、追えば追うほどにそのストーリーに内在された〝隠れた珍味〟をいつまでも味わえるという恒久型の第1話です。
またこの第1話は続編を持つ形で、次話でも予測不能なインテリジェンス(平井)と右京との一騎打ちが観られるなんてゾクゾクしますね!
ぜひ〝逆起訴〟という珍事に面白みを見ながらも、この平井・慶子の狂奏的なコラボに演出される「完璧な異常性」を味わってみて下さい。
この闇のようなミステリアス・異常性を暴き、「事件解決」を裏技のように得るという右京・亘2人の暗躍&活躍に注目です!
事件解決へ5つのヒント・メモ
大富豪の家柄
平井はもともと何不自由なく過ごせる富豪の家柄であり、犯罪など起こす必要もないと噂されるが、その「不自由ない生活」とは裏腹に、平井自身の心には〝窮屈な檻〟がある。
リカちゃん人形
平井が幼少時にとても大切にしていたフィギュアの1つで、物を捨てる母親とは対照的な一面があり、その心理の奥底には〝セクシャルマイノリティ〟を想わす輪郭がある。
逆起訴
そもそも平井には逆起訴をする上で、警察という権力への〝隠れた腹案〟を持つ様子。
3人の妻
連続殺人犯と疑われる平井であるにかかわらず、なぜ次から次へと女性が寄ってくるのか…、無意識にでも女性を惹きつける〝隠れた魅力〟の出どころとは?
母親へのイメージにトラウマが…?
平井の母親は潔癖主義とも見られるほどの「物をどんどん捨てていく主義」、これに対して幼少頃の平井には、その価値観を歪めるほどの精神的ショック(恐怖)があった。
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